モトログ ~ある診断士の終わりなき挑戦~

生きた経営行動計画書と反転攻勢のタイミング


昨日、成長志向の話を書きながら、真逆のエントリー。


どうもkurogenkokuです。

 

昨日は川越市、川口市で経営相談に対応。連休明けから全力投球しました。


午前は川越商工会議所管内の企業の事業再構築に関する相談。地域の中核企業ですが、コロナの影響が大きく、大胆な事業再構築が求められます。
同社には何度か足を運んでいますが、今回の社長の構想はなかなか大胆なものでした。事業の方向性に妥当性が高く、間違いなくゴーサインを出すべき案件です。その一方、第三者から見て疑問に思うところをざっくばらんに申し上げ、計画のブラッシュアップを図りました。

「いろいろ悩んでいたところがクリアになりました」という感想をいただき、次回フォローアップの日程を決めて、すぐに移動。


午後は川口商工会議所で製造業3社の収益力改善支援を行いました。この支援では、事業者、金融機関、商工会議所の3社で、経営改善に向けた経営行動計画を考えます。
90分一本勝負で結論が出たところは1回の面談で卒業。借換保証等の手続きに移行します。その一方、計画の実現性が担保されない企業は、日を改めて2回目の面談に移行します。その間、経営者には宿題に対応していただきます。

 

昨日の案件のうち、1社が2回目の面談対象企業でした。
約3週間の期間を経て、経営者からこんな報告がありました。

①取引先10社を回り、すべて15%の値上げ交渉に応じていただいた。
②地代家賃の減額交渉に成功。現在、改定後の地代を検討している。
③役員報酬の大幅カットを行う。

実は、この会社、工場の移転後に経営状況が大きく悪化しました。地代が大幅に上がったこと、材料費等の価格転嫁を行ったが十分な金額ではなかったこと、新規受注獲得のためには設備面の制約があることなどが判明し、小手先の経営行動計画では経営改善が実現しません。
そこで経営者にお願いしたのが、上記3点の改善策にあたりをつけてみることでした。正直な感想は「満点回答」です。この3点を実行し、手元資金の流動性を一時的に高めてあげれば、返済も十分に回っていく。

一時的に数値合わせをして、融資を受けても、実態が伴わなければ会社経営は良くならないんですよね。
生きた経営行動計画にするためには、当たりを確かめてみることが重要です。

経営者にこんな言葉をかけました。

「値上げ交渉したり、地代家賃の減額交渉したり、役員報酬のカットをしたり。嫌な事ばかりだったと思うのですが、本当に努力されましたね。会社経営はきっとよくなると思います。まずは財務基盤の安定を図ってから、いずれ反転攻勢に打って出ましょう。」


経営状況が極めて厳しい企業がまず優先すべきは実現性です。昨日のエントリーで「成長志向の経営者」について取り上げましたが、企業の置かれた状況により、どんな戦略が最も効果的か考えるのが鉄則です。もちろんこのままでは終わりません。反転攻勢をどのタイミングで仕掛けるか。そこも支援者の腕の見せ所です。


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