くにたち PEACE WEB

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(24)平和都市を実現するためにできること

2008年09月26日 | ピースウィーク

(24)平和都市を実現するためにできること

平和都市を実現するために、行政と市民はどのようにして協働していけるのでしょうか? 先進自治体の平和施策や条例、一橋大・平和と和解の研究センターの取り組みを紹介しながら、国立市の出前講座を使って検証します。

  日 時 2008年9月26日(金)19:00~21:30
  場 所 公民館和室(定員20人)
  資料代 200円
  主 催 平和まちづくりの会  090-4937-4596(重松)

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 平和なまちを実現するために、私たちの自治体は、どんな平和政策をとっているのでしょうか? そして市民と自治体はどのように協力していけるのでしょうか? ピースウィークにあわせて「平和まちづくりの会」を立ち上げ、小さな集まりを持ちました。参加者は、講師・主催者を含めて12人。

 まず、国立市の平和事業について、市の出前講座「わくわく塾」により、企画部政策推進室の清水さんに説明してもらいました。なお、今年11月に組織改革が行われ、平和施策担当は生活環境部市民協働推進課(三澤さん)にかわっています。
 国立市には2つの平和都市宣言があります。一つは、1982年に市議会で議決された「非核武装都市宣言」。しかし保守市政はこの議決を放置して平和事業に手を付けず、1999年に市民派市政に交代しました。選挙公約と市民要望を受け、21世紀を迎えることを機会に、宣言文案を公募し、大学教員や市民や中学生の意見を反映させ、議会の議決を経てつくられたのが、もう一つの平和都市宣言(2000年)です。
 あきるの市を除く多摩の25市が(非核)平和都市宣言を行っていますが、議決を経て市長が宣言したのは6市だけ、残りは議会か市長の単独宣言です。
 新宣言を機会に2000年に平和事業がスタートし、翌年からは公募市民と行政の協働組織として「ピースくにたち」が企画運営を始めました。予算額は100万円にも満たず少ないものの、戦争体験を聞くつどいと出版、映画上映、美術展、バスツアーなど、企画内容はバラエティに富んでいます。また、「ピースくにたち」以外の行政単独もしくは市民持ち込み企画(被爆写真展やアンネのバラ)もあります。
 市がすすめる行政評価の中でも、平和事業は比較的高い自己評価がされていますが、市民との協働のあり方が課題とされ、他の人権施策との統合・連携が検討されているとのことです。
 
 次に、他の先進自治体の事例紹介として、今年6月に全国で16番目の平和事業推進条例が制定された千葉県我孫子市から、平和事業推進市民会議委員の和田千代子さんのお話を聞きました。
 我孫子市では平和都市宣言が行われた翌年(1986年)に被爆祈念碑が建てられ、平和事業や被爆者の会の祈念式典が行われてきました。和田さんが所属する消費者の会でも2001年に会員の戦争体験集を出版し、地道な市民活動も続けられていました。
 我孫子市といえば、2007年まで3期務めた改革派市長で有名です。その市長の主導で戦後60年に19の平和事業が市民と協働で行われ、検討委員会の中から平和事業の継続・条例化の意見が出されました。それと平行して、条例化を求める陳情が議会で可決したり、議員提案の条例化の動きなどがありましたが、改革派市長は2007年に引退してしまいます。
 新市長のもとで、平和事業推進委員会に条例案文作成の要請があり、1年弱、10回の会議を経て案文が練られ、議会に提案されました。議会で紛糾しそうな「憲法」や「非核」の文言は入りませんでしたが、国際交流基金を国際平和推進基金に振り替えて平和事業を継続していく内容です。新市長は前市長の後継者とはいえ、やや保守よりの方とのこと。条例化に消極的ではないかと危惧されましたが、広島派遣中学生の発表会に最後まで市長が出席し、条例化推進を確信されたようです。大学生や高校生、PTAや市民で構成される平和事業推進市民会議が発足し、市ウェブページで会議録が公開されています。

 多摩26市の平和・人権・国際化事業や非核宣言自治体協議会平和市長会議の紹介の後、さまざまな質疑応答がありました。また、一橋大学の足羽與志子さんから、社会学研究科に設置された「平和と和解の研究センター(CsPRシスパー)」が、行政や市民との協働も検討していることが紹介されました。


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