クリスマスの時期が近づく頃に花屋さんの店頭を賑わす花と言えば、やっぱりなんと言ってもポインセチアでしょ?
あのダークレッドの花って、日本のお正月を飾る一種晴れやかな金赤とは違った情念を感じさせる色彩だと思いませんか?
ベルベット状の重ったるくぶ厚い花びら(実は葉が変化した苞って呼ばれるところ)は、よ~く見るとなんとかローズとまではいかないまでも、なかなかセクシャルな色合いでもあるのよね。
実際、ポインセチアの花びらを傷つけると、白い乳液がジワァ~っと滲んでくるし。
花言葉も「私の心は燃えている」だって言うし、ついFFプレイを連想しちゃうんだよねぇ。
そんな良からぬ連想をしてしまうのも、クリスマスカラーの赤は、もともとが血の色の象徴なのだから無理もないというか......。
血の色と言っても、それはキリストのそれを指して居るのだけれどもね。
我ながら、不謹慎よねぇ......。
ついでに言うと、永遠を象徴する緑と純潔とかその辺のことを象徴する白、それに今あげた赤がメインのクリスマスカラーなんだってね。
もう2週間も前の話なんだけど、旅行に出掛ける前にクリスマスの飾りをすませておいたんですよ。
と言うのもね、この時期、ぼやっとしてると良い材料が無くなっちゃうからでもあるんだよね。
今さら言うのもなんだけど、もちろん「S字がキモチイイ!」って言っても、S字結腸に当たるから云々ってな話しの展開ではないのよね。
土台と花の部分のパーツをドッキングさせて、だいたいの形を整える。
まだ、一番上の花の向きが変だねぇ。
接続部分も足下が見えちゃうから、枝の向きを変えて調整する。
で、とりあえずウィンドーにおいて全体のバランスとか収まり具合を見る。
ここのショーウィンドーは、上からの光で賄わなくっちゃいけないから、花の向きなんかを微調整して要所要所に光がまわるように調整する。
てっぺんの花も、全体の流れを意識しながらそれぞれの向きや枝の長さを整えていく。
外から眺めてみると、またてっぺんの花の向きが変だねぇ。
このアレンジメントは、ホガースラインって言って全体が緩やかなS字型のカーブを描くスタイルなんだよね。
18世紀の英国人の画家「ウィリアム・ホガース=William Hogarth」って絵描きにちなんで着けられた呼び名なんだけど(まんまやないけ!)。
ん~、まだシッポの方も跳ね気味かなぁ.....。
搬入の時に曲がっちゃったんだね、直さなくっちゃだわ。
ってか、もうちっとスマートなラインにしたかったなぁ....ブツブツ。
ディスプレーの仕事って、この時期が一番大変なんだろうねぇ。
って言うのは、クリスマスの飾りはまぁ、1月ぐらい前から都合の付く日に飾れば良いんだろうけど、問題はお正月飾りへの切り替えなんだよね。
クリスマス空けに一斉に飾り換えなきゃいけないでしょ、日本の場合。
とはいえ、べつにこれだけで食ってるわけじゃないんで、僕の場合アレなんですがね。
ひどい所になると、25日に飾り替えろとか言うんだよ。
いくら無宗教とはいえ、耶蘇教の祭りの尻馬に乗って儲けておいて、一番大事な日にそのための飾りを外せと言うのはあんまりじゃないかと思うわけよ。
そゆこと言うお店の仕事なんか、絶対に受けないんですけどね。
えぇ、せめて26日にしなさいって。
それがヤなら、他の人に頼めってね。
A(^_^;
高飛車?
いえいえ、ケジメだと思うのよ。
これは、カウンターの花。
邪魔にならないデザインにしないとね。
これはドイツで流行った、立華の影響を受けたスタイルを応用してるのよ。
下の花の向きを、もうちょっとこっちに向けないといけないね。
こういうのって、置く場所の微妙な高さの違いとか、お客の動線や視線の流れなんかに合わせて調整していかないとねぇ。
あたふた....
ってな感じに、他の作業をチョコッと挟んでからもう一度さっきのを見てみると、またまた手直ししなくちゃいけないところが見えてくるんだよね。
最後に外を行き交う人からどう見えるかとか、店内を歩いたときの見え方の変化とか、そんなところに注意しながら微調整して出来上がり。
だいぶ気持ちの良いS字になったんじゃないかしらん?