院長室から

日々の診療、子育て中のつぶやき

ヘルシー講座への質問から

2010-11-30 04:44:17 | 健康・病気
講座終了後に、電子レンジでの調理はどうなんでしょう?と言うご質問をいただきました。
考える内容が多岐にわたり、すぐにはわからなかったので宿題にさせていただきました。

いろいろ調べても、よくわからないことも多いのですが、確実なところだけ書いておきます。

まずは、食材の栄養価についてです。
今回の主役の一つビタミンCは、熱に弱く水溶性でしたね。
こちらは従来のゆでる、蒸すに比べて、調理時間が短く、水にさらさないレンジ調理に軍配が上がります。
おそらくレンジ>蒸す>ゆでるの順に、多く残ると思います。
ほかの2つ、ビタミンE、カロテノイドはどうでしょう。
これらのビタミンは、脂溶性であり熱にも強いのです。
このため、どのような調理法でも大差はないと思います。
復習になりますが、油と一緒に調理するとよく吸収できますね(マリネや炒め物など)。

また、人体への影響はどうでしょうか?
電子レンジは、電磁波(2450MHzのマイクロ波)により、水分子を共鳴振動させ、
摩擦熱が生まれることによって食品を暖めます。
放射線なども電磁波の一種なので怖いものとイメージされることがあるかと思いますが、
波長がかなり違うので人体への影響はまったく別ものと言えるのではないでしょうか。
長い波長ーマイクロ波>赤外線>可視光線>紫外線>X線(レントゲンに使われる)>γ線(いわゆる放射線)ー短い波長
これらのマイクロ波は、扉を閉めて稼働させた状態では、ほんの少ししか外部に漏れません。
なので、あまり神経質に考えることはないと思うのですが、
発ガンや白内障の一因になるとか、何となく長期的にあるかもしれない危険性については
私もよくわかりませんでした。

なお、買ってきたお惣菜などをレンジで温めるときに、
そのままのプラスチック容器で暖めてしまうと、
熱により容器から溶け出す成分が食品についてしまったりするので
普通の食器に移し替えたほうがいいでしょう。

参考にしていただければと思います。



救急蘇生は胸骨圧迫だけ

2010-10-20 06:00:58 | 健康・病気
昨日、日本蘇生協議会(JRC)と日本救急医療財団によって、
国際蘇生連絡委員会(ILCOR)による2010 CoSTRをもとにした
救急蘇生のためのガイドライン2010年ドラフト版がでました。
以下は、一次救命処置の手順です。参考にしてください。

http://jrc.umin.ac.jp/pdf/20101019/guideline1_BLS.pdf

これは5年ごとに、最新版にバージョンアップされるのですが、
今回の目玉は、一般の方による救急蘇生は胸骨圧迫(=心臓マッサージ)のみでいいと言うことです。

以前より、胸骨圧迫のみでも胸郭を動かせることから、
ある程度の空気の出入りがあるため、マウストゥマウスでの人工呼吸は比率が減ってきていたのですが、
ここに来て完全になくなりました。

人工呼吸は、他人に行うのは少し抵抗があるかたが多いでしょうし、
作業が煩雑になるため効率が落ち、かえってうまくいかなくなる場合を考慮してのことだと思います。

医療従事者を始め、気管内挿管、バッグマスクの準備があるところでは、
準備ができ次第30:2の胸骨圧迫と人工呼吸をミックスさせたものに切り替えるとされています。

勤務医のときには、時折二次救命処置を行っていましたが、
さすがに開業してからはそのような機会はなくなっています。
現場からしばらく離れると、緊張もするしだんだん手技の質も落ちてくると思いますので、
これを機に、スタッフ一同で蘇生処置を確認したいと思います。


また話は変わりますが、日本動脈硬化学会から、日本脂質栄養学会のガイドライン
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsln/guideline/guideline-abstractPDF.pdf#search='日本脂質栄養学会%20長寿のためのコレステロールガイドライン'
に対して、
反対の声明文が出されました。

http://jas.umin.ac.jp/

私も、一臨床医ではありますが、腎臓をはじめとする血管病変が専門であり、
様々な血管病変の合併症を診てきています。
その上で、こちらの意見に賛同します。
もちろんほかにリスクのない閉経以降の女性など
LDLが160くらいまではいいだろうとされる方もいらっしゃいますが、
元気な子供は、コレステロールは全然高くなんかありません。
年を取ってきて、少しずつ脂質を処理する能力が落ちてくるからこそ、
上がってほしくないのに、仕方なく上がってしまうものではないでしょうか?
全員高めのコレステロールを目指すのはおかしいと思います。


子宮癌検診に行ってきました。

2009-03-03 05:46:34 | 健康・病気

2月の末日、やっと重い腰を上げて子宮癌検診に行ってきました。

久喜市は、市民を偶数月生まれと奇数月生まれで分けて、隔年で子宮癌検診を実施しています。今年受けないと来年は受けられないのです。頸癌に関してはもうすぐワクチンが承認される見通しですが、検診はやはり重要だと思います。

近所のサンクリニックさんにお世話になりました。自分も医者でありながら、あの診察台にはちょっと緊張します。結果は一週間後と伺いました。さて、問題なしだと良いのですが。


休日夜間診療所に勤務してきました。

2008-12-08 06:54:01 | 健康・病気

開業して初めて、久喜の保健センターにある休日夜間診療所で診療してきました。

こちらでもウイルス性胃腸炎とおぼしき患者さんが、多かったです。皆さん、気をつけてくださいね。

そういえば、当院でもB型インフルエンザの患者さんがちらほら見えています。こちらにも是非気をつけてください。予防接種を受けたい方は、早めに受けて下さい。


Hibワクチンのこと

2008-11-23 06:21:37 | 健康・病気

さて、筆がのってきたので、Hibワクチンのことにも触れておきたいと思います。

Hib(インフルエンザ菌b型)は小児の細菌性髄膜炎の主要な原因です。これはインフルエンザウイルスとはまた違いますので、混同しないようにして下さい。概要は、以下のホームページを参考になさってください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B6%E8%8F%8C

このワクチンが、さんざん待ちましたが12月19日に発売されます。このワクチンはフランスからの輸入でまだ入手数が少ないため、乳児全員に公費で打てるまではまだまだです。

ワクチンの接種は三種混合と同じようなスケジュールになります。

よしば診療所では希望者がいれば、年明けくらいに2人分くらい手に入りそうな見込みです。希望の方、詳しく聞きたいという方は、ホームページからメールでお問い合わせ下さい。