歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

燕市の磨き屋一番館を訪問しました

2011-01-23 19:48:05 | ものづくり・素形材
 燕市と三条市に出張した際、燕市の燕市磨き屋一番館を訪問しました。ここでも大変印象的なお話をうかがうことができました。
 少し前になりますが、AppleのiPod nanoの鏡面加工は燕市でしかできない、ということで、燕市の磨き屋さんが総出で鏡面加工を請け負ったことはマスコミでも広く報じられましたね。こうした燕市に伝わる高い研磨技術の後継者を育てているのが燕市磨き屋一番館です。

(以下引用)
 燕市の、工業振興分野の主要プロジェクトに位置づけられている「燕市磨き屋一番館」は、2007年5月1日にオープンしました。
 ここは、モノづくりのまち燕市特有の基盤技術である、金属研磨業の後継者育成や新規開業の促進、体験学習による金属研磨技術の普及などを目的とした施設です。
 施設内には、研修生が実際に作業を行いながら研修や指導を受ける「技能訓練室」や、新規開業を目指す人たちを対象とする「開業支援室」、チタンやマグネシウムなどの新素材に対する研磨技術を研究する「研究開発室」などがあります。
  『磨き屋一番館』には、『磨き屋』を目指す研修生が、県内外から集まります。技術指導の中心となるのは、県から認定された卓越した技能を有す る「にいがた県央マイスター」。研修生は3年間の研修期間修了後、金属研磨仕上げ単一等級の取得と新規開業を目指します。
(引用終わり)



 この燕市磨き屋一番館はよくある公的な職業訓練学校のような存在かと考えていたのですが、実態は大きく異なりました。
 燕市磨き屋一番館は燕市から事業経費の2/3の助成金を得ながら外部から磨きの仕事を受注しているのです。利益もしっかり上げており、その一部を測定器などの設備投資に回しているほか、一部を財政事情が厳しい燕市に寄付しています。仕事の内容としては、オリジナル商品のチタン製ビアタンブラーの研磨が有名ですが、最近は航空機の翼の先端部分を研磨する仕事が主力事業になっています。

 
 工場で実際に研磨したものを見せてもらいましたが、鏡面加工によってリベットを打った跡を消すことで空気抵抗を大幅に少なくすることが出来るのだそうです。 

 現在、燕市磨き屋一番館では6名の研修生が在籍していますが、彼らは授業料を払う必要がありません。逆に彼らは月給15万円の給料をもらいながら3年間、県央マイスターの指導を受けながら研磨の仕事をしてOJTで技を習得しています。安いとはいえ給料をもらえることで、研修生は生活に不安を感じることなく技能習得に専念できるのです。このように給料をもらいながら技能が習得できる職業訓練施設は、燕市磨き屋一番館以外には伝統工芸の金沢卯辰山工芸工房(金沢市)しか私は知りません。おそらく工業系の職業訓練施設では日本ではここだけでしょう。
 また、研修生を指導している県央マイスターは引退した方ではなく、自分自身の工房も持つ現役の方です。つまり、県央マイスターは自分の工房の仕事をこなしながら燕市磨き屋一番館で研修生の指導を行っているのですが、研修生に担当させる仕事を作るために自分の工房の仕事の一部を燕市磨き屋一番館に回したと言います。このため自分自身の仕事は減り、収入も減ったと思うのですが、それでも県央マイスターは研修生の育成にかなりのエネルギーと時間を割いています。

 厳しい財政事情にもかかわらず熟練技能の後継者を育てるために予算を割いている燕市、そして自らの仕事量の減少にもかかわらず研修生の指導に当たり、燕市磨き屋一番館の利益の一部を燕市に還元している県央マイスター。熟練技能を次世代に伝えていきたい、という双方の高い志には心を動かされました。

収穫した餅米で餅つきをやりました

2011-01-23 17:40:02 | 自然
 昨日、週末農業で収穫した餅米で餅つきをやりました。

 息子も餅つきをやらせてもらいました。



 

 
 焚き火を使った焼きマシュマロ作り、パン作りもやりました。子どもたちは焚き火が大好きですね。
 天気にも恵まれ、とても贅沢な一日を過ごすことが出来ました。