大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

穴埋めの穴埋め

2014年08月29日 | 政治
法人税を引き下げるためには、その財源探しが必要だ。
8月26日にそのブログ記事「穴埋め」を書いた。
今日は日経新聞を読んで驚いた。

かいつまんで説明すると、「外形標準課税」を中小企業まで拡大する前に、まずは赤字大企業への課税を強化しようとするものである。
しかも「外形標準課税」の要件のうち、資本金に応じて課税している部分を廃止する模様であるから、利益があって人件費が少ない大々企業ほど得をする。
どこにシワ寄せがいくかは一目瞭然だ。

企業が利益を増やせば得をする仕組みであるから、一番簡単なのは「人件費」を削ることだ。
「人件費」をもっとも効率的に削るには、「正規社員」を「非正規社員」に置き換えればいい。
厚労省調査によれば、フルタイム労働者の全ステージ(18歳~64歳)平均時給で比較すると、正社員1919円、非正規社員1213円であった。
これだけで4割近い人件費カットが可能である。

アベノミクス効果で雇用労働者数が増加しているという。
結構なことだが、中身が問題だ。
まずは5年毎に行われる「就業構造基本調査」から見てみよう。
平成19年と24年の調査比較である。
雇用労働者総数 19年:5,322万人 vs 24年:5,354万人 (32万人増)
内 正規社員   19年:3,432万人 vs 24年:3,311万人 (121万人減)
内 非正規社員  19年:1,890万人 vs 24年:2,043万人 (153万人増)

次に「労働力調査(四半期)」から見てみよう。
平成25年と26年、それぞれ4~6月期の調査比較である。
雇用労働者総数 25年:5,207万人 vs 26年:5,234万人 (27万人増)
内 正規社員   25年:3,326万人 vs 26年:3,312万人 (14万人減)
内 非正規社員  25年:1,881万人 vs 26年:1,922万人 (41万人増)

「労働力調査(単月)」からも見てみよう。
平成25年と26年、それぞれ7月の調査比較である。
雇用労働者総数 25年:5,192万人 vs 26年:5,246万人 (54万人増)
内 正規社員   25年:3,313万人 vs 26年:3,307万人 (6万人減)
内 非正規社員  25年:1,879万人 vs 26年:1,939万人 (60万人増)

穴埋めで空いた穴を埋めるのは誰か?
もうすでに大胆なコストカットは始まっている…。
気づいたときは手遅れだ!とならぬようにしたいが、国会は圧倒的に与党の天下だ。
いまさらながらではあるが、政権交代の手痛い失敗が悔やまれてならない。
かえすがえすも悔しい!!!