花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

那須・南月山のイワインチン・その2

2010年08月31日 | 登山

昨日のアケボノソウの写真の替わりに、昨年の8月23日に戦場ヶ原で撮った
アケボノソウの写真を掲載します。
色々 虫もついていますが、アケボノの星のような斑点がお判りいただけると思います。
(戦場ヶ原の木道には アケボノソウの群落がある)


話は前後するが、写真は沼原湿原の木道への入り口である。
平日の工事期間中は、作業開始と共にこの場所に閉鎖の柵が設けられる。
この入り口の左側に、沼原調整池の土手と平行にフェンスがあり、それに沿って
木道も設置されているが、こちらは工事期間中でも歩けるので、行ってみよう。


調整池の土手下の木道から駐車場方面を振り向くと、白笹山のおむすびの様な山容と
左側には日の出平からの尾根が延びている。
奥に見えるのが作業小屋で右はフェンスと沼原調整池の土手が続く。


同じ場所から北の沼原湿原方向を見ると、遙かに流石山と大倉山の峰が続く。
ただこの写真では、左の大倉山の頂きが木の陰で見えないので、東屋のある場所から
西に向かった木道から撮った写真もお見せします。


湿原を横断している木道から撮った大倉山(左端のピーク)


駐車場から湿原に降りてくると建っている周辺案内図と説明文から、説明文を切り取った
写真。
日差しで一部が見えにくくなっているが、沼原湿原の簡単な歴史が判るので、訪れたら
目を通しておきたい。
聞くところによると、木道の側の水路は、牧場時代の馬の水飲み場だったとも言うのだが
真実かどうか定かではない。
いずれにしても、湿原も時代に翻弄された歴史を秘めている。

ここから麦飯坂を通り大峠に至る会津中街道は、戊辰戦争の激戦地で、今は亡き立松和平氏が
「原風景文集山の篇・狂暴な二つの太陽」で三斗小屋宿の悲惨な歴史を描いた場所である。
あまりの恐ろしさに、三斗小屋宿跡にはいまだに一人では行く気にはなれない。


那須・南月山のイワインチン

2010年08月30日 | 登山

那須の南月山に咲く「イワインチン」 キク科キク属 (基準標本は日光女峰山)
生薬に使われた河原ヨモギを、別名インチンヨモギという。
そのインチンヨモギの葉に似ていて、岩場に咲くので「イワインチン」の名前がついた。


イワインチンで吸蜜するハナアブ

この一週間は、ほとんど草刈りで終わってしまった。
日曜日に、那須の南月山に「イワインチン」の写真を撮りに行くつもりでいたのだが
雷雨が凄いと言うので、一日延ばした。

早朝、自宅を飛び出して294号線を走っているうちに気が変わった。
そうだ久しぶりに沼原に行ってみよう。
沼原から白笹山経由で南月山に行き、時間が有ったら、まだ未踏の黒尾谷岳に行って
ピストンすれば良い と思って沼原に向かった。


沼原の駐車場にあるトイレ

8時3分に沼原の駐車場に着いた。
身支度をして沼原の入り口に行ったら、工事中の看板が出ている。
なんと木道が通行止めになっている。


木道の通行止め区間の看板。
一番のメインの木道が通行止めである。

それでも何の柵も無かったので、少し中に入って撮影していたら、かなり年配のご夫婦
らしい二人も入ってきて、撮影を始めた。
「ここのアケボノソウが綺麗ですよ。」と呼んでくれる。
しばし花談義をしながら撮影していたら、工事関係者がリヤカーのような資材運搬車を
引いてやってきた。
「すみませんが、工事が始まったら中は通れませんから宜しくお願いします。」という
聞いてみると、工事をしていない日曜日とか、工事の開始時間前の早朝なら開けてある
という。
ただし、木道がかなり老朽化で危ないらしい。
まあ自己責任で と言う事だろう。
工事は12月中旬まで続くらしいので、これから沼原に行く人は注意が必要だと思う。

「時間前に入った人はしょうがないですけど、中に人がいると、後から来た人も真似する
ので」と監督らしい人が言うので、私は戻る事にした。
入り口に戻ると、入るときには無かった柵がたてられている。
あのお二人はまだ中で写真を撮っているのだろうか、ちょっと気になる。


沼原のアケボノソウ リンドウ科センブリ属 惜しむらくは風でボケてしまった ゴメン。
花ビラにある紫黒色の斑点を、夜明け(あけぼの)の星に見立てて「アケボノソウ」になった。

つづく

棚田の草刈り終了

2010年08月26日 | ボランティア

洞下の農道から筑波山

本日は「すそみの棚田」の草刈り日、朝の7時集合なのだが、少し早めに行って
準備していたら、森林クラブの人達も応援に来てくれた。
あぜ道の草刈りは、みんなに任せて私は入り口の農道の草刈りに廻った。

農道の草を刈った後、箒で綺麗に掃いて戻ると、みんなも一休みしていた。
冷たいお茶がおいしい。
私は個人的に、月曜日から草刈りに来ているので、今日で4日連続の草刈りで
流石に疲れて少し長めに休んでいた。


かなり伸びた草も、参加者が多いと どんどん刈られて予想以上に綺麗になっていく。


猪除けの柵とネット囲まれた棚田のあぜ道は、傾斜がきついので草刈りも容易では無い。
あっという間にシャツは汗でまみれてびしょ濡れ状態になる。


参加者が汗で濡れたシャツを柵に掛けておいたら、クロアゲハがやってきて
シャツの汗を吸い出した。

それまで雲に隠れていた太陽が顔を出すと、一気に気温が上がり長く作業するのは
困難になった。
何回も休みをとりながら、一通り綺麗になったところで、作業が終了。
差し入れのレモンアイスが何よりのごちそうだった。
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先日、たぶん「クワガタ」と書いたこの写真

草刈りに参加して下さった、昆虫に詳しい方にお聞きして「ミヤマクワガタ」の雌と
判りました。


こちらは「キハギ」の蜜を吸っている「アゲハ」です。
目が妖精のようで可愛い。

ところで、私は昆虫については知識が無いので、間違いがあったらご指摘下さいね。


草刈りでバテました

2010年08月25日 | 日記

今日の筑波山の夜明け

このところ、連日のように棚田の草刈りをしているので、バテてブログが書けません。
と言うわけで、本日も過去の写真の紹介です。


サギのコロニー 川の竹藪に数種類のサギがコロニーを作っている。


なにもそんなにソッポを向かなくても良いんじゃない


ふん、俺は孤独が好きなんだよ !!


俺もさ。


もう、勝手にすれば !


皆さ-ん、いらっしゃい


いいこと、振り込みサギには気をつけるのよ。
どこ見てるのよ。年寄りの言うことは聞くものよ。
エーツ サギを騙す黒サギだったの。

と言っていたかどうか筆者は知りません(笑)

筑波山の花を巡る

2010年08月24日 | 登山
筑波山ファンクラブの観察会で見た花と、単独で撮影した花を織り交ぜて
この時期に筑波山で咲いているお花を紹介します。


イワタバコ イワタバコ科イワタバコ属 分布 福島県以南の本州、四国、九州
岩場に生えて、葉っぱがタバコの葉に似ている事による名前。
筑波山でも、湿気の多い岩場に咲く。すでにピークを過ぎていて、花が少ない。


たぶんクワガタだと思う。 御幸ヶ原の坂道を登っていたら、目の前を横切っていった。
早く他の人が来ないうちに隠れろよと、歩みを止めて見守る。

ガマ石の横を登っていたら、上から若い女性が降りてきて
「こんにちは」と明るく挨拶された。
挨拶を返すと、「足下の石が滑りますから、注意してくださいね。」という。
「ありがとう!」というと、「お気をつけて。」という。

むむむっ、いつもは自分が言っている言葉である。
よほど足下がおぼつかない年寄りに見えたのかな。


日差しを浴びるタマガワホトトギス。 ユリ科ホトトギス属
京都の井手町に玉川という小川があり、昔からヤマブキの名所として知られていたという。
ヤマブキは黄色の花を付けるので、この花を見た命名者は、黄色いホトトギスを見て
玉川を連想したのであろうと言う。それでタマガワホトトギスになったという話。


ソバナの白花 キキョウ科 ツリガネニンジン属 
普通は青紫色の花をつけるが、写真の物は遺伝子の異常で色素が抜けた(アルビノ)白花
筑波山では初めてお目にかかった花である。
普通のソバナは、すでに終わりかけで実を付けている物もあった。


オクモミジハグマ キク科モミジハグマ属
モミジの葉のようなモミジハグマが西日本に分布するのに対して、切れ込みは浅いが
似たような葉を付けて、近畿以北に分布するので「奥」が付いた。
尚、ハグマ(白熊)とは、チベットやネパールの高地に生息する「ヤク」と言う動物の
「毛」の事である。
ヤクの尾の長い毛が、僧侶の払子(ホッス)や槍や兜の飾りに使われた事による。
そんなの知らんわい と言いたくなる命名ではある。


ミヤマウズラ ラン科シュスラン属
ミヤマとは漢字で書くと「深山」となるが、この花は、深山ではなく身近な山野に
咲くラン科の花で、葉っぱが「ウズラ」の羽の模様に似ている事による。


フシグロセンノウ ナデシコ科センノウ属
筑波山では、盗掘により一度は絶滅の噂が立った花である。
それ故に、この花をブログに載せる事に躊躇した。
だが、この花を見たくて筑波山に来る愛好者も多い。
カメラと三脚を持って、自然研究路を歩いていると、「フシグロセンノウが咲いて
いましたか?」と聞いてくる登山者も少なからずいる。

花は野に置け、撮って良いのは写真だけ の心で筑波山に来て欲しい。

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フシグロセンノウ受難の過去 


2007年8月、撮りたい花がうまく撮れなかったので、続けて筑波山に登った。
上の花は、8月26日に撮影したフシグロセノウ。
花が一個しおれている。


これは8月27日に撮ったフシグロセンノウ。
しおれた花がむしり取られている。
たぶん花の撮影者が、しおれた花を嫌ってむしり取ったものと思われる。

撮りたい花は別だったが、たまたま二日連続でフシグロセンノウを撮影したら
こんな事になっていたのである。

猪には荒らされる、盗掘もされる、ただ一カ所にしかない筑波山のフシグロセンノウ
受難の連続である。
だが愛する人も後を絶たない。
本来はダメなのだが、花の廻りに枯れ木を差して保護している。
また枯れ木の数が増えた。





年号の山・赤薙山に登る

2010年08月21日 | 登山

今年の年号と同じ標高の赤薙山に登ってきました。


霧降高原の第3リフト駐車場から見る日の出前の朝焼け
高原山の右の空が赤く染まって、静かな夜明けでした。


赤薙山・山頂 標高2010メートル
樹林に囲まれて展望は無い。

詳しい様子は、時間が出来た時に書きます。
明日は筑波山の観察会なので、これで休みます。ゴメン。

私が子供だった頃

2010年08月18日 | 日記

尾瀬の燧ヶ岳・熊沢田代の秋 2007年10月6日撮影

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このところ、戦後65年と言う節目の年でもあり、戦争や平和に関係する番組が多い。
昭和20年の終戦の年、私はまだ3歳の幼児だったから、戦争の思い出はほとんど無い。

ただB-29と呼ばれる爆撃機が上空を飛んだとき、防空頭巾と呼ばれる真綿の入った
頭巾をかぶって、裏山に家族と逃げた記憶がかすかにある。
その後、駅前に爆弾を落とされたと噂で聞いたのを覚えている。

その後の記憶が無くて、戦後の食糧難の時代だったと思う。
農家なのに、大根の葉っぱの入ったご飯や、すいとんを食べた記憶があり、それでも
満腹にならず、学校帰りにサツマイモ畑に行って、サツマイモを生で食べたりした。

たぶん私が小学生頃だったと思う。
全国的にシラミがはやって、シラミに吸血されるとかゆい事も有るが、チフスを媒介
するというので、DDTと言う粉末の薬剤を全身に噴射された思い出が有る。
全校生徒が一斉にやられたから、みんな頭から真っ白であった。

同じ頃だったか、その後だったか、年代が判らないけれども、トラホーム?とかいう
眼病が流行して、なんとかマイシンとか言う薬を塗られた記憶も有る。
なにかあれは、ガリガリとまぶたの裏に塗りつけられた痛い記憶である。

あの頃の予防接種の注射は、一本の注射器で何十人もの生徒に接種したから
その後の肝炎ウイルスの拡大につながったと言われているが、当時はそのような危険性が
有るとは誰も考えていなかったから、何年も続けられるハメになったのである。

だから、肝炎ウイルスの拡大は、輸血だけではなく注射器の使い回しに寄っても拡大
したと思われる。
肝炎ウイルスに感染していると、感染源は何かを探ろうとするが、以前の使い回しを
考えれば、感染源を特定する事は難しい。
本人さえ知らない場合が有るからだ。

当時の夏の思いでは、アイスキャンデーを売りに、行商人が自転車で村に廻ってきた。
鐘をカランカラン鳴らしながら、旗を立てた大きな箱を荷台に積んで、水をぽたぽた
落としながら廻ってきたものである。
あの水はアイスキャンデーが溶けたものと思って、心配した時もある。
確か一本10円ぐらいだったか、どうも記憶が定かではない。

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熊沢田代と鱗雲 2007年10月6日撮影

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先ほどまでNHKで放送していた「ちょっと変だぞ日本の自然「大ピンチ ! ふるさと激変
スペシャル」」をご覧になりましたか。

何気なく見ていたら、私の大好きな奥日光も取り上げられた。
奥日光で、クリンソウが何故花畑になったのか? と言う疑問を解き明かす内容に始まり
以前は、クリンソウの花畑の一帯は、色々な植物が入り交じって、多様な植物の宝庫で
あったこと。
それが、鹿が増えて、鹿の好む植物は食べ尽くされて無くなり、鹿の好まない植物が
残されて繁茂する原因となり、ダケブキ、フッキソウ、ヨメナ、クリンソウなどが
増えた原因であると。
しかし今では、食糧難からクリンソウの茎も食べるようになり、防護ネットでクリンソウを
保護している。

また、奥日光でキツツキの仲間が異常に増えたのは、鹿が木の皮を食べて、枯れ木が
増え、枯れ木に棲む虫が多くなり、それを食べるキツツキ類も増えている。

鹿によって激減した野草を食草とする昆虫(主に蝶)も、食草が無くなって激減した。
など、なるほどと思える内容であった。

それでは、奥日光で鹿が何故増えたのか?
番組では3つの原因を上げていた。

答えを知りたい方は、再放送が有ります。
ぜひご覧下さい。

再放送予定、8月22日(日) NHK総合、デジタル総合
午後1時35分~午後2時50分まで75分間





標高2010mの赤薙山に登りませんか

2010年08月17日 | 登山

日光の赤薙山は、今年の年号と同じ標高2010mである。
(この写真は、2008年の11月16日に登った時に撮ったものです。)
それで、今年の登山目標にしている人も多いだろう。
実は私もその一人で、密かに計画を立てていた。
さていつ登ろうかな。


登山口の駐車場から見る赤薙方面、モルゲンロートの赤に染まっていた。


中腹のキスゲ平から焼石金剛への登り道

日光白根山の花・その他

2010年08月16日 | 登山

近所のスーパー「ヨーク・ベニマル」の駐車場で撮った夕焼け(12日撮影)。

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 今日は本当に暑かった。近所の草刈りをしていたが、長くは続けられなかった。
早く終わらせて山に行きたいのだが、こう毎日暑くては、草刈りも地獄である。
熱中症で死んだ人も出たと言うから、よほど注意しないと馬鹿奴と言われかねない。

早めにやめて、久しぶりに吉永小百合さんの番組を見た。
「吉永小百合・平和への絆」というBS2のコンサートである。
彼女は私と同年代なのだが、同年代と思えない若さが有る。

出演者の顔ぶれが又凄い。
坂本龍一、村治佳織、元ちとせ、平原綾香など超一流ミュージシャン。
平原綾香さんと元ちとせさんがデュエットで歌った「一本の鉛筆」
元々は「美空ひばり」さんが広島平和コンサートで歌った歌だという。
久々に胸にジーンと来る番組であった。

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と言うことで、本日も日光白根山で撮った写真の続きを載せます。


ロープウェイ山頂駅前のロックガーデンから見る白根山。
標高2千メートルの標柱を入れて撮って見ました。


ハクサンフウロ、フウロソウ科フウロソウ属、色が鮮やかなので思わず撮った。


この時期に白根山の樹林帯を飾るのは、カニコウモリの大群落
カニコウモリ、キク科コウモリソウ属


色つきのカニコウモリの花、通常は白い花なのだが、この一本だけは色つきであった。
外の花の名前をお教えした方に、色つきの花が有りましたよと教えて頂いたもの。感謝!


登山道を飾る黄色い花、ハンゴンソウの群落も有る。


ヒメシャジン、キキョウ科ツリガネニンジン属、特徴は萼片に鋸歯が有ること。
鋸歯の無いものは、ミヤマシャジンとして分ける。
白根山にはヒメシャジンの方が多いのか、見つけた物はヒメシャジンだった。


エゾスズランの花、ただ一個のみ発見した。


シラネアオイはすでに実を付けている。


日光白根山の謎の花

2010年08月14日 | 登山



上の二つ画像は、ロープウェイ山頂駅前のロックガーデンから登山道に入った右の
斜面に咲いている花である。
まだ鹿除け柵の外側だから、あるいはどこかの所有地なのかも知れないが

どう見ても「キレンゲショウマ」の花に見えるのだが、もしそうだとすれば、誰かが
植栽した物としか思えない。(数年前には無かったと思う。)

素人判断なので、あるいは間違っているかも知れないが、自生しない花を植栽するのは
大いに疑問である。
植物に詳しい方の判断を待ちたい。


日光白根山の光苔と当薬竜胆

2010年08月13日 | 登山
8月中旬の日光白根山を代表する花と言えば、山頂周辺に咲くトウヤクリンドウだろう。


トウヤクリンドウ(当薬竜胆) リンドウ科リンドウ属
台風一過の青空を期待して登ったが、生憎の曇り空で、リンドウの花が開かない。
陽が当たったトウヤクリンドウは、心のともしびと言っても良い美しさがある。
日光白根山の山頂を飾るにふさわしい。


ヒカリゴケ ヒカリゴケ科ヒカリゴケ属のコケの一種
一科一属一種の貴重なコケ、
糸状細胞の外に、球状のレンズ細胞を持ち、自らは発光せず、外からの光りをレンズ細胞で
反射する。
レンズ細胞は、葉緑体が多数有るため、金緑色に光る。
(以上 ウィキペディアから引用)


日光白根山の登山道には、かなりのヒカリゴケがある。
但し環境の変化には弱いので、ヒカリゴケの岩穴には触らないで欲しい。
撮影する場合は、外光を反射するので、入り口に立って光りを遮らないこと。


ハナイカリ リンドウ科ハナイカリ属
日光白根山のハナイカリは、矮小化して非常に小さい。
南峰のお釜周辺に多い。


山頂の崖に咲くトウヤクリンドウと五色沼のコラボ写真


こちらは、北峰から見る五色沼!!

蛇紋岩の尾瀬の笠ヶ岳に遊ぶ・その3

2010年08月10日 | 登山
連日の猛暑にもかかわらず、暦の上ではもう秋だという。
都会では判らないが、山の上では確かに秋の気配が漂っている。


オヤマリンドウの蕾が、もうすぐ開花しそうな気配であった。


ウメバチソウもかなり咲いていた。


ジョウシュウオニアザミのシロバナであろうか。
尾瀬で下向きに咲く大型のアザミは、ジョウシュウオニアザミしか無いと書いてある
図鑑も有るので、それにならった。
一応ジョウシュウオニアザミの特徴を上げれば、花は下を向き、茎上部に数個咲く。
総苞の外片、内片が細かい線形をしている。
花の時期にも根生葉があり、オニアザミより深く切れ込む。


ジョウシュウオニアザミの花、上に書いた特徴が現れていると思う。
花がだんだん少なくなるので、吸蜜の昆虫が沢山たかっている。


キンコウカ ユリ科キンコウカ属 花期7~8月 


イワナシの実 この実が名前の元になった梨に似た味がするという


ヒメシャジン 萼片に突起状の鋸歯があるので見分ける。


ヒメシャジンの萼片の様子、鋸歯が判ると思う。


タケシマランの実 花よりも真っ赤な実が目立つ


エゾシオガマ ゴマノハグサ科シオガマギク属


一個だけだが「ハリガネカズラの白い実」が付いていた。 ツツジ科ハリガネカズラ属


たぶん「トキソウ」だと思う。唇弁に突起が多数あったから。


ツルリンドウ リンドウ科ツルリンドウ属
尾瀬にはツルリンドウの変種で、テングノコヅチという花が有るという。
茎は廻りの物に巻き付かず地を這うという。一度見てみたいものである。
だが、登録されたばかりで資料が少なく、普通の図鑑には載っていない。


咲き終わりで枯れかかっているヨツバシオガマとアキアカネ。
よく見たら、アキアカネの羽も変形していて、飛べそうも無かった。

最後にオマケで7月の笠ヶ岳の様子の写真

笠ヶ岳の中腹の登山道から振り返る至仏山と燧ヶ岳、昨年の7月に撮影
ハクサンイチゲやチングルマ越しに至仏山(中央)と燧ヶ岳(右奥)
左奥は平ヶ岳方向、至仏山、小至仏山の右が悪沢岳、悪沢岳から手前に延びる尾根に
三角状の小笠が有る。
それにしても笠ヶ岳のお花畑は素晴らしい、これが山頂まで続く。


これは上と同じ方向を笠ヶ岳の山頂から見たもので、山頂の岩の間に花が咲いているのが
判ると思う。


群馬県が現地に掲示している「笠ヶ岳西面野生動植物保護地区」のプレート。
おそよ次の様に書かれている。

この地区は、高山風衝低木林、ホソバヒナウスユキソウ 群集及び雪田草原等の貴重な
植生が分布し、オオシラビソの針葉樹林や 100年生以上のブナの原生林など、すぐれた
自然環境を形成しています。
また高山蝶ベニヒカゲも生息し これらを保護するために指定したものである。
指定された野生動植物を許可なく捕獲 又は採取すると条例によって罰せられます。
この豊かな自然をみんなで保護しましょう。
至仏山・笠ヶ岳西面県自然環境保全地域
昭和52年3月25日 指定       群馬県

条例や指定のあるなしにかかわらず、登山者のマナーの常識となって欲しいとせつに思う。

花の名前について、私の御願い
ブログ似掲載した花の名前は、私の判断に寄って掲載していますが、必ずしも正確とは
言い切れません。
先入観や思い込みで間違っているかも知れません。
最終的な判断は、ご自身の調査で行われますように御願いします。
私は植物学などを学んだ経験も無い素人なので、その点をご理解いただきますように。



蛇紋岩の尾瀬の笠ヶ岳に遊ぶ・その2

2010年08月08日 | 登山

最初はジョウシュウアズマギクと思っていたが、ミヤマアズマギクかも知れない。
猪狩さんの尾瀬植物手帳を見ると、葉はほとんど無毛と書かれているので
拡大してみたら、葉には毛が有ったから。
正確には、根生葉の幅が5mm以上有れば、ミヤマアズマギクと考えて良いと言う本も有る。
定規が無いとダメなのね。計ってないよ! 第一もうピークも過ぎてるし。
追記
山渓の「日本の野草」を見たら、写真の撮影地が尾瀬の笠ヶ岳であった。
やはり「ジョウシュウアズマギク」で良さそうだ。
それに葉は「毛が少ない」で「無毛」とは書いていなかった。


タカネナデシコ ナデシコ科ナデシコ属
猪狩さんの尾瀬の植物手帳には、この花は、雄性期と雌性期があると書かれている。
つまり雄花になったり雌花になったりする訳なのかな。
タテヤマリンドウとかフデリンドウもそうなんだって、知らなかった。

追記、正しくはおしべが先に熟する先塾性の事らしいので、花そのものが
雄花や雌花に変わるわけではない。誤解をあたえる表現だったので追記します。


片藤沼 笠ヶ岳の先にある静かな沼、ここから燧ヶ岳と至仏山が並んで見えると言うが
生憎の曇り空で、燧ヶ岳しか見えなかった。
沼の奥に、うっすらと見えているのが燧ヶ岳、天気が良ければ左端に至仏山が見える。
ちなみに沼の名前は、片品村と藤原町からそれぞれ一字をとってつけたらしい。


キンロバイ(金露梅) バラ科キジムシロ属の落葉低木
蛇紋岩地や石灰岩地に多い、岩礫地や岩隙に生える。


モウセンゴケの花 モウセンゴケ科モウセンゴケ属 ご存知食中植物
丁度、開花期でたくさんの花を見ることが出来た。


この花の名前を単なる「ツリガネニンジン」とするか「ハクサンシャジン」とするか
実は迷った。
一般的には、ツリガネニンジンの高山型がハクサンシャジンと言われているから
「ツリガネニンジン」と言っておけば、無難かも知れないが。
気になって尾瀬関係の手持ちの花図鑑を調べてみたら、ハクサンシャジンの記載が
ほとんど無い。ツリガネニンジンだけが書かれている。
わずかに「歴史春秋社」から出されている「小林隆」さんの「尾瀬の花」に記載
されている。

それによれば、次のようになる

ツリガネニンジン キキョウ科ツリガネニンジン属 花期 8~9月
高さ 50~100cm 花 1~2cm
山野、高原などに生える多年草。葉は卵状楕円で3~5枚輪生し、数段付ける。
花は円錐花序をつくり、鐘形で先5裂した花を下向きに咲かせる。

ハクサンシャジン キキョウ科ツリガネニンジン属 花期 7~8月
高さ 30~60cm 花 約2cm
高山帯の草地に生える多年草。低地に生えるツリガネニンジンの高山型。
ごとに3~4枚の葉を輪生する。
花は茎上部に鐘形で青紫色の花を輪状につける。

以上「尾瀬の花」から説明文を引用した。
これを見ると写真の花は、やはり円錐花序の「ツリガネニンジン」として良さそうだ。

尚 山渓カラー名鑑「日本の高山植物」では、花冠の基部は円筒状の花盤(腺体)で囲まれる
とか、かなり専門的で難しい。
素人にも判るようにね、書いて欲しい。

追記
古い図鑑を調べていたら、またも迷うような事が書いてある。
鈴木昌友先生が書かれた「東日本の高山植物と山草」には、ハクサンシャジンの特徴として
「花は円錐花序につくが花序の枝はきわめて短く、伸長しないので花が密集して出る」とある。
円錐花序という言葉を除けば、花が密集して出るは、ハクサンシャジンの特徴として
良いかもしれない。

保育社の検索入門「高原と高山の植物2」清水建美著には、次のように出ている。

ツリガネニンジン
ポイント1.花は輪生状に数段にもつく
    2.がく裂片は線形で突起がある。
低山~亜高山の草原に生える。高さ40~100cm。茎葉は長さ4~8cm、3~5個ずつ
輪生する。
花序は小さな集散花序が集まったもので、数段の花輪をつくる。
花冠は長さ1.5~2cm、花柱は花冠から長くつき出る。花盤は細長い。
北海道~九州。 花は8~10月。白花の咲くのはシロバナツリガネニンジンである。

ハクサンシャジン
ポイント1.花は1段に数個、2,3段に輪生する。
    2.花輪の間は互いにくっつく
亜高山~高山の草地に生える。高さ15~50cm。ツリガネニンジンより丈は低く、花序は
単純で花は少ない。
北海道・本州(東北~中部地方)、固有。花は8月。
白花の咲くのは、シロバナハクサンシャジンである。

時間が有れば、原色日本植物図鑑も調べて見たいが、今回はここまでとする。





蛇紋岩の尾瀬の笠ヶ岳に遊ぶ

2010年08月07日 | 登山
蛇紋岩の山と言えば、尾瀬の至仏山や群馬の谷川岳、そして我が故郷、岩手の早池峰山が
知られている。
だがもう一つ、尾瀬には忘れてならない蛇紋岩の山がある。
それが尾瀬の笠ヶ岳である。

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蛇紋岩の山には、蛇紋岩残存種と呼ばれる植物が有る。
蛇紋岩という地球内部の深い所で出来た岩には、マグネシウムを多く含み、わずかながら
クロム、ニッケル、コバルトなどの重金属を含んでいるという。

そのため、植物の生育には適さない土壌が生まれ、通常の植物は生育出来ないと言われて
います。
そんな厳しい環境にあえて進出した植物が有ります。
それは「カトウハコベ」「タカネトウウチソウ」「オゼソウ」などの氷河期に繁茂して
いた植物で、気候の変動により、他の植物との競争に勝てず、あえて蛇紋岩の山に進出して
生き残ってきた植物、それが蛇紋岩残存種と呼ばれるものなのです。

競争から逃れた弱い植物、蛇紋岩残存種はそんな植物なのです。

蛇紋岩の山には、もう一つ蛇紋岩変形と呼ばれる植物がある。
それは、他の地域から入り込んできて、もとの種に比べると、葉が細くなったり
赤紫色を帯びる傾向があります。
そのような植物を蛇紋岩変形と呼んでいるとの事です。
代表的な物には、ホソバヒナウスユキソウ、ジョウシュウアズマギク
ジョウエツキバナノコマノツメなどがある。

(以上は、尾瀬・自然観察手帳から引用加筆したものです。)
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前置きが長くなりましたが、8月5日、鳩待峠の駐車場に車を駐めて
笠ヶ岳と片藤沼を訪ねて来ました。

鳩待峠からオヤマ沢田代までは、およそ3kmの距離
オヤマ沢田代から笠ヶ岳は、3.2kmの距離
また片藤沼は、笠ヶ岳の分岐からおよそ400mくらいでしょう。
片藤沼まで、片道6.6km 往復13.2km 
オヤマ沢田代から笠ヶ岳の間は、ぬかるんだ道でスパッツ着用は必須です。
このコースのお薦めは、何と言っても7月ですが、今年は会津駒に行ったので
今年は8月になってしまいました。

紀行文は、時間の有るときに書きますが、とりあえず印象に残った花と風景から
ピックアップして載せます。


悪沢岳の尾根から見る笠ヶ岳と小笠、中央の三角の山が笠ヶ岳、その右手前が小笠
後方の武尊は、雲の中で見えず。


タカネトウウチソウがまだ咲き残っていた。


タカネトウウチソウ(高嶺唐打草) バラ科ワレモコウ属
訂正 最初終わりかけのタカネトウウチソウと書いたが
調べて見たら、花は下から咲き上がるとの事なので、終わりかけとは言えず訂正します


尾瀬では、笠ヶ岳にだけ咲くミヤマムラサキ、もう咲き終わりでしたので
昨年の7月14日に撮影した写真を載せてみます。


ミヤマムラサキ ムラサキ科ミヤマムラサキ属 2009年7月14日撮影
北海道と中部地方に隔離分布する植物、尾瀬では笠ヶ岳にのみ生育する。
基準標本は戸隠山


深山紫の特徴である茎と葉に白い剛毛がある様子。トリミングで拡大した


これは今年の花のアップ、トリミングで拡大したもの。
判りにくいが、わずかに青紫色を帯びていて、可愛らしい花である。


ホソバコゴメグサ ゴマノハグサ科コゴメグサ属 
深山コゴメグサの変種と言われている。山形の月山から至仏山、谷川岳にかけて生育している。
他の植物から栄養を搾取しながら、自分でも光合成を行う半寄生植物

タテヤマリンドウの果穂
以前にも写真で紹介したタテヤマリンドウの果穂、今回は中の種子まで見ることができた
ので公開します。


これはタテヤマリンドウの果穂の写真、2008年の7月28日に悪沢岳のコースで
撮影したもの、最初は花だと思って、さんざん調べまくった。


こちらは今年撮影したタテヤマリンドウの果穂の中の種子の様子。
タテヤマリンドウの花は、日が射さないと開かないが、果穂は逆に雨が降る日に開く
種子を雨で散布するためだそうである。
雨粒で種子がはね飛ぶというが、本当だろうか。
その瞬間を撮影できたら、奇跡に違いない。
悪沢岳付近と片藤沼のコースにたくさん有った。

これを見たとき、それじゃ雨が降るのかと思ったら、笠ヶ岳の頂上で通り雨に有った
参ったね、本当に降るんだもの。
遠くで雷もなって、心配したけど雷はこなかったから良かった。


こちらはタテヤマリンドウの白花
だった一輪のみ、草むらに埋もれるように咲いていた。









湯ノ丸高原の池ノ平湿原を歩く・その2

2010年08月04日 | 登山

雲上の丘は、360度の展望を楽しめる場所なので、山名の入った360度の方位盤が
設置されている。
残念ながら北アルプスなどの遠方の山々は、雲に覆われてのぞむべくも無かったが
烏帽子や湯ノ丸などの山が目の前であった。


烏帽子と湯ノ丸


この時期に湯ノ丸に来ると、何と言ってもヤマオダマキの数の多さにびっくりする。
車で走る林道にも、「なに これ!!」と言いたくなるほど群生している。
この写真は、萼片の色が紫褐色の「山苧環」であるが、この辺で多いのは
萼も花弁も黄色の「山苧環」である。


駐車場の上にある監視員の詰め所で、200円で売っている「池の平三方ヶ峰の花」
という簡易花図鑑には、この花が「山苧環」として紹介されている。
ただし、裏面の説明を見ると、花全体が濃黄色のものは「キバナノヤマオダマキ」と
して分けると書かれている。
色の濃淡だけというのは、基準が曖昧で難しいよね。

尚、萼片と距が紫褐色で、距が内側に強く巻き込むものは「オオヤマオダマキ」と
して区分されるという(山渓・山に咲く花より)。


雑草にも負けず丈の長い「ヤマオダマキ」が咲く。


ウツボグサ


まだ7月だと言うのに、早くも咲いた「マツムシソウ」


タカネナデシコ

雲上の丘から少し下ると、ピグミーの森と呼ばれる薄暗い森の中を通る。
やがて再び登りとなって見晴岳の尾根に出る。
ここにも金網の張ったコマクサの群生地が有るが、コマクサはとうにピークを過ぎて
枯れかかっていた。
ここから左に行くと、三方ヶ峰のコマクサ園に行く尾根道で、右は見晴岳の頂上を
通って、地蔵峠へと至るコースである。

とりあえず見晴岳付近に咲くという花を探しに、右の見晴岳に登っていった。
山頂には放送局のアンテナ塔が立っていて、山頂に行くと展望もなかなか素晴らしい
だが、山頂を示す標柱は無い。
折良く来合わせた監視員に尋ねると、私の探していた花は、すでに花期を終わっていた。


草むらに咲く「クルマユリ」茎葉が輪生する様から車百合と呼ばれる花。
 
再びもとに引き返し、三方ヶ峰を目指して、尾根道を歩く。
やや下った分岐点から左に行くと池ノ平の湿原で、右に行くと三方ヶ峰である。


ノハナショウブ


三方ヶ峰のコマクサも、とうにピークは過ぎていて、写す意欲も薄れたが
シロバナが見えたので、それだけを撮った。
ピーク時ならアップでも見せられるのだが、


先に来ていた監視員の方が、「ほら帰るぞ、こっちに来い」としきりに言っている。
ペットでもいるのかと思って、様子を見に行ったら、なんと! キツネがうろついている。

聞くと野生のキツネだという。
ただ監視員の詰め所付近に、たびたび現れるというから、人慣れしているのだろう。
誰かがエサをやっているのではと気になったが、流石にそれは失礼で聞けなかった。

ここから池ノ平に向かう道は、ハクサン千鳥の多いところなのだが、すでに
花は終わっていて、影も形も無かった。

池の平の湿原に近づくと、道は木道となり反対の池ノ平湿原から登ってくる人が
増えてきた。
「コマクサが咲いてますか?」とみんな聞いてくる。
「ピーク過ぎてますよ。」と答えると、みんながっかりしたような顔になる。

池の平湿原は、鏡池のある辺りが標高2000メートルと言われているから、湿原
としてはかなり高い位置にある。

池ノ平湿原の鏡池


鏡池の近くで、これから咲くであろう「クガイソウ」を見た。