昨日と今日と酷暑が続く関東地方。「愛媛ってとっても涼しいのね」なんて感じすらします。今日は千葉県内商工会議所の中小企業相談所長向け研修会の講師を依頼されました。
どうもkurogenkokuです。
いまに始まったことではないのですが、〇〇新聞の記事を読んでいてフラストレーションを感じます。論説がとにかく酷い。・・・。
先日、「「ゾンビ」の延命に終止符を」という特集がありました。
一生懸命に生きようとしている企業を「ゾンビ」呼ばわりするのがまず気に入りません。一度、中小企業の相談の現場に来て、絶望感に打ちひしがれている経営者の相談に対応してみたらいい。その経営者には、奥さんや小さな子供さんがいて、苦しいながらに何とか生きようとしている。そんな人に向かって、「あなたを延命することは日本経済にとってマイナスにしかなりませんから、終止符をうたさせていただきます」なんて簡単に言えますかね。
確かにコロナで持続化給付金やゼロゼロ融資といった支援策が彼らを救ってきたことは事実です。コロナとは関連のない業績悪化企業を救うべきではなかった。大局的に見れば確かにそうなのかもしれません。ただそれは現場を知らない評論家の一方的な話。
あの時を振り返れば、「あなたはコロナ後の再生が見込めるから支援します」「あなたはそもそも再生見込みがないから支援策が使えません」なんて判断できる状況にあったでしょうか。感染拡大防止のため、経済活動をストップすることを命じられ、売上がゼロになってしまった事業者を国策として支援するのは当然のことです。ゾンビと呼ばれている人たちも救われました。ただ経営の厳しい企業は、コロナの支援策を除けば、融資や補助金なんて受けられないんです。補助金を活用できているのはむしろ業績の良い企業。ゾンビは支援策をそもそも受けられていません。
最近、倒産件数が随分と増えてきました。悪意のある倒産を支援する必要はありませんが、善意で経営してきた人たちが倒産を余儀なくされたとき、その後の生活が最低限保証されるようセーフティーネットは整備すべきです。これは経済政策ではなく、社会政策として必要だと思うのです。必要な予算です。
話は変わり、リスキリングについて。成長産業への円滑な労働力の移転のための施策として否定するつもりは毛頭ないです。むしろやるべきでしょう。ただ労働力の移転ってそんな簡単なことではないと思うんですよね。ひと昔前、「雇用のミスマッチ」という言葉をよく耳にしました。kurogenkokuは経営者だけでなく、中小企業で働く人もたくさん見てきています。そんな働く人たちの働き方、考え方を目のあたりにすると、今の職場よりも成長産業で給与水準が高いからといって、簡単に職を変えるようにはとても思えないのです。今の職場が小さくても、条件的に恵まれていなくても、そこが彼らの居場所であり、働き甲斐を感じる満たされた空間なのです。
以上、今朝はkurogenkokuの論説を書いてみました。ちなみに〇〇新聞の消費税軽減税率は不要かと思います。自ら公的支援を受けておいて、ゾンビを支援するべきではないとか「どの口が言う」って感じですね(ぼそっ