くまえもんのネタ帳2

放置してたのをこちらに引っ越ししてみました。

俺色に染めてやるぜっ!

2008-07-27 15:12:45 | ノンジャンル


俺だって、昔はまっさらの人間だったさ。
海原と天空の青を鋭角に切り取って聳え立ち、風を捕らえる帆布のように、人が直視するのをさえはばかるほどの眩い白さ、そんな潔癖に過ぎる心根が俺にはあったさ。
生成の手付かずの白無垢をこそ愛した俺が。
遠い昔の話しだがな。

が、いつの頃か、ドス黒い欲望が俺の腹腔の奥底に巣食っているのに気がついたんだ。
一体、どうしちまったと言うんだろう。
その欲望が喉元まで這い上がってくると、どうにも我が身を制することが出来なくなっている哀れな俺自身を見いだすのだ。
まっさらな無垢なヤツを、縛り上げ、揉みしだき、あるいは蝋をたらし、そしてさらには薬漬けにし、押さえつけ、俺の思うがままに操りたい。
陵辱したい。
隈々まで俺色に染めてしまいたい。




固く結ばれた秘め所を、俺の指でこじ開け、押し広げ、襞の奥に隠されたその鮮やかな色合いを白日の下に曝すときの、あのときめき。
無垢だった、まっさらだった、ウブな白さを誇らしげにしていたヤツを、見る影もなく変貌させて、俺に出会う前のヤツを知る者全員の顔に驚愕と疑念の表情が浮かぶ瞬間を、あの背徳の香りさえする誇らしい瞬間を、俺はもう忘れられない。

昨夜までの、三日三晩続いた饗宴もまた、例外ではなかった。
俺の部屋には熱気と異臭がこもり、ちぎれ飛んだゴムと合法的薬品の容器が散乱し、床や壁には夥しい怪しげなシミがつくられた。
食事の一時すらも惜しみ、貪り尽くす果てしない昼夜の連続。


そして.........、
墨田の河面も一時の夢を忘れ、闇と静寂に戻る。
そして色町は活気を取り戻す。

モンスーンの湿りが、浴衣地を浸潤し、肌にまとわりつく。
そんなけだるさの残るうちに、昨日までのことを少し思い出して書き留めてみようか.......

いや、その前にしておくことがある。





狂気をおびた宴の去った今、窓を開け放ち朝の風とともに、深々と息をしよう。





藍染めって、すっごいニオイなんだよねぇ。
初めて自宅での藍染めに挑戦したんだけど。
蓋付きのポリバケツを藍壺の代わりにして、藍液を作ったんだけど、かなり来るニオイ。
途中で慣れはましたが、換気扇は回さないとね。
異臭騒ぎにならないかと、ちょっとヒヤヒヤ物でした。
なんてーの、ウォーター・プレイとかスキャットとか、そっち系の臭気なのだ。
A(^_^;




草木染めに取りかかる前に、まず手始めにしなければいけないことは、晒しを良く洗って、表面の糊を落とすことだ。
いかに無垢な純白に見えても、その表面を覆っている糊を入念に落としてからでないと、思うようには染めることができないのだ。
上辺のあどけなさに騙されてはいけない。


え?
なんのお話しだと思いました?
もちろん、草木染めの作り方のお話しですよ。
浴衣の日用にと頼まれていた手ぬぐいなんかを、この3日間で一気に染め上げていたんです。
A(^_^;

幾何学模様っぽい柄にしたいときは、こんな風に水性ペンなんかで目印をつけておくと、あとの作業が効率的です。
下書き専用の筆記具とかけっこうな値段で売られてますが、100円ショップで売ってるような水溶性インクのフェルトペンセットで十分です。




線に沿って襞を寄せ、ヒモや輪ゴムでしっかり絞ります。




よけいなところが挟み込まれていないか、縛ったところ以外は一度できるだけ拡げて、目的のラインが絞れているか確認しましょう。




布地を直接染液に漬け込むとムラになるので、必ず軽く水洗いして絞ってからにしましょうね。
絞り目に十分水がしみ込んでいた方が、模様もクッキリ白く浮かび上がりますからね。



で、これは柿渋の染液。
臭いのよねぇ~。
なんだろう、酔っぱらった親爺の口臭みたいな。
特に日本酒で酔っぱらったときのあの体臭、熟柿香(じゅくしこう)って言われる、あれ。

それはさておき、染液がまんべんなく行き渡るように、時々軽く揉んでかき混ぜます。




長時間漬け込むときは、こんな風におとし蓋?をしておくと、液面から顔を覗かせた部分が乾いてムラになったりせず、良いでしょう。
もちろん、こまめに液の中で泳がせるのがいちばん良いんですが。





ところで、こちらは藍染め液です。
藍の場合は、ただ浸けておいても一向に染まりません。
時々引きだして、空気に触れさせて初めてあの藍色が発色するんですよ。
だから、3分ぐらい浸けては、こうやって引きだして軽くしぼり、拡げて風を通します。

引き揚げた瞬間は翡翠色ですが、空気に触れると見る間に藍色に変わっていきます。
布切れを拡げてパタパタさせ空気にあてるほど、良い色になっていくんですが、そのニオイたるや。
アンモニア臭もブレンドされている感じの刺激臭に、目がチカチカします。




藍液の状態は、布を染めるたび毎に刻一刻と状態が変化していきます。
1発目、2発目、3発目と回を重ねる毎に、薄くなっていくのは、何だか親近感さえ憶えますねぇ。
最初は濃紺に染まりますが、次に布を入れたときには青に、そして3度目に染めるときはこんな風に浅黄色(明るい空色)に染まり、次の染めに入ったときは甕覗きと呼ばれる淡い青に染まります。
もちろん、染液の量や布の量なんかの兼ね合いで、変動はありますが。

十分発色させた後、水洗いして、絞りの結び目をほどいていきます。



固く結んだ糸や輪ゴムを切ってほどいていく瞬間。
固く結ばれた襞の奥に隠されていた模様や意外な色合いが目に触れるその一瞬一瞬は、草木染めの神秘をしみじみ感じさせてくれます。

藍は生き物だって言いますが、実際自分で藍染めの液を建ててみると、そのことがやっと実感できました。
これって、よその藍瓶で染めさせてもらっても、なかなかピンと来なかったことです。
なんでも経験ですねぇ。




これが先ほど染めていた柿渋。
渋で染めた物に鉄を反応させて、黒褐色の落ち着いた色合いに仕上げています。
柿渋は、こうやって日に晒すことでだんだん色が出てくるんですよ。




こちらは同じ柿渋でも斑染めの仕上げ。
濃い斑点が一面に散らばって、独特の風合いになっています。
窯変点目茶碗じゃないけど、全体にイイ感じに斑点を発色させるのって、技術以上に運のよしあしもかなりあるんですよね。
まして、まったく同じ物なんて、2度造ることは不可能。




これも柿渋。
京友禅の技法と手描きの技法をいくつか組み合わせて染めてみました。




拡げるとこんな感じの、刷毛目風になっています。
実際にはやたら手の込んだ工程を組み合わせてるんですが、ちょっと見はほとんど手間をかけてない風に仕上がってるって思ってもらえれば、それがこちらのねらい目なんですけどね。

そうそう、柿渋の殺菌力を利用したデオドラント商品とか開発されたそうですね。
なんでも、加齢臭を抑える効果があるんだとか。




藍染めも、呼吸しながら発色するので、1週間ぐらいは畳んでおかないで風を通してあげないと、色がさめちゃうんですよね。




こんなのを浴衣の胸元に忍ばせておいて、さりげなく汗を拭く。
何とも小粋な風情じゃござんせんか?

藍染めも蚊避け蛇避けの効果があるんで、夏の必需品ではあるんですよね。
誰ですかねぇ、太い蛇は避けないで寄せて欲しいだなんてうそぶいてるのは?



気の早いたより

2008-07-05 20:24:14 | ノンジャンル


筆無精の僕は、いつも「残暑見舞い」をほんの数枚出すのがやっと。
それさえも、じつはできる限りしたくなかったり。
できれば口答の挨拶やメールで済ませてしまう。
えぇ、よくよく不義理な人間なんです。

なので、この歳になるまで、暑中見舞いっていつからいつの期間の間に出すものか良くわかっていなかった。
そりゃぁまぁね、立秋(8月8日頃)より後じゃぁ残暑見舞いになっちゃうぐらいのことは知ってる。




一度、何をとち狂ったのか早々と暑中見舞いを印刷したことがあったのだけれど、宛名書きが遅々として進まず、半分以上の暑中見舞いに「残」の文字を書き足して「残暑中見舞い」なんてタイトルで出したことがあった。
もうね、失礼千万も甚だしいよね。
そんな僕でも、笑って許してくれる人だけが現在の交友関係として残っている。
有り難いことです。


そんな風なので、つるんでどこかに呑みに行くというのでもない。
かといって疎遠というでもなく、中にはかれこれ30年以上にもなる付き合い?の友人なんかだっている。
で、僕自身は淡交を気取ってるつもりだったりなんかして、至極いい気なものなのだ。
まぁ、実際にはあきれられてるだけなんだと思う。


貧乏自慢なんてのならまだ聞いたこともあるけれど、筆無精自慢ってのはどうだろうねぇ?
兎に角、そんなこんなで、この頃はもっぱらWEB上での時候の挨拶だけにしている。
アクセス数もムダに増えないよう、こうしてつまらない話題をたまにアップするだけにして。
誠に地球に優しいのだ。>ホントか?






 この手紙が届くころには
 ここにいないかもしれない
 ひとところにじっとしてると
 よけいなことも心配で
 会いたくなるから

 昔にかりた本の中の
 いちばん気に入った言葉を
 おわりのところに書いておいた
 あなたも好きになるように

 遠く離れたこの街で
 あなたのことは知りたいけど
 思い出すと涙が出るから
 返事はいらない

 返事はいらない
 荒井由実





ところで、「暑中」に出すから、暑中見舞いなのね。
って、当たり前なんだろうけどさっき知ったアタシ。

>7月16日~立秋(8月8日頃)に出すのが「暑中お見舞い」。

暑中(しょちゅう)とは、一年で最も暑さが厳しいとされる時期のこと。暦の上では夏の土用(立秋の前日までの約18日間)を暑中という


じゃぁ、土用って何よ?
土用波とか夏以外にも土用はあるとか子どもの頃聞いたような気はするんだが、何せ上の空。
しゃぁないので調べてみる。

土用
立春、立夏、立秋、立冬、の前十八日間をいいこの期間中土を動かしたり、土木工事に着手する事、などは凶。但し春の土用は、巳・午・酉の日、夏の土用は卯辰・申の日、秋の土用は未・酉・亥の日冬の土用は寅・卯・巳の日は間日として障りない。

二十四節季とか六曜とか選日なんて言う、日本の暦から来てたんだねぇ。

日めくりに書いてあった仏滅ぐらいはわかるにしても、赤口ってなんだろうって子どもの頃からのギモンだったんだっけ。
婆さんに聞いたけど、良くわからずじまいだったのだ。

六曜の吉凶
赤口(しゃっこう)
陰陽道でいう凶日の一つ。正午だけが吉で、朝晩は凶。特に祝い事は大凶。

ふぅ~ん。

.....また、話がそれた。

そんなこんなで、よく手紙を出しそびれる。
数年前のちょっとした交通事故で、何となくペンが握りにくいのも原因の一つと言えば一つだけれど、やはり筆無精というパーソナリティー?に因るところが大きい。
A(^_^;




で、暑中見舞いのデザインは、思いっきり暑苦しい図柄にしてみるのもイイかも。
http://www.hairy-mail.com/
ここ、毛フェチの人なら結構遊べるかもねぇ~。




タイプの人に送るなら、素直でまっすぐなメッセージを。
直球勝負と言うよりは、デッドボールかも知れないが。




なんて~かね、脱毛ジェルを塗るときの音が、卑猥で良いのだ。
興が乗ってきたら、「豚野郎」とか「奴隷狗」なんてのも試してみるとイイ。
腹腔の奥底から湧き上がってくるドス黒い欲望が、きっと暑さなんか吹き飛ばしてくれるはず!


ここで、動画が見られます。
ってか、送られてきたメールのアドレスをクリックすると、こんなのが見られるわけ。
http://hairy-mail.com/?key=E3C0291EA31648E98CCFD67097980EF5

どうかしら?
屈辱脱毛系暑中見舞い。
貴男も試してみませんか?
毛深いのが好きな人にはタマラナイのでは?




とは言え、僕にはちょっと度が過ぎますわ。


というわけで、沖縄便りはもう少し後で。






 リンドウの花のように青い羽
 をつけたシルクハットをかぶったあの
 田舎の少年あのあかはら
 あのてぐすの糸あの浮きの
 あなたの耳飾りのような軽さ
 雑魚を柳の枝で目ざしにして
 ぶらさげてお客の方を見つめている
 にげた奴を夢みている
 この手紙はもうあなたへは出さない

 キャサリン
 西脇順三郎


Purple Rain

2008-07-03 15:27:47 | ノンジャンル


ここ数年、僕が好き勝手に花を植えている庭の、先月6月23日の様子です。
またもや週末は荒れ模様との、この頃の天気予報。
全くあてになりませんね。
朝方パラッと来ただけで、たまには雨に濡れた花を撮ろうと思ったんだけれど、すぐに日が射したりで。
植え付けなんかを手伝ってもらうにしても、予報通りの雨なんて期待できないので、とにかく散水のお願いだけはしっかりしておかないと.....。

前にも書いたかも知れないけど、天気予報で週末が雨になると予報される確率が、異常に高い。
A(^_^;
統計処理するまでもなく、異常な偏りぶりだと感じています。
事なかれ主義だか何だか知らないけれど、いい加減な予報をするくらいならナニも言わないで客観的データーだけ提供してくれた方がよっぽど親切なんじゃ?とか思う今日この頃です。
毎回のように「週末は雨」なんて言われて、空振り、いや「空降り」食らう方の身にもなって欲しいものです。
行楽地から営業妨害だって苦情が出ないのが不思議なくらい。


僕の場合、貧乏暇無し。
そんないい加減な天気予報で悠長にその日の予定なんか組んでられませんから、レーダーでの雲の様子を睨みながら、数時間単位での予測を立てて行動しています。
もちろん、天気図もね。

http://www.tenki.jp/
http://thunder.tepco.co.jp/

で、この花園は、4月21日から25日までの期間に植え付けたエリア。
すぐ後ろに自然を控えたこの庭の場合は、野生種の扱いはもとより園芸種の選定には特に細心の注意が必要になります。

なんて、七めんどくさい御託はもうやめにして、静かな花園散策と洒落こむことにしましょうか。




何だか天気とは裏腹に、出だしから荒れ模様の話題になってしまいましたね。
ってな訳で、気を取り直してBGMはもちろんドビュッシーの「雨の庭」にしたいところ。
あの曲の中で、「もう森には行かない Nous n’irons plus au bois....」と口ずさむけれど、黄昏前には森を覗いてから帰りたいと思いますわ。





こちらは、昨年植え付けたエリア。
今年も咲いてくれました。
モナルダやエリンジュームなんかは、ホントにイイ感じに殖えてくれて、これからの季節の花壇を長いこと賑わせてくれるでしょう。

そうそう、賑やかな花と言ったら、コイツを忘れちゃいけませんね。




オニゲシです。
去年植えたのがやっと咲いてくれました。
両手の平にやっと納まるぐらいの、巨大な花。
花壇では異彩を放っています。

もう少し、おとぎ話めいた雰囲気が漂うかなって期待してたんですが、メルヘンっぽく葉祥明風に決まるかなって思ったら、どちらかというとグリム童話風。
A(T_T;
ちょっと、コ・ワ・イ。




と、雨の合間に、せわしく食事に来たクジャクチョウ。
羽化したばかりでお腹がすいていたのかも。
去年の今頃の花壇と来たら、チョウと言えば真っ黒なジャノメチョウばっかり群れ飛んでて、やっと8月に入ってキアゲハやらツマグロヒョウモンやらが飛び始めたんだったけれど、今年はなかなか幸先が良い。
クロアゲハやキアゲハ、ウラギンヒョウモンなんかも飛び回っている。

不思議なのは、去年あたりまでは年に数頭しかお目にかかれなかったキバネツノトンボが、今年は随分とたくさん飛んでいるって事。
やっぱり、秋口にこの斜面の草を刈り取っても、そのまま残してもらうようにしたのが良かったのかも知れない。




一昨年までは、一面のサルビアとマリーゴールドってなトホホ花壇を綺麗に抜き取って、まっさらな裸地にして冬を迎えてたんだ。
それだと枯れ草に付いていた色んな虫の卵やらサナギ、幼虫なんかもオールクリアーされちゃうわけで、どうしても色とりどりのチョウチョが群れ飛ぶ庭にするのは難しかったんだよね。
だいいち、今時サルビアとマリーゴールドの花壇ってダサすぎだと思わないんかしらん?
ホント、ノンケってなに考えてるんだかって、時々あきれるわ。

キバネツノトンボの幼虫みたいに、肉食の昆虫が殖えるためには、エサになる虫が豊富になる必要がある。
キバネツノトンボだけ保護したり殖やしたりしようってな事考えても、旨くいかないんだよ。環境全体の多様性を高めて、生物相全体を豊かにしていかなければダメなんだよね。

これはまぁ、ホタルの里とかカワセミのくる街とかオオタカの保護とか、何かというとシンボル的に守ろうなんて運動が、本質的には見当違いな保護活動にずれ込んで行きやすかったりするのと変わるところがない。
極端な例が、かつてのトキの保護だよね。
野生生物ってのは、生息地と不即不離の存在だって事を忘れて籠に閉じこめた段階で、その生物は野生生物としての生命を絶ち切られてしまっている。

あぁ、話しがどんどんそれていく。
A(^_^;




そう。
ターシャ・テューダー(Tasha Tudor)が亡くなったのだった。
訃報というのは、いつも不意打ちのように耳に入ってくる。
向こうの森で、カッコウが春の終わりを告げている。
ディーリアスのあの曲を口ずさみながら、冥福を祈ろう。




実を言うとこの庭は、彼女へのオマージュだったのだ。
晩年の彼女が言っていた言葉。
「私も年をとったから、私の庭を少しずつ自然に返していこうと思っているの。」
彼女が愛したメドーガーデン(牧草地風の庭)というのは、そんな自然への架け橋なんだと思っている。




一口に自然に返すって言うけれど、わずか数種類の牧草しかなかった場所を野草が咲き乱れるオシャレなメドーガーデンにするのは、そんなに単純でもない。
綺麗なチョウも飛んでると良いな、なんてことになるともっと大変なのよ。




いったん野生の植物が滅ぼされてしまうと、それを利用して生きていた動物相も根こそぎいなくなっちゃうからねぇ。
草食性の昆虫だけでなく、それを捕まえて食べる虫や鳥たち捕食者も暮らせなくなる。
生き残っているのは、イネ科の牧草を利用するバッタ類と真っ黒なジャノメチョウぐらいだった。
ジャノメチョウって知ってる?
ちょっと見は、蛾みたいに陰気なデザインの蝶。

それどころか去年までは、野鳥の声さえ聞くことがなかったくらい、徹底的に偏ってしまっていたの。
それはもう、「沈黙の春」みたいで、ちょっと不気味ですらあったわいな。




いちばん良いのは、多様性に満ちた草地環境を整えておいて、自然に周辺からの野草の種が飛んできたりで環境回復していく状態。
けれど、その基本となる多様性を再生しようにも、チガヤやススキ、クズさえも残されていないくらいに破壊され帰化植物とやたら丈夫な牧草が覆いつくしている環境では、ほぼ不可能なのよね。




それに、花粉を運ぶ昆虫が居なくなったエリアに、ただ単に野草を移植しても、種子繁殖できないようでは野の花が咲き乱れる草原へとはなかなか進まない。
それを人の手でやるなんて、大変すぎるし、だいいちそんな金なんかありませんわ。
まずしなければいけないのは、昆虫相の豊かさを回復させること。




そんな訳で、ここで園芸種が活躍することになるのよね。
それも、原種が日本に存在しない、日本の野生種と交配したりしない種類の園芸種。
過剰な繁殖力で野生化しない、周辺の野生種を圧迫しない園芸種。
とりあえずの急場しのぎに、そんな園芸種が野生種の肩代わりをして、昆虫相をはじめとした動物相の多様性を回復する足がかりにするのよね。




たとえばこのレースフラワーは、キアゲハの幼虫を育てることができる。
けれど、この辺だったら、ハナウドなんて言うもっとゴージャスな野生種があるのよね。
そっちの方がずっと派手だし、第一タダなのだ。




だから、この華やかな花壇は、あくまでもかりそめの物なのだ。
この場所はやがて、美しい日本の野生植物たちの花々であふれかえる草地に帰る。
けれど、それはきっと、失われた楽園の追憶のような物にすぎないかも知れない。




小理屈を並べるのは、もうヤメにしようね。
A(^_^;





これ、今年のお気に入りなのだ。
まだあんまり栽培してるところが無くって、イッタイどんな生長のし方をするのか良くわからなかったんで、とりあえず実験的に種をまいてみたんだけど、なかなか素敵な花でしょ?



アンジェリアって言うのだ。
もともと、緑肥用に売られてる種なんで、結構安く手にはいる。
こんなだだっ広い斜面を華やがせるには、なかなか効果的。
だってさ、春先に種をばら播いておけば、今時分からこんなに綺麗に咲いてくれるんだわさ。
オヌヌメ。



それにしても、雨に濡れる花たちの何と神秘的なことか。




I never meant to cause you any sorrow.
I never meant to cause you any pain.
I only wanted to one time see you laughing.
I only wanted to see you laughing in the purple rain.

Purple rain, Purple rain
Purple rain, Purple rain
Purple rain, Purple rain

I only wanted to see you bathing in the purple rain.


Prince
Purple Rain