1930年。デンマークに住む風景画家アイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、
ある日、肖像画家である妻のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)に頼まれ
女性モデルの代役を務めることに。
これをきっかけに、アイナーに内在していた女性性が目覚めていった。
次第にリリーという名の女性として過ごすことが多くなっていき、
心と身体との不一致に苦悩を深めていくアイナー。
ゲルダもまた、アイナーが夫でなくなっていくことに困惑するものの、
やがてリリーこそがアイナーの本来の姿であると理解し受け入れていく。
そしてパリに移住し解決の道を探す二人の前に、ある婦人科医が現れる――。
(Movie Walkerより)
二人が育ったデンマークの風景から始まる本作。
こんなに切なく悲しい映画だとは知らずに観に行きました。
これが実話かぁ。1930年に性転換手術って…。
それほどまでに苦しみ切望していたという事か。
エディ・レッドメインの変身ぶりは予告映像通り、完璧ですね。
見た目もそうだけど、人物になりきる演技も今さらながらスゴイ。
ホーキング博士からリリーですよ。そのどちらも違和感を感じない。
トランスジェンダーの問題は実感として理解するのは難しくても、
妻ゲルダの苦しみは実感できそう。
夫が夫じゃなくなるなんて、普通なら受け入れられないわ~。
それでも彼女(彼)を愛し、全てを受け止め、傍にいるゲルダ。
なんだかもう息が苦しくなるわ。
アリシア・ヴィキャンデルも『コードネームU.N.C.L.E.』とは
ぜんぜん違う顔を見せてくれます。
映像はトーンダウンした色合いで室内も風景も美しい。
アイナーの幼なじみハンスとして登場したのがマティアス・スーナールツ。
(おっ、彼も出ていたのか!!)
このハンスとアイナーの間に、子供の頃ちょっとした事があり、
父親に叱られたことがあると。
アイナーの中には子供の頃から隠された女性性があったらしい。
映画では2回目の手術でリリーは亡くなってますが、実際は5回も手術したそうです。
手術が公となり、国から婚姻を無効とされ、それでもリリーを支援し続けるゲルダ。
婚姻無効となると、お互い別の相手と結婚し、ゲルダはモロッコへ。
最後の子宮移植手術から拒絶反応のためリリーは亡くなり、
その知らせを受けたゲルダはすぐに離婚し、リリーの元に戻ったとか。
ゲルダはデンマークでその生涯を閉じたと。
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びっくりです。でも今でこそこうやって随分オープンになってきましたが、この時代では性転換そのものがありえなかったでしょう。
ご本人は性とのギャップに苦しんだ上の決断だったのでしょうね。
何にも代えがたいものなのだと思います。
数か月間だけだったけど、母親にもなれる体になったリリーは幸福だったのかもしれません。