花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

尾瀬・至仏山に咲く花

2011年07月30日 | 登山

至仏山・山頂2228メートル

7月27日(水曜日)、蛇紋岩の山、尾瀬の至仏山に登った。
天気予報は良くなかったが、この時期にどうしても見たい花が有った。

歩いたコース
鳩待峠06:31分→山の鼻07:32分→研究見本園→至仏山登山口08:11分→森林限界09:02分
→中間点09:54分→高天原11:15分→至仏山・山頂11:51分→小至仏山13:36分→
オヤマザワ田代13:56分→鳩待峠15:02分→第一駐車場15:28分(タクシーに乗れたので
早かった。)
注、朝食は山の鼻の休憩小屋で摂り、山頂での下山開始は12時30分頃である。

下山開始間もなく、山頂直下で撮影していたら、雷が鳴り出し、すぐに雨が降り出した。
身の危険を感じて逃げるようにして下山。
そのため蛇紋岩の岩場で一度、木道で一度、見事に滑って転んだ。
幸い怪我も無く無事に済んだが、服は泥だらけになった。

身を隠す場所もない岩山の稜線は、雷が一番怖い。
それなのに、思わず撮った花が有る。
レインカバーをつけたまま、ピントも確かめず、撮ったのはオゼソウの群落と
シナノキンバイの写真である。

それにしても至仏山の東面の登山道はきつい。
普通3時間と言われているが、私は4時間で登った。
それは、高天原のお花畑を見たかったからである。
上り専用になり、高天原に行くには山の鼻から登るしかない。


シブツアサツキ・ユリ科


ジョウエツキバナノコマノツメ・スミレ科


ショウシュウアズマギク・キク科
ピークが過ぎ、実になって冠毛のあるものと残り花


エゾウサギギク・キク科


イブキジャコウソウ・シソ科
草だと思っていたら、越冬性の矮小低木だと言う


タカネナデシコ・ナデシコ科


ホソバコゴメグサ・ゴマノハグサ科
ミヤマコゴメグサの変種・半寄生植物


タカネシオガマ・ゴマノハグサ科
塩竃という名前は、製塩の為の竃が浜辺に風情を添えることから
「浜で目につく」を「葉まで目につく」にかけたもの
葉までも美しいというシャレから生まれたもの、日本的だなー。


ヨツバシオガマ・ゴマノハグサ科
花の先がクチバシ状にとがる・シオガマ類は半寄生植物


クルマユリ・ユリ科


ハクサンイチゲ・キンポウゲ科


イワシモツケ・バラ科


オゼソウ群落・ユリ科
雷雨におびえながら、およその見当で撮ったので


シナノキンバイ・キンポウゲ科
これもおよその見当で撮った写真・ゴメン


東面登山道の荒廃・登山者の踏みつけが広がって裸地化したもの


東面登山道の荒廃2
これ以上広げないように注意しましょうね。

写真はあえて掲載しませんが、カトウハコベ、ホソバツメクサ、タカネバラ、
リンネソウやウラベニダイモンジソウも有りました。

30日から実家に行きますので、しばらくブログを休みます。



恐るべき放射能汚染の広がり

2011年07月29日 | 日記
最近、尾瀬の山通いで忙しく、調べていなかったが、群馬大学の
早川先生のブログに掲載された、放射能の広がりを示す地図を眺めて
その範囲の広さに暗澹たる気持ちになった。

早川先生のブログ


私がよく行っている地域の山も汚染されている
しかも実家のある岩手県の一関まで飛んでいる。

地図は詳細な印刷ができるように、地図の下に別ファイルが用意
されているので、そちらから印刷すると良い。

これを見ても、原発を必要という人がいますか。
たった一カ所でこれなんですよ。

お詫び
早川先生のブログのURLに間違いがありましたので、訂正いたしました。

追加
6月30日付けの「私の子どもに渡す放射能対策指針」も読んで
くださいね。
自分たちがいかに甘く考えていたか思い知らされます。

その上で「自発的に解決してください」の7月28日のブログを
読むと、切実さが判ります。

けれども、逃げようの無い私は、それを承知でここに住むしか有りません。
ましてや、実家の有る岩手県の一関市まで汚染が広がっては。

せめて孫達には、つくばに来るなと言うしか無い。


蛇紋岩の尾瀬・笠ヶ岳に咲く花その2

2011年07月21日 | 登山

カトウハコベ・ナデシコ科ノミノツヅリ属 尾瀬・笠ヶ岳にて7月17日撮影

蛇紋岩地帯に特産する多年草。茎は叢生している。
葉は対生し、卵形で先はとがる。
花は茎頂に白色の星形の5弁花を1~3個つける。
(小林 隆著「尾瀬の花」歴史春秋社発行から引用)

こぼれ話
花の名前の由来について
小学館発行の101ビジュアル新書「高山植物ハンディ図鑑」には
著者の新井和也さんが次のように書かれています。

名の由来は、植物学者の(故)牧野富太郎が早池峰山で本種を
発見した際、同行の「加藤子爵」にちなんで名付けたという。

と言うわけで、カトウさんという名前が元でした。

以上 各図鑑から引用と一部加筆しました。
尚、著者の新井和也さんのHP・ブログは下記のURLです。

新井 和也


ホソバツメクサ(細葉爪草)・ナデシコ科タカネツメクサ属

高山帯の岩礫地に生える多年草。茎は細く、分枝して群がって生える
葉は糸のように細い。花は茎の先に白色の5弁花をつけ、星形に開く
別名コバノツメクサ (小林隆著「尾瀬の花」から引用)

和名は、葉の形が鳥の爪に似ている事による
(猪狩貴史著 尾瀬植物手帳 JTBパブリッシング発行より引用)


キンロバイ(金露梅)・バラ科キジムシロ属

高山帯に生える落葉小低木。葉は羽状の複葉で、両面に絹毛がある
花は枝先に鮮やかな黄色の5弁花を咲かせる
花の白色のものを「ギンロバイ」という。
訂正 ギンロバイを謝ってハクロバイと誤記していました。
お詫びして訂正いたします。


なでしこジャパンの話題あれこれ

2011年07月20日 | スポーツ
今回の女子ワールドカップで優勝した「なでしこジャパン」が世界中から
賞賛されているのは、連日のネットニュースを見ていると判る。

それなのに、日本の政治家には、その人気だけを利用しようとする下心
が見え見えで、事業仕分けでスポーツ予算を削った蓮舫氏が、ツイッター
で「なでしこJAPAN 優勝! すごいです」と書き込んだところ、閲覧者の
反発を招いて書き込みが殺到、サイトの動作が不安定になる、いわゆる
炎上状態になったという。
「あなたに言われたくない」という書き込みが多かったのは、自業自得
と言うものだろう。

まして日本女子サッカーの現状を知るものなら、その思いは人一倍である。
専用の球場もなく、入場料で生活をまかなえるほどの観客数もない。
彼女たち、なでしこリーグの選手の中には、アルバイトで生活している
人もいる。

こうした苦しい環境の中でも、女子サッカーの強化に向けて、日本サッカー
協会の、改善の努力が進んでいることも知っておきたい。

一つは、選手の海外リーグ在籍を金銭面で支援する制度が昨年創設されたこと
年代別の女子代表チームの強化もすすみ、10代から年代別国際大会で
経験を積めるようになったこと。

良い例がセンターバックの熊谷選手(20歳)、彼女が日本代表に選ばれたのは
昨年の東アジア選手権でしたが、それ以前に彼女は、U-20のW杯でキャプテン
を勤めています。
決勝で最後のPKを落ち着いて決めた背景には、こんな積み重ねが有ったのです。

PK前の天を仰いだ彼女を見て、「落ち着いている、これは成功する」と熊谷
選手の父親が言ったという報道も、納得できる。

おもしろいのは、もう一人のセンターバックの岩清水選手、彼女がサッカー
選手になったきっかけは、家族が応募したからだと言う。
祖父母の故郷「岩手にメダルを持って行く」と言ったという彼女の言葉が
震災にあえぐ岩手の人々の大きな励ましとなるであろう。

忘れてならないのが、今回のW杯の開催国ドイツのメディアの反応
優勝候補の自国代表が日本に敗れたにもかかわらず、準決勝のスウェーデン戦
を見て、「日本が優勝に値するチームだ」と評価した事だろう。
そして。その評価が当たったのだから。
ただ、スウェーデン戦の終盤、コーナーにボールを持ち込んで、時間稼ぎを
したのは、ドイツ国民の不評を買ったという。

今回の大会を見て、フェアープレーが多かった事もあげておきたい。
特に反則の後に、お互いに握手を求めて、悪意では無いことを告げている
様子は、清々しいものであった。
これは男子の日本代表にも学んで欲しい点である。
日本代表の選手の中には、審判から反則を取られても、そっぽを向いて
知らんふりする選手がいる。
フェアープレーが前提となっているスポーツにおいて、これほど恥ずかしい
行為は無い。

9月からは、オリンピックの予選も始まるという。
なでしこジャパンのさらなる進化を期待したい。
そのためにも、生活を保障する新たな制度を考えたいものだ。

米国人も泣いた、なでしこジャパンの優勝

岩清水選手の祖父母も応援

岩手日報


蛇紋岩の尾瀬・笠ヶ岳に咲く花

2011年07月19日 | 登山

オヤマ沢田代に咲くピンク色のタテヤマリンドウ
花友のIさんが見つけてくれた変わり種の花、私も初めて見る色だった。


尾瀬・笠ヶ岳の登山コース図  杉本智彦さんのカシミール3Dで作成


途中のオヤマ沢田代湿原までは、至仏山の登山道を登り
その先の分岐から悪沢岳を通り、鞍部の樹林帯を抜けて、小笠に登り返すと
中腹から山頂まで、お花畑が続く笠ヶ岳が目の前である。

笠ヶ岳は、至仏山や谷川岳と同じ蛇紋岩の山で、蛇紋岩特有の
花が咲く。
中でも「ミヤマムラサキ」は、尾瀬でも笠ヶ岳にしか咲かない
貴重な花である。

「 この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)
数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)
数値地図50mメッシュ(標高) 及び数値地図10mメッシュ(火山標高) を使用した。
(承認番号 平22業使、第446号) 」



ミヤマムラサキ・ムラサキ科ミヤマムラサキ属 基準標本は戸隠山

東北を飛び越して、北海道と中部地方の高山帯の砂礫地に生える
高さ5~12センチの多年草。
茎や葉に白い剛毛がある。根生葉は長さ1~6センチ、幅2~6ミリの
線状被針形。花は淡青紫色で短い総状につく。
花冠は直径約8ミリで、のどに黄色の鱗片がある。分果にはカギ状の毛がある。
花期7~8月、分布日本固有 (谷川岳、白馬岳などが知られている)
但し北海道のものは、すべてエゾムラサキとする説もある。
以上 山渓の「日本の高山植物」から引用


7月17日(日曜日)、朝の鳩待峠の至仏山登山道入口
(プライバシー保護の為、一部にモザイクを入れました。)

さすがに連休の日曜日、戸倉の尾瀬第一駐車場は、満車に近い状態だった。
いつもの花友達のIさん、Kさんと始発のシャトルバスに乗るつもりで
行ったのだが、私の準備の悪さも有って、始発に乗り遅れてしまった。

それでも代替えのワンボックスタクシーに乗れて、10分遅れで鳩待峠に
着いた。
戸倉と鳩待峠の間は、シャトルバスとタクシーが共通利用できる券で
片道一人900円である。


鳩待峠の山荘前から至仏山・7月17日午前5時43分、青空が広がっている

尾瀬の笠ヶ岳は、数年前から単独で通っていて、花友の二人にもその
話しを何度もしていた。
だが、つくばから3時間半から4時間かかる距離がネックとなって
三人で登る話しは、なかなか実現しなかった。

それがやっと実現したのは、檜枝岐のバンガロー泊まりの経験から
戸倉の素泊まりの宿に前泊する計画ができたからである。

ところが私の大失敗で、前日の金曜日に食中毒を起こし
土曜日に戸倉に行けるかどうか判らない状態になっていた。
整腸剤を飲み、エアコンで部屋を涼しくして、早めに寝た。

16日土曜日、腹痛は何とか治まったが、体力はゼロでめまいがした。
やばいと思ったが、今更キャンセルはできない。
私の車で行く予定なので、私が行かないことには始まらないのだ。

パンとバナナの朝食を流し込み、栄養剤を飲んで、午後の出発に
供えた。

二人を乗せて谷田部ICを出たのは、午後の1時過ぎである。
外環、関越を走り、沼田で降りてロマンチック街道を走った。
途中でドラッグストアにより、ウイダーインのエネルギーと
マルチビタミンをまとめて買った。
食欲が無く、まともに食事ができないときの補助のつもりだった。

途中のコンビニでは、手に入らず、花友のIさんの助言で
ドラッグストアに寄って正解だった。
登山中の行動食としても、これは大いに役立った。
ゼリー状の為、食べやすく、喉の渇きも和らげてくれた。
何よりも最後まで体力が持ったのは、これのお陰だと思っている。

鎌田で左折して401号線の沼田街道に入ると、タイヤの摩擦で
なるメロディラインが現れる。
夏が来れば思い出すーなどと口ずさんでいると、メロディは
途中で終わってしまう。「あら、途中までなの」と花友も残念そうだ。

午後4時半過ぎに素泊まりの宿「いっちゃん」に着いた。

つづく

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旅のメモ

常磐高速に乗るため、谷田部ICに向かっていたら、とんでもない
交通事故を目撃した。

乗用車が横転して真っ逆さまになっていた。
下になった屋根が大きくへこんでいる。
パトカーが数台駆けつけ、消防車も2台ほど来ていた。

すでに救急車で運ばれたのか、運転手の姿は無かった。
通りすがりで、原因はわからないが、連休だというのに
こんな事故では台無しである。

行楽の時ほど、運転には注意したいものだ。
横転すれば、ガソリンに引火して、大惨事になりかねない。

サッカー・なでしこ決勝進出!!

2011年07月14日 | スポーツ

那須・一面マーガレットが咲く知られざる花園


ついにやりました「なでしこ

女子ワールドカップサッカー日本代表の「なでしこ」が強豪スウェーデンを
逆転の3-1で破り、決勝戦に進みました。

前半開始早々、MF沢の横パスをカットされて、スウェーデンに先制されると言う
まずい立ち上がりでしたが、初スタメンに起用された川澄が、宮間のクロスを
倒れながら押し込み、1-1の同点に。

これで立ち直った「なでしこ」は、後半には、こぼれ球を頭で押し込んだ沢の
ゴールもあり、女子のバルセロナと評判を呼んだ早いパス回しで圧倒
圧巻は、川澄のロングシュート、飛び出したGKの頭を越えてゴール右隅へ

このワールドカップでもベストゴールになるような素晴らしいゴール。
これで初スタメンの川澄は、ワールドカップで一試合2得点という快挙!!

調子の良い選手にボールが集まるというジンクスは本当で、チャンスボールは
ことごとく川澄に絡んでいました。

これで日本は、銀メダル以上が確定したわけで、夢が現実へ変わろうとしている

私が特に凄いなーと思っているのは、控えに回ったGKの山郷のぞみ選手36歳
最年長の彼女が、一度も試合に出ることも無いのに、試合に出た選手の
サポートに徹して、激励したり悩みを聞いたりして心の支えになっていること。
なでしこ快進撃の陰の立て役者と言っても過言では有りませんね。
何しろ監督も、コーチも男ばかりですから


奥日光・小田代ヶ原

加波山のオオバトンボソウ・宝篋山のコクラン

2011年07月13日 | 写真

加波山に咲く「オオバトンボソウ・ラン科ツレサギソウ属」
残念ながら、ほとんどピークをすぎていた。


オオバトンボソウの部分拡大



こちらは宝篋山に咲く「コクラン・ラン科クモキリソウ属」
丁度見頃であった。


コクランを部分拡大したもの、萼片は披針形で長さ約1センチ
側花弁は線形。唇弁は倒卵形で長さ約1センチ、反曲し、先端はへこむ
基部に2個の針状突起がある。ずい柱は直立している。

唇弁を前から見ると、反り返っているのが判らないので、横からも
撮影したいが、蚊が凄くて逃げてきた。
猛暑で汗はタラタラ、蚊はブンブン、林内の撮影は地獄である。


やったね!!なでしこジャパン

2011年07月11日 | スポーツ

尾瀬・笠ヶ岳に咲く「タカネナデシコ」昨年の夏撮影、カワラナデシコの変種


10日早朝、女子ワールドカップのなでしこ対ドイツの試合を途中まで見て
後ろ髪引かれる思いで沼原に出かけた。

帰ってきて真っ先にネットで見たら、エッ、ドイツに延長で勝った !!
すごい、すごすぎる

これから録画を見ます。延長戦の分も録画されているかな、心配だ

それに比べてJ1の鹿島、新潟に負けて13位
J2降格の危機に近づいた?
ファンとして情けない。


ニッコウキスゲ満開の沼原へ

2011年07月10日 | 登山

沼原湿原のニッコウキスゲと大倉山(左)・流石山(右)
沼原湿原の調整池側展望デッキ付近から撮影・7月10日
訂正、最初深山湖側展望デッキと書きましたが、正しくは深山湖へ行く
ルート上の調整池の土手の下にある展望デッキですので、書き改めました



おなじみの立ち枯れのあるテーブルベンチ付近のニッコウキスゲ
調整池側の木道から撮影


沼原湿原の中央を横断する木道から大倉山方面のニッコウキスゲ


湿原に咲く「サワラン」別名アサヒラン・ラン科 この時期は、皆さん
日光キスゲに夢中で、木道脇のランは見向きもされない。
しかし中には、湿原に降りて写真を撮った跡が残っており、周りの草が
踏み荒らされていた。花好きが高じて花荒らしになっているのに気づかない
自己中は結構多い。私も気をつけないと危ない性格だからな。
他人に厳しく、自分に甘い(笑)


トキソウ・ラン科 名前の元になった朱鷺色が薄く、白色に近いが、唇弁に肉質
の突起が確認できる。


クモキリソウ・ラン科 だと思う、確信なし
 駐車場近くの登山道に咲いていた、花が緑色なので
周りの草にとけ込んで、なかなか見分けにくい。


上の写真から花の部分を拡大したもの、しかしピントがねーゴメン

 木道の有る景色


奥の方の木道は、周りにニッコウキスゲも咲いている


注目は、木道の右脇に見える水路、ほとんど乾いている


湿原入口にあるベンチとシンボルの立ち枯れ木

 乾いた湿原


沼原湿原の水路は、大雨の後にもかかわらず乾いていた。
この水路は、かつて馬の放牧場だった頃、馬の水飲み場の為に掘られた
水路だと聞いている(下の案内板の説明参照)


乾いた水路に、鹿(?)の足跡が残っていた。


奥の方には、わずかに水がある水路があり、コバイケイソウが
風情を添えている。


わずかに残った水路に目をこらすと、何かが動いている


上の写真の中心部をトリミングで拡大すると、なにやら黒い筋のような
ものが写っている。もしかしてサンショウウオかな
ここにはサンショウウオが住んでいると言われているが、これほど
乾燥してくると、絶滅のおそれも、何か対策はないのか


沼原湿原の子守石の前に立つ案内板
昭和20年頃まで馬の放牧場だったこと、戦後唐松の植林が試みられた事
昭和48年に発電用の沼原調整池が完成したことなどがかかれている。
水辺には、カエルやサンショウウオの仲間が生活しているともかかれています。

追記
木道の説明盤には、7月の花として「アカバナシモツケソウ」と表示されて
いますが、アカバナシモツケソウは、名前の通り「草」ですが、沼原には
「シモツケ」という低木が有り、似たような赤い花をつけます。
こちらは「木」なので、見分けが必要です。
見たところ、咲いているのは木の方の「シモツケ」が多かったので、説明盤
の改良が必要ですね。

葉っぱに切れ込みがある→アカバナシモツケソウ
葉っぱに切れ込みが無い→シモツケ

同じバラ科なのに、草と木に分かれています
シモツケの写真を撮ったのですがもイマイチなのでやめときます(笑)


ウサギギクを尋ねて流石山へ登る

2011年07月07日 | 登山

ウサギギク・キク科ウサギギク属


ウサギギクの群落


ウサギギク 名前は、茎に付く2枚の葉っぱを兎の耳に見立てたもの


大峠から見上げる大峠山のニッコウキスゲ(黄色の点々が花)
まだ蕾が多く緑色のため目立たない


これは下山時に上から見たニッコウキスゲ


これも下山時に下から見上げて撮ったニッコウキスゲ


カシミール3Dで描いたコース図写真
2万5千の地図を画面に入るように2分の1に縮小したもの

「 この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)
数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)
数値地図50mメッシュ(標高) 及び数値地図10mメッシュ(火山標高) を使用した。
(承認番号 平22業使、第446号) 」



大峠林道の途中にある「日暮れの滝」展望台駐車場から撮影


オノエラン・W型の模様が可愛いので、今回は花を中心に撮影


ウスユキソウ・キク科ウスユキソウ属
白い花弁に見えるものは、「包」と呼ぶ花にもっとも近い葉の事で
花が地味な場合、花弁状に変化して昆虫たちに花の存在を知らせるという
本当の花は、中心の丸い部分なのだが、この花はまだ咲き始め


オニアザミ・キク科アザミ属 花は下向きに咲く、大型のアザミ
葉には鋭いトゲがある、総包はさわるとべとつく


ハクサンフウロ・フウロソウ科フウロソウ属
フウロ(風露)とは、花の上の露が、風に揺れる様を言うという
花の上でわずかな風で左右にコロコロ転がる露
何とも日本的な情景を描写した名前である。


コメツツシ・ツツジ科ツツジ属 白い小さい花を米粒に見立てたという
が私は、蕾が米粒に見えると思う。咲き始めだった。


ギンリョウソウ・これは何度も載せているので説明省略
でもなんだか踊っているような形がおもしろい。


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鍾馗蘭が盗掘されました・大峠林道

2011年07月06日 | 登山

那須の大峠林道に咲いていた鍾馗蘭、帰りに寄ったらすでに盗掘されて
影も形も無かった。
この写真だけが形見です。
7月6日午前撮影

鍾馗蘭は、葉緑素を持たない腐生植物なので、根粒菌などがないと
養分を吸収できません。
ですから、一旦掘り出したら最後、枯れてしまう運命なのです。
盗掘された方は、それを知らなかったのでしょう。

栃の葉書房発行の「山草図鑑」にも「腐生植物の為、栽培は
不可能です。
自生地で観賞するだけにとどめましょう」と書いてあるのです。


筆者注 栃の葉書房は「趣味の山野草」を出版している会社

私の心は、怒りと悲しみで一杯です。
貴重な花がまた一輪、この世から消えたのですから


流石山のニッコウキスゲは2~3分咲きです。
写真は後で載せます。
今日は、とても書く気にはなれませんので、あしからず。

紅花一薬草を尋ねて那須・隠居倉

2011年07月03日 | 登山

熊見曽根から茶臼岳

毎年の事だが、ジャストの時期に花を見に行くのは難しい。
ましてや今年のように、残雪が多かったり、天候不順だと尚更である。
本来ならもう少し早く行くつもりだったが、会津・檜枝岐に出かけたのが響いて
少し遅れた。


紅花一薬草・イチヤクソウ科イチヤクソウ属 ・ピークをすぎていた。
那須では、南月山が紅花一薬草の生育地で知られているが、隠居倉の
尾根もそれなりに有る。


7月2日(土曜日)、会津も片品も雨である。
会津駒ヶ岳の山開きの参加はあきらめた。3日は自治会の行う草刈りがあるので
尾瀬の燧ヶ岳の山開きも参加できない。
那須は奇跡的に昼間の雨のマークが無い。
と言うことで、那須の隠居倉に紅花一薬草を尋ねる事にした。

那須には、5月19日のブログで書いたように、残雪期に登ったので
今年二回目の登山である。
コースとしては、熊見曽根の分岐までは、全く同じなので説明は省略する


熊見曽根の尾根から望む隠居倉と尾根の崩落地

7月2日(土曜日)、那須の峠の茶屋駐車場に着いたのは8時30分過ぎだった。
奥の方には結構車が駐まっていて、準備している人たちの声が賑やかだ。
山を見上げると、濃い霧に包まれて山容は見えなかったが、しきりに鳥が鳴いていた。

今日は単独なので、ゆっくりと準備して8時50分頃登山開始
登山口で登山届けを書いてポストに入れた。
備え付けの登山届けの用紙が新しくなっていて、コースは印刷してある地名に
丸印をつけるだけの方式になっていた。
出発地も下山地も地名に丸印をつけるだけ。
できるだけ多くの人に登山届けを出して貰う為に、かなり工夫されたものになった。
これは他の山でも見習って欲しいやり方だ。

前回残雪が残っていた登山道も、カラカラに乾いて、真っ赤なベニサラサドウダンの
花が、敷き詰めたように散っていた。


ウラジロヨウラク・ツツジ科ヨウラクツツジ属 別名ツリガネツツジ
葉の裏側が白色を帯びて、花の形が寺院や仏像の装飾に使う
瓔珞(ようらく)に見立てて名付けられたという。


登るにつれて、登山道の両側にウラジロヨウラクの花が咲き乱れ
実をつけ始めたハンノキの甘い香りがかすかに漂う。
ハンノキやツツジの樹林帯から抜け出ると、いつもは展望が良くなる
のだが、今日は霧が覆って山が見えなかった。
しきりにウグイスの谷渡りの声が響き、カッコウののどかな鳴き声がする
汗っかきの私は、すでに汗が噴き出ていた。


マルバシモツケ・バラ科シモツケ属 茶臼岳から朝日岳にかけて多い
5弁花で枝先に多数集まって咲く



ウラジロタデ・タデ科オンタデ属 葉の裏に白い毛が密生して白っぽく見えるので
ウラジロの名がついた。雌雄異株



霧に覆われた登山道

マルバシモツケやウラジロタデの咲く登山道を登っていたら
小さいザックがデポしてあった。
見ると可愛い男の子が、デジカメで何かを撮っている。

後で追いつかれたとき、ご一緒に来られた方に聞くと
小学1年の孫だという。前日は宿に泊まって茶臼にも登ったという
「孫をダシにして登っているんですよ、そのうち大きくなったら
一緒に歩いてくれないでしょうけれど。」と言って笑っている。

うらやましい話しである。私も孫を連れて歩きたい。
孫娘が遠くに住んでいるのが残念だ。

中の茶屋跡を9時23分に過ぎ、峰の茶屋跡避難小屋に9時44分に
到着した。
ベンチで一休みして、喉の渇きを潤した。
振り返ると、大勢の登山者が登ってきている。
そのうち団体登山と思える中高年グループが到着した。

ベンチを開ける為、私が出発すると、孫を連れたあの人も
同じ剣が峰に向かって歩き出した。
今日は朝日岳に登ると言っていた。


アカモノ・ツツジ科シラタマノキ属 別名イワハゼ 赤い実がなる
中部や近畿地方で、木の実を「モモ」と言い、赤い実なので
「アカモモ」と呼ばれたのがなまって「アカモノ」になったという
なんだか怪しい説だがとりあえずそういうことで。(笑)



ネバリノギラン・ユリ科ソクシンラン属 花の部分が粘つく

剣が峰に多いアカモノやネバリノギランを撮って、回り込んだら
あの男の子が、土手の上で一生懸命写真を撮っていた。
何を撮っているのかと、のぞき込んだらオノエランが草むらに咲いていた。


オノエラン・ラン科オノエラン属 唇弁の内側に黄色いW型の模様が入る
まるで早稲田のマークのようだ。


「この唇弁のダブルの模様がきれいですよね。」と言うと「そこまで見なかった」
と言って、わざわざ戻ってきてのぞき込んだ。

いつもは早稲田大学卒業の「オノエラン」くんですと馬鹿を言うのだが
まあ今日はやめておこう。


剣が峰の道を行くお孫さん連れの登山者


剣が峰の鞍部から隠居倉方面を見る


朝日岳の登山道のクサリ場


横移動のクサリ場だが、下は断崖

10時03分 第一のクサリ場に到着
10時19分 朝日の肩に到着

先客が多いので、そのまま朝日の肩を通過して、熊見曽根の分岐に向かう。


ツートンカラーのウラジロヨウラク


ピークを過ぎかかっていたが、サラサドウダンの更紗模様があでやかだ

筆者注 この花は、もしかするとサラサドウダンの変種と言われる
ベニサラサドウダンかもしれないが、筆者には明確な違いを示す
資料がない。
たいていの図鑑には、色の濃淡しか書いておらず、明確な違いが
判らない為、母種のサラサドウダンとした。ごめんなさい。



熊見曽根分岐の頂を見上げると、誰かが方位盤に乗っているようだ


振り返ると、あのクサリ場を登っている登山者が見えた

熊見曽根の分岐に上り詰めると、二人の青年が挨拶してきた。
一人が私のカメラを見て「どんな風に景色を撮っているのですか」と聞いてきた。
私が「景色より山の花を撮っている」と答えると
一人が携帯で撮った画像を見せて「この花の名前が判りますか」という。
見ると「ウラジロヨウラク」の写真だった。

一人に「どこから来たの?」と聞くと「日立」だという。
「エーツ、俺はつくばだよ」と答えると「いばらきですね」
と言って笑う。
私はこれから隠居倉に行って花を撮ると言って、別れを告げた。
二人は爽やかな笑顔を残して、1900メートルの無名峰に向かって行った。


熊見曽根から隠居倉に続く尾根は、ガンコウランの青い実が沢山なっていた。
この実は、熟すと黒色に変わる。



普通は高山の森林限界付近に生育するハイマツが、ここ那須では
遙かに標高の低い場所で生育している珍しい所である。
写真は、ハイマツの雄花


大きな崩落地をすぎると、このコースのハイライト、お花畑となる。


最初に出迎えてくれたのはヤマオダマキだった


ピークは過ぎかかっていたが、白山千鳥も沢山有る。


斑の模様がはっきりしている白山千鳥


テガタチドリはまだ蕾だったが、数は有る。


まだ咲き始めだったが女峰山で発見されて命名された女峰千鳥も草むらの
中にいくつもあった。


この花を見たさに、あのきつい女峰山に登って、ついに見ることができなかった花である。
この花を見るたびに、私は思わずニンマリとしてしまう。


カラマツソウの花も咲き始めていた。


隠居倉からの帰りに見つけた「コメツツジ」ほんの数輪が咲き始めていた

自作パソコンの電源が600ワットなので、真夏に暖房している状態で
長くはブログを書けません。
と言うわけで、この項は終了!! ゴメン。


追加 ハクサンシャクナゲ・ツツジ科ツツジ属 花の内側に黄緑色の斑点が有る
一株のみ開花していた。今回は確かめなかったが、那須には葉の裏に
毛の無い「ケナシハクサンシャクナゲ」があるという。