院長室から

日々の診療、子育て中のつぶやき

新しい薬について

2014-04-07 12:23:35 | インポート

先週は、新しい薬の勉強会に二つ参加してきました。

どちらの薬も摂りすぎてしまった栄養を体から追い出してしまう薬です。
一つは脂肪、一つは糖です。

脂肪は、脂肪を消化するリパーゼという酵素の働きをブロックしてそのままうんちに出してしまうので、飲むと脂肪便が出ます。少し汚い話になりますが、便がぎらぎらしていたり脂肪滴がトイレに浮く感じだそうです。演者の先生がためしに服用してみたところ、ものすごく脂が浮いて日頃こんなに脂肪をとっているのかとびっくりしたとのことでした。

糖のほうは、通常腎臓でいったん濾しだされて、再吸収されて血液の中に戻るのですが、その再吸収を抑制して、おしっこに糖を出してしまう薬です。甘い匂いのおしっこになりますね。

どちらも太っている患者さんに使える薬で、逆に標準体重の方には使いません。また、太っていても特に糖尿病や高脂血しょうがある方以外には使いません。

今は、食生活が豊かになり、おいしいものの情報もどんどん入ってきます。あれも、これも食べてみたいな~って思うと、どうしても食べすぎてしまいますね。
こんな薬が必要になるなんて、きっとおじいちゃんくらいの代には予想もしないことだったと思います。

来月には、これらの新薬が臨床で使えるようになりますが、
出来るだけそのようなものに頼らなくて済むように、
いい生活習慣を身につけられるようがずっといいと思います。

内科医としては、いろいろな薬が出てきてくれると
慢性疾患をコントロールしやすくなるので、非常にありがたいとは思うんですけどね。


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