昨日、日本蘇生協議会(JRC)と日本救急医療財団によって、
国際蘇生連絡委員会(ILCOR)による2010 CoSTRをもとにした
救急蘇生のためのガイドライン2010年ドラフト版がでました。
以下は、一次救命処置の手順です。参考にしてください。
http://jrc.umin.ac.jp/pdf/20101019/guideline1_BLS.pdf
これは5年ごとに、最新版にバージョンアップされるのですが、
今回の目玉は、一般の方による救急蘇生は胸骨圧迫(=心臓マッサージ)のみでいいと言うことです。
以前より、胸骨圧迫のみでも胸郭を動かせることから、
ある程度の空気の出入りがあるため、マウストゥマウスでの人工呼吸は比率が減ってきていたのですが、
ここに来て完全になくなりました。
人工呼吸は、他人に行うのは少し抵抗があるかたが多いでしょうし、
作業が煩雑になるため効率が落ち、かえってうまくいかなくなる場合を考慮してのことだと思います。
医療従事者を始め、気管内挿管、バッグマスクの準備があるところでは、
準備ができ次第30:2の胸骨圧迫と人工呼吸をミックスさせたものに切り替えるとされています。
勤務医のときには、時折二次救命処置を行っていましたが、
さすがに開業してからはそのような機会はなくなっています。
現場からしばらく離れると、緊張もするしだんだん手技の質も落ちてくると思いますので、
これを機に、スタッフ一同で蘇生処置を確認したいと思います。
また話は変わりますが、日本動脈硬化学会から、日本脂質栄養学会のガイドライン
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsln/guideline/guideline-abstractPDF.pdf#search='日本脂質栄養学会%20長寿のためのコレステロールガイドライン'
に対して、
反対の声明文が出されました。
http://jas.umin.ac.jp/
私も、一臨床医ではありますが、腎臓をはじめとする血管病変が専門であり、
様々な血管病変の合併症を診てきています。
その上で、こちらの意見に賛同します。
もちろんほかにリスクのない閉経以降の女性など
LDLが160くらいまではいいだろうとされる方もいらっしゃいますが、
元気な子供は、コレステロールは全然高くなんかありません。
年を取ってきて、少しずつ脂質を処理する能力が落ちてくるからこそ、
上がってほしくないのに、仕方なく上がってしまうものではないでしょうか?
全員高めのコレステロールを目指すのはおかしいと思います。