クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

クニのウラ部屋雑記(28) ―羽生第一高校文化祭―

2008年09月15日 | ウラ部屋
在学中、意識することのなかったものを見に行く。
確かにそれはそこにあった。
入学式のときから目にしていた。
しかし、それに興味を引かれることは皆無だった。

「出会いは実力だ」と、文化人類学者の西江雅之氏は言っている。
確かにそう思う。
例えば、ニュートンが登場するまで、
数え切れない人たちが木から落ちるリンゴを見てきたはずだ。
だが、そこから誰も万有引力の法則を見出す者はいなかった。
つまりニュートンは出会ったのである。

在学中、ぼくはそれに出会わなかった。
実力もなかったし、縁もなかったのだろう。
それは体育館の壁に掛けられた校歌だ。
作曲は小山章三、作詞は宮澤章二。
後者は拙ブログで紹介したこともあるが、
羽生市出身の詩人である。

うっかりしていた。
見覚えのある名前だと思っていたが、
まさか母校の校歌を作詞しているとは……。


体育館の壁に掛かった校歌


同上のアップ


体育館でのステージ

9月12、13日と羽生第一高校の文化祭が行われ、
今年も足を運んだ。
高校の文化祭へ行くたびに、夏の終わりと秋を感じる。
お昼は学食で済ませた。
少し遅めに行ったせいかカレーしか残っていない。
去年言葉を交わしたおばちゃんの姿はなかった。

それから本命の体育館へ。
バンドの演奏で賑わう体育館で、
ステージとはあさっての方向にカメラを向ける。
校歌の詞が書かれた額が壁に掛かっていて、
それを何枚か写真に収めて体育館を出た。

せっかくの文化祭なので校舎を歩く。
中庭でもステージショーが行われて盛り上がっていた。
ぼくらが高2の頃だったか、
そのステージで長渕剛を熱唱したK君のことをふと思い出す。
当たり前のことだけど、どこを見渡しても知っている顔はない。
校舎は変わらずとも、学校はどこかよそよそしい。


中庭のステージ


中庭の垂れ幕

ところが、思わぬ人とばったり会った。
高3のときの担任の先生である。
子どもと一緒に来たらしい。
ほんの少しだけ立ち話をした。
もうこの高校にはおらず、市外の学校へ勤務しているという。

先生は変わったようには見えなかったし、
さほど懐かしくもなかった。
つい一昨日会ったような親近感だ。
ただ、もう1度その先生の国語の授業を聞いてみたいと思う。
卒業してそれなりにいろいろなことがあったけれど、
原点というのはやはり高校にある気がする。
楽しいことも傷ついたこともたくさんあったせいか、
高校3年間の季節は特異な場所にある。

学校に長居はしなかった。
早々に校門を出る。
一般公開が終わったあと、ぼくらの時代にはなかった後夜祭があって、
最後に花火が打ち上げられる。
今年も花火が上がっただろうか?
その後、高校から遠く離れた場所へ出掛けてしまったため、
花火の音は耳にしていない。


2007年の花火


同上

※拙ブログ内の参照記事
「“ムジナもん”と遊びませんか?(31)―宮澤章二(詩人のいる街Ⅲ)―」
http://blog.goo.ne.jp/kuni-furutone118/e/c8dbee06a61602eca06a8c2ffa8c077d

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