クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

変貌はいつも愛着の場所から始まる? ―鹿沼橋―

2023年07月04日 | 利根川・荒川の部屋
いつの間にか消えていた “鹿沼橋”。
旧大利根町(現加須市)の中川に架かる橋で、
妙に愛着を持っていただけに寂しさを禁じ得ない。
鹿沼橋は平成4年3月の竣工だったから、
おそらく老朽化に伴う撤去なのだろう。

平成4年を生きた身としては「ついこの間」だが、
一般的には「大昔」なのかもしれない。
日曜の夜にNHKにまわせば「信長」が映り、映画館では「紅の豚」が放映されていた。
歌番組では、僕らの音楽教師の教え子という小野正利が「You're the Only…」を歌い、
ニュースでは長谷川町子や松本清張の死去を伝えていた。

当時、中学2年生だった僕は鹿沼橋との接点はない。
平成6年に自転車で旧大利根町を訪れたとき、
渡ったのは鹿沼橋から一つ下流の道橋だった。
実は「デイリーヤマザキ」から南の記憶は曖昧なのだが、
おそらく間違いないだろう。

旧大利根町は変貌著しい。
新しい道路ができ、道沿いには工業団地が造成されている。
新興住宅も増え、図書館近くにはコンビニができた。
平成6年当時、大利根にはコンビニが1軒しかないと聞かされたのに……。

だから、古い橋が撤去され、新しい橋が架かることなど当たり前のことなのかもしれない。
とはいえ、どうして鹿沼橋なのだろう。
旧大利根町に限ったことではないが、
愛着を持ったところから変わっていく。
変貌はいつも思い出の場所から始まる。


在りし日の鹿沼橋(埼玉県加須市)
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