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好きなことだらけさ…

デンマーク・ロイヤル・バレエ団「ロミオとジュリエット」

2009年05月24日 | バレエ

2009年5月24日(日) 15:00開演   会場:東京文化会館


クランコ版やマクミラン版もいいんですが、
このジョン・ノイマイヤー版かなりいいです。
個人的には一番いいかも





特にスターダンサーのいないバレエ団ですから
ロミオ様「キャー」とかティボルト様「キャー」というノリではないです。
音楽を活かしながらの流れのある演出と振り付け。
技見せオンリーの間延びした部分がまったくありませんでした。

1幕でのロミオは他の作品にみられるような
いきなり王子様キャラではありませんでした。
女の子に興味津々のまだまだ子供のヤンチャ設定。
友人のマキューシオ等と祭りでもキャピュレット家の舞踏会でも
大騒ぎという感じです。

それが2幕、3幕と進んで、恋を知り運命に引き裂かれていくうちに
王子様になっていきます。

ジュリエットもじつに可愛かったです。
特に二人で踊っているときに度々出てくる動き。
一緒にクルクル回って背中合わせにペタッと座り、
お互いの肩に顎を上げてもたれかかるというヤツ。
(すいません、何と言うのか解りません
ラブリーですわ~

キャピュレット家舞踏会の踊りは
大仰で尊大なにおいのする腰が痛くなりそうな動きを
あのソフトバンクの曲に乗せて踊ります。
これもまた何度でも観ていたくなります。





2幕の二人がが密かに結婚するシーンでのジュリエットは真っ赤なドレス。
ロミオがブルーの上着で僧ローレンスと3人で踊るシーンは宗教画ですね。

祭りでティボルトにマキューシオを殺され、
逆上したロミオがティボルトを殺してしまいますが、
それを知ったキャピュレット夫人の反応が凄い!

キャピュレット夫人とティボルトが不倫関係設定なので
夫の制止も全く効かない錯乱ぶり。

マキューシオの死にざまもなかなかなので
このシーンもドラマチックに仕上がってます。





3幕の墓所のシーンも舞台美術綺麗でした。
死んでしまったと思いこんで、ジュリエットを抱いたままロミオは踊ります。
くっ~泣けますねぇ。
最後は二人息絶えたところで幕です。
その後ダラダラと両家仲たがいを悔いるとかはやりません。
潔いです。





細かいことを言えば群舞にバラつき感があるとかありますが、
このバレエ団は演劇要素がふんだんに入った舞台が
得意なんだろうなと思いました。(「ナポリ」のマイムもスゴかったし)

クラシックバレエ体系でみる、とやや線の細いロミオらしいロミオでしたが
めちゃめちゃリフトの多い振付を優雅にこなしてました。
あと他の作品では地味な存在のパリス伯爵がしっかりいました。

舞台の場面転換も、幕を下ろさず手前で踊っている間に
スルスルと上手いもんです。


この作品をノイマイヤーのハンブルグバレエ団で観てみたいです。
技的にも凄くなりそう。



実は今日観た中で一番ときめいたのは僧ローレンス。
彼はまったく踊らないのですが(結婚式のシーンは二人の間に入っているだけです)
なかなか好みのお顔立ち(横を向いた時の後頭部が萌えですわ)
ちょっとは踊ってほしかったなぁ。





キャスト

キャピュレット家
キャピュレット夫人:ギッテ・リンストロム
キャピュレット公:モーエンス・ボーセン
ジュリエット:スザンネ・グリンデル
ロザライン:エイミー・ワトソン
ヘレナ:セシリー・ラーセン
エミーリア:ディアナ・クニ
ティボルト:マス・ブランストルップ
乳母:イェッテ・ブックワルド
ピーター:イェンス・ヨアキム・パレセン

モンタギュー家
モンタギュー夫人:ルイーズ・ミヨール
モンタギュー公:フレミング・リベア
ロミオ:セバスティアン・クロボー
ベンヴォーリオ:アレクサンダー・ステーゲル
バルタザール: オリヴィエ・スタロポフ

キャピュレット家の使用人
サンプソン:アルバン・レンドルフ
グレゴリー:クリスティアン・ハメケン
ポットパン:バイロン・マイルドウォーター
ルチェッタ:エレン・グリーン
グラティアーナ:ブリジット・ローレンス
カミーラ:ヒラリー・ガスウィラー
ウルスラ: ホリー・ジーン・ドジャー
ネル:マティルデ・ソーエ
スーザン:エリザベット・ダム

モンタギュー家の使用人
アブラハム:ジェイムズ・クラーク
アンジェロ:グレゴリー・ディーン
マルコ:エリアベ・ダバディア
シルヴィア:エスター・リー・ウィルキンソン
フランシス:レベッカ・ラッベ
マルガレータ:サラ・デュプイ
ポーリーナ:レナ=マリア・グルベール
リヴィア:アマリー・アドリアン
マリア:ジュリー・ヴァランタン

ほか、ロザラインの召使い、キャピュレット家の護衛、
キャピュレット家の舞踏会の客、モンタギュー家の護衛

僧ローレンス:コンスタンティン・ベケル
エスカラス(ヴェローナ大公):エルリング・エリアソン
マキューシオ:モーテン・エガト
パリス伯爵:マルチン・クピンスキー

娼婦
イモーガン:キジー・ハワード
ヴィオレンタ:マリア・ベルンホルト

旅芸人の一座
イザベラ: ティナ・ホイルンド
ヴァレンティン:ジャン=リュシアン・マソ
ルシアーナ:アナスタシア・パスカリ
ラヴィニア:ジョルジア・ミネッラ
アントーニオ:クリストファー・リッケル
ビアンカ:キジー・ハワード
セバスティアン:セバスティアン・へインズ

ほか、ヴェローナの市民、花娘、元老議員、商人、守衛、会葬者、司祭、
修道士、修道女

デンマーク・ロイヤル・バレエ学校の生徒   協力:東京バレエ学校


指揮:グラハム・ボンド
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団