けだるい団地妻的気分でベランダに出ると、いつのまにやら季節は巡り、忘れ去られた花々が咲き誇っていたりなんかして。
「あ"～んたってば、何が気に入らなくって去年は１つも咲かなかったのYo～！」って突っ込み入れたくなるエンジェルトランペットが、何食わぬ顔で咲き誇ってる。
まぁ、去年はとびっきり変な気候だったけど、今年はそれに輪をかけて無茶な天候になりそうで、
♪良いぢゃ、ないの。今が、良けりゃぁ～♪
ってな調子で、タダレた性欲の女的満足に浸っちゃう事にしてみた。
だって、ここ２０年ぐらい毎年のように新たな異常気象に見舞われて、良くまぁ次から次へとネタがつきないわねって、自然の懐の深さに驚き呆れ続けて来たんだから、その時々の最適解を見つけ出して管理するしかやりようもないわねと、こんな風に書くとなんだかしゃれた手入れでもしてる的でアレだけど、要はその場しのぎのほったらかし。
「いや、ローメインテナンスの庭作りって、緻密なプランニングの上に成り立ってるのだよ」とかほざいてみたり。
困るのは、「これ頂いちゃったから植えといて」ってな発言。
御近所付き合いも大事だから断れないのは判るけど、植物同士の手狭なコミュニティーって、絶妙なバランスがないと手入れが大変になるんだけどとか、一応抵抗してみても結局植えることになる。
「エンジェルトランペットって根っこが野蛮なのよ、球根植えたのとか毎年咲いてたのが死んじゃうんだからやめてぇ～！」って言っても、見えないところで繰り広げられる植物同士の陰険な戦いの実態レポートなんて、お茶の間の話題にはふさわしくないので、諦め顔で「判ったわ、生き残った子がこの庭の住人ってことで良いわね？」とかささやかな抵抗を試みた結果が今年のこれなんだから、良い事にしましょう。
世の中、しぶといヤツ、図々しいヤツ、空気読まないヤツ、そんなのがせめぎあってなんだか不思議な均衡を保ってるもんよね。
庭だって同じよ。
へたに自分の意に従わせようなんて思わないこと。
万物あるようにあれよかし、とかオツに澄ましてるとあれよあれよってな状態に。
でもまぁね、適正な距離を保って眺めてる分には、それものどかな田園風景として楽しめるわ。ｗ
わがまま気ままにはびこった小枝のラインも、ちょっとだけ摘んで日当りと風通しを保ってあげれば、伸びやかな自然のカーブが楽しめる。
ティーテーブルでも出して、モヒートやサングリアでも舐めながら、惰眠をむさぼるのがいちばん。
せっかくの花盛りなんだから、可愛い連中を誘って新緑の風に吹かれながら、女子会とか魔女会議やってみたいかも。
ってかさぁ、今あらためて気がついたんだけど、僕ってうつむき加減に咲く花が好きなのねヤッパリ。
あと、左右対称な花も好き。
虫的な好みで言うと、ハチっぽい花の趣味なんだわねぇ....
チョウチョって飛ぶのあんまり旨くないから、うつむいてる花だと蜜が吸えないんだよね。
ハチはホバリングも出来るし、丈夫な足で花びらかき分けて潜り込むし。
チョウチョは外連味なく上向いてコパ～っと開いてる花が好き。
コパ～っと開いてるのは、それはそれで僕も好きだけどさ。ｗ