神居ます

まただ。
「６０°」と書いてある所を「６０ｃｍ」と訂正する。
この２週間、こんな事ばかり繰り返している。
いや、３週間だったかな。
この訂正は、もう何度目か、記憶も曖昧になっている。
何ページ目の何というタイトルの、何行目のどんな文章の最後にこれがあるから、「６０°」と書いてある所を「６０ｃｍ」と訂正してくださいと、メールを送ること数度。速達で送られてきたプリントアウトに赤ペンを入れること数度。
昨日は出版の人とデニーズで、ここはこう直してくださいと念を押し書き留めさせた箇所だ。で、今日速達で送られてきたプリントアウトには、相も変わらず「６０°」と書いてある。鉢植えの木の高さが、
どうして６０°でおかしいと思わないのか？
６０ｃｍでしょう？
世間では、こんな時６０°って言うようになったんですか？
僕は時代遅れな人間かも知れません、６０ｃｍって言うような気がして仕方がないんです。
こんな現実を過ごしている。
悪夢の方がまだ遙かに質が良いと思う。

自分で本当は何を書こうとしていたのか、訳がわからなくなりそうになる。
こんなのが何十カ所もある。
イラストの間違いも毎回同じ。
何かの記憶違いかも知れないなどと考えたくなる。
でも、送信済みのメールはちゃんと存在し、その返事も来ている。
とある大手の出版社の、プロと呼ばれる人たちのやっていることなのだからねぇ、これが。
けしてノートを取らない、居眠りばかりしている、そんなアホ学生と仕事をしているような気がしてくる。

神様がもし居るのなら、これはいったい何の罰なのか、聞いてみたいような気がする。

というか、その辺に転がっている週刊誌の記事とか、
どうしてそんなに間違いがないのか？
折り込みのしょぼいチラシだって、けったいな間違いなんてなかなか見つからない。
一体みんなは、こんな奇跡のようなクリーチャーを、一体どうやって量産して居るんだろうか？？？
そう思ってみると、身の回りには信じがたいほどの量の奇跡が、のほほんと転がっているのに気づかされる毎日であった。

とほほのほ。
寝ます。