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クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

「王様の心臓~リア王より」に宇多田ヒカルの曲を流すと井上真央は……

2007年04月07日 | レビュー部屋
放送前のちょっとした接点。
井上真央主演のドラマ「花より男子2」の挿入歌「Flavor of Life」(宇多田ヒカル)を買った日に、
ドラマ「王様の心臓~リア王より~」(日本テレビ)が放送されました。
このメロディに重ねる井上真央は「花より男子2」(TBS)の主人公牧野つくしにしか見えません。
最終回からまだ遠くはなく、
井上真央=つくしを連想する人も多いと思います。

ただ、「王様の心臓」は恋愛がテーマではありません。
「花より男子2」では“道明寺司”(松本潤)や“花沢類”(小栗旬)などと共に、
揺れ動く恋愛模様を描いていましたが、
「王様の心臓」ではその要素は希薄でした。
逆に「花より男子2」には不在(希薄)だった“父”が、
重き存在として登場してきます。

ちなみに「王様の心臓」の脚本を手がけたのは井上由美子。
前作「14才の母」から今度は父を扱ったということでしょうか。
2007年からスタートした「拝啓、父上様」(フジテレビ)「華麗なる一族」(TBS)「風林火山」(NHK)はこぞって“父子対決”を描きましたが、
「王様の心臓」もその中に入ると思います。
ただし、「せがれ―父」ではなく「娘―父」の構造は、
ほかのドラマと異なる点でした。

経営者の父(西田敏行)のお金を巡って画策する娘たち。
高慢な長女、陰険な次女、そして心優しい三女の“さくら”(井上真央)。
「せがれ―父」の対決と違って娘の場合は心理戦です。
武田信玄のごとく、子が父を王の座から引きずり落とすという激しさはありません。
(原作のシェイクスピア「リア王」は激しいですが……)

では、このドラマは何が描きたかったのかというと、
娘と父の絆というよりも、
いまここで原点に立ち戻ろうというメッセージだと思います。
その背景としてあるのは、団塊の世代の定年退職。
身を粉にして日本の経済発展を支えたこの世代は、
いまや高い社会的地位を得ても、
逆にその裏で家庭を犠牲にしてきた人も少なくないのかもしれません。
そこでもう1度原点に立ち返り、家族との絆を確かめ合おうというのが、
このドラマの発するメッセージだと思います。
「14才の母」と同様に、社会的な視野で制作されていました。

ところで、宇多田ヒカルの「Flavor of Life」を聴いていると、
「花より男子2」で描かれた恋愛模様が蘇ってきます。
「さよならの後も解けぬ魔法 淡くほろ苦い」恋は、
この曲に合わせていつもクライマックスで盛り上がっていました。
「リア王」で希薄だった恋愛要素は、
翌日放送(4月7日)の「ロミオとジュリエット」(滝沢秀明・長澤まさみ)で、
ストレートに表現されるようです。

ちなみに、言葉や音をどちらの耳で聞くかによって、
その捉え方は違うということを以前述べました。
(記事「「花より男子2」の宇多田ヒカルと「華麗なる一族」の挿入歌はどちらの耳で聴く?」(2007.3.20)参照)
すなわち、右耳で聴いた言葉は左脳、
逆の耳は右脳に訴えるという仕組みです。

恋愛の場合、感受性を司る右脳に訴えた方が、
感情は盛り上がるかもしれません。
はたしてロミオが愛の言葉を口にするとき、
ジュリエットはどちらの耳で聞いているでしょうか。
彼らの立ち位置に(やや)注目です。

※「Flavor of Life」(作詞宇多田ヒカル)

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2 コメント

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Unknown ()
2007-04-07 09:15:48
はじめまして。

>井上真央は「花より男子2」(TBS)の主人公牧野つくしにしか見えません。

そうですか?私はつくしとは真逆だと思いました。。
クールで大人っぽいなー、と。

ストーリーは初めはコメディっぽくて楽しかったけど、中盤はイマイチで最後は良かったと思いました。
返信する
前の役柄に引きずられて…… (クニ)
2007-04-07 10:48:02
>邑さん
はじめまして。
コメントありがとうございます(^^)

確かに役柄ではつくしと真逆でしたね。
井上真央を「花より男子」で初めて知ったので、
そのイメージがどうしても強くて……。
実は西田敏行も「華麗なる一族」の大川議員に見えました(^^;)

ストーリーは基本的にコメディでしたね。
アレンジ版ではなくて、本当の「リア王」を観たくなりました(^_^)
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