花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

湯ノ丸高原の池ノ平湿原を歩く・その2

2010年08月04日 | 登山

雲上の丘は、360度の展望を楽しめる場所なので、山名の入った360度の方位盤が
設置されている。
残念ながら北アルプスなどの遠方の山々は、雲に覆われてのぞむべくも無かったが
烏帽子や湯ノ丸などの山が目の前であった。


烏帽子と湯ノ丸


この時期に湯ノ丸に来ると、何と言ってもヤマオダマキの数の多さにびっくりする。
車で走る林道にも、「なに これ!!」と言いたくなるほど群生している。
この写真は、萼片の色が紫褐色の「山苧環」であるが、この辺で多いのは
萼も花弁も黄色の「山苧環」である。


駐車場の上にある監視員の詰め所で、200円で売っている「池の平三方ヶ峰の花」
という簡易花図鑑には、この花が「山苧環」として紹介されている。
ただし、裏面の説明を見ると、花全体が濃黄色のものは「キバナノヤマオダマキ」と
して分けると書かれている。
色の濃淡だけというのは、基準が曖昧で難しいよね。

尚、萼片と距が紫褐色で、距が内側に強く巻き込むものは「オオヤマオダマキ」と
して区分されるという(山渓・山に咲く花より)。


雑草にも負けず丈の長い「ヤマオダマキ」が咲く。


ウツボグサ


まだ7月だと言うのに、早くも咲いた「マツムシソウ」


タカネナデシコ

雲上の丘から少し下ると、ピグミーの森と呼ばれる薄暗い森の中を通る。
やがて再び登りとなって見晴岳の尾根に出る。
ここにも金網の張ったコマクサの群生地が有るが、コマクサはとうにピークを過ぎて
枯れかかっていた。
ここから左に行くと、三方ヶ峰のコマクサ園に行く尾根道で、右は見晴岳の頂上を
通って、地蔵峠へと至るコースである。

とりあえず見晴岳付近に咲くという花を探しに、右の見晴岳に登っていった。
山頂には放送局のアンテナ塔が立っていて、山頂に行くと展望もなかなか素晴らしい
だが、山頂を示す標柱は無い。
折良く来合わせた監視員に尋ねると、私の探していた花は、すでに花期を終わっていた。


草むらに咲く「クルマユリ」茎葉が輪生する様から車百合と呼ばれる花。
 
再びもとに引き返し、三方ヶ峰を目指して、尾根道を歩く。
やや下った分岐点から左に行くと池ノ平の湿原で、右に行くと三方ヶ峰である。


ノハナショウブ


三方ヶ峰のコマクサも、とうにピークは過ぎていて、写す意欲も薄れたが
シロバナが見えたので、それだけを撮った。
ピーク時ならアップでも見せられるのだが、


先に来ていた監視員の方が、「ほら帰るぞ、こっちに来い」としきりに言っている。
ペットでもいるのかと思って、様子を見に行ったら、なんと! キツネがうろついている。

聞くと野生のキツネだという。
ただ監視員の詰め所付近に、たびたび現れるというから、人慣れしているのだろう。
誰かがエサをやっているのではと気になったが、流石にそれは失礼で聞けなかった。

ここから池ノ平に向かう道は、ハクサン千鳥の多いところなのだが、すでに
花は終わっていて、影も形も無かった。

池の平の湿原に近づくと、道は木道となり反対の池ノ平湿原から登ってくる人が
増えてきた。
「コマクサが咲いてますか?」とみんな聞いてくる。
「ピーク過ぎてますよ。」と答えると、みんながっかりしたような顔になる。

池の平湿原は、鏡池のある辺りが標高2000メートルと言われているから、湿原
としてはかなり高い位置にある。

池ノ平湿原の鏡池


鏡池の近くで、これから咲くであろう「クガイソウ」を見た。