院長室から

日々の診療、子育て中のつぶやき

採血ホルダー

2008-06-08 06:15:25 | 診療所

最近、採血器具の使い回しでウイルスの感染が起こる報道がちょこちょこ出ています。
わたしが医師になった15年ほど前は、ホルダーを使っての真空採血はまだやっていませんでした。普通に注射器で採血して、そのあと試験管に入れていました。研修医が終わる頃に採血ホルダー使った方が、針刺し事故が少なくなり採血者にとって安全であるということで奨励されるようになりました。
当初は、ホルダーは明らかに血が付いたのでない限り、繰り返し使えるものとしてそのまま何度も使用していました。

そちらのやり方に問題があるとして、日本臨床検査標準協議会出されたのが2004年のガイドラインです。
http://www.jamt.or.jp/index.html
けど、”原則として”や、”各医療機関で検討して”など、カッコ付きのものです。しかも正直言って恥ずかしながら、今回の騒動までこの内容を知りませんでした。自分が採血するときにはついつい慣れた注射器での採血にしていましたが・・・。厚生省の方から採血法の、認知度、実行に関する調査が先日送られてきました。どれくらいの施設がしっかり分かっていたのかわたしもきちんと知りたいです。

どうも庶民からすると、後期高齢者の医療にしろ、しっかりした事前のアナウンスが少々足らないように思うのです。よっぽど、タスポ(7月1日からたばこを自販機で買うときにカードがないと買えなくなります)のほうが、浸透しているのではないでしょうか?全然たばこを吸わない私だって知っています。

うちの診療所でも準備段階では、採血ホルダーはさほど数を準備していませんでした。これら一連の報道をうけて看護師さんと、うちでは採血ホルダー使い捨てでいくか、注射器での採血でいくか相談しました。当面コストの安い注射器での採血をということになりましたが、それこそ採血者の針刺しリスクが高くなるのです。準備ができ次第来週から採血ホルダー使い捨てに、変更します。