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ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

会社法

2012年01月03日 10時51分08秒 | 商法
先日、取締役らの責任は、任務懈怠(客観面、主観面)と損失との間の因果関係であると書きました。


新株発行の場合に、有利発行をした場合、423条責任は認められるのかというのが問題点としてあります。


423条責任は、取締役らの会社に対する責任であって、会社に損失が発生していなければなりません。
しかし、新株の有利発行の場合は会社には金銭が入ってくるのみで会社は損失が発生していません。

問題となるのは、株価が下落し、株主間の不公平が生じるのみです。
そのため、引き受けた株主は212条の差額払込責任が生じることになります。

さて、この場合213条は取締役らの責任を認めていますが、213条は現物出資の場合の取締役らの責任であり、有利発行の場合の責任ではありません。

そのため、423条1項ではなく429条1項による責任になるのだと思います。

しかし、429条1項は会社への支払い義務ではなく、第三者責任、すなわち株主らに対する責任ですが、個々の株主への損害賠償をまとめて会社に支払う責任になるのでしょうか?
各株主に対する責任なので、通常共同訴訟となり、株主らは個別に責任追及するという不都合性があるのでしょうか?

ちょっとこのあたりはわかりません。


とにかく、新株発行の際の有利発行は、取締役らは責任を負うのは緩やかになりそうです。

名目的取締役

2012年01月01日 23時49分55秒 | 商法
会社法で名目的取締役の責任追及問題があります。

これは、名目的取締役にも各取締役の監視義務は存在するのであるから、監視義務違反があり、任務懈怠が認められるというのは有名な話です。


しかし、会社法423条1項、429条1項の取締役らの責任は、客観的任務懈怠、主観的任務懈怠と損失に対して、因果関係が必要です。

そうすると、他の取締役らが不適当な経営を行って会社に損害が生じた場合、名目的取締役の当該義務違反によって損害が生じたといえるが、すなわち、因果関係が認められるかという問題が生じする。

他の取締役らが多数決から強行突破して会社に損害が生じた場合には、名目的取締役らが監視義務を果たしていなかったことによる会社への損失には、因果関係が認められないということも考えられます。


よって、名目的取締役だから、任務懈怠があり、損失があるから会社に対する責任、第三者に対する責任が認められるとするのは、論理の飛躍があるといえよう。

因果関係もきちんと考察する必要があると思います。

平成23年度予備試験論文再現(商法)

2011年11月12日 10時02分04秒 | 商法
第1 設問1について
1 会社法368条1項は取締役会を開催する場合は、各取締役に招集通知をすることを要求しているが、本件ではこれを欠いている。この場合の取締役会の効力はどうなるか。
2 368条1項が取締役に招集を要求したのは、会社の所有と経営の制度的分離が規定され(331条2項等)、経営の専門家である取締役に経営権を付与し、その能力を発揮してもらうためにある。そして、取締役会は会社の重要な事項についての決議を行う場であり、出席の機会を確保し、検討、討論することを期待されている。
  よって、原則として招集通知を欠いた場合には無効というべきである。
  もっとも、招集通知があっても決議に影響のないという特段の事情がある場合には、決議は有効と考える。
3 本件においてBに対して招集通知を欠いている。
  しかし、本件取締役会のおける議題は、譲渡制限株式のX社に対する株式の譲渡に関する決議である。とすると、Bは譲渡人であり特別利害関係人であることから、議決に加わることはできない(369条2項)。これはBへの招集通知があったとしても決議に影響が無いという特段の事情に当たる。
  よって、本件取締役会の決議の効力は有効である。

第2 設問2について
1 X社は、自己が株主であるとして招集通知が来なかったのであり、Y社の株主総会決議の取消の訴え(831条1項1号)をして効力を争うことができるか。
2 X社はY社の株主であるというためには、株主名簿に記載されていなければならない(130条1項)が、X社は名義書換がされていない。
  しかし、株主名簿は会社に対する事務処理の円滑化を図ることから規定されているのであり、会社が不当拒絶等により拒絶している場合には会社を保護する必要はなく、株主名簿に記載されていなくても株主として権利主張をすることができると考える。
3 Y社は非公開会社であり、株式の全部が譲渡承認株式である(2条5号参照)。X社は譲り受けた株式が譲渡制限株式であることから、Y社に対して137条1項による株式取得者からの譲渡承認請求をY社に対して行っているにも関わらず、承認の通知がなされていない。
  145条1号は2週間以内に139条2項の通知をしなければならないが、請求をした3月15日から1ヵ月半以上も経過した5月2日に承認拒絶の通知をしている。X社は145条柱書但書のY社や他の人の買取請求をしていないため、145条柱書本文から承認の決定をしたものとみなすとなっており、X社が株主であることになる。
  にもかかわらず、株主名簿の書換を拒絶したことは、不当拒絶に当たり、Y社の主張は認められず、X社が株主である。
  そして、X社に対する招集通知を欠いたのであるから、X社は当該株主総会の決議に関し、その効力を争うことができる。

第3 設問3について
1 X社が譲渡代金の返還をBから受けて応じた場合、Aの自己株主になるとも考えられるが、145条柱書本文は株主とみなすと規定されており、X社が株主であるといえるのではないか。
2 145条柱書が規定したのは、本来株式は自由な譲渡がなされるはずなのに(128条)、譲渡制限株式を規定しているのであり、譲受人を保護すべく規定している趣旨と考える。
  とすると、保護されるべき株式譲受人がその権利、地位を放棄した場合には、145条柱書を適用して保護すべき必要性はない。
3 本件において、X社はBに株式売却代金の返還を受け、株主の権利、地位を放棄したのであれば、145条の適用はなく、X社は株主ではなくなる以上、本件株主総会決議の効力を争うことはできない。

以上



自己評価 B
評価 B


感想
設問1、2は題意に沿えた回答だと思います。
条文も丁寧にあげているし、145条柱書但書もあげられました。
設問3は、X社がBからの提案に応じたものだと考えました。問題の事案には、Aからの提案に応じようと考えたが、X社から拒絶されたため、Aの提案に応ずることができなかったとあり、Aの提案に応じるためには、X社は拒絶せず、譲渡代金の返還に応じたと考えられるからです。
しかし、設問3にはそのような記載はないことから、二重譲渡の場合を想定すべき、すなわち、X社が拒絶した場合を場合を分けしなければいけなかったのでしょう。

実質設問3は0点なのかも。

解いた時間は50分ぐらいです。

会社法

2011年11月03日 17時36分16秒 | 商法
会社法において株式は会社の価値を細分化した割合的単位ということです。
そして、この株式を発行し、取得することは会社財産の増加と会社経営への間接的な参加といえますが、それは株式を発行した直後の話といえるでしょう。

すなわち、株式を発行し、それを取得した者から出資をしてもらう(無償割当でない場合)と会社にはそれ以降財産は入って来ず、あとは株式の取引のみになります。


そうすると、株式の取引は会社とは関係のないところでの売買であり、会社法とは本来関係のないことになると思います(株主名簿や権利行使の場合は別にして売買そのもの)。

この株式売買は確かに財産処分の一貫として自由取引が原則でしょう。
しかし、物の売買に関して、物を買い、それを転売するのは商売人に当たり、業者としての法に服します。

なのに、個人デイトレーダーのような人は、会社としての経営に間接的に参加するのが目的ではなく、ただの転売目的のためだけに購入しています。

私が知らないだけかもしれませんが、この人たちは事業者としての扱いとして企業税などの対象になっているのでしょうか?

なっていないとしたら、転売目的の物の売買との違いは?
個人投資家といいながら、一企業としての課税の対象外?


言いたいことはもっと株式売買を規制してもいいんじゃないか?ということ。
税金をもっとかける、取得後一定期間は売れない、売る場合は税金の加重対象にする、とか。

基本的に株式売買は、生産性がないし、ギャンブル性も高いので、もっと縮小すべき分野だと思います。

取締役会

2011年07月10日 12時49分11秒 | 商法
代表取締役の行為

権限濫用の場合、
代表取締役としての外観と自己のためにするというのがズレているため、民法93条類推で、相手方の悪意、重過失を立証しないと無効主張できない。
権限の範囲内であり、本来取締役としては行使しうるから、取引の安全保護重要。



取締役会決議を欠く場合、
本来代表取締役としての権限行使ができないから、表見代理と同じく(判例は言っていない)、相手方が決議を経ていないことを知りまたは知り得たときは無効。
権限の範囲外であるが、相手方は通常知り得ないため、取引の安全保護重要。


利益相反取引で承認欠く場合、
取引は無効だが、第三者が悪意、重過失であることを会社が立証しないと無効主張できない。
利益相反取引規制は会社の利益保護のため、相手方からの無効主張はできない。


競業取引で承認欠くの場合、
効力は有効で、違法な競業取引として取締役に損害賠償請求する。

定款変更

2011年06月24日 08時53分09秒 | 商法
譲渡制限の定款変更の特殊決議

議決権を有する株主の頭数の半数以上で、かつ当該株主の3分の2以上の賛成が必要。


つまり、発行株式数が1000株で、株主が10人いた場合で、1人が991株、残りが1株ずつ持っている場合、991株持つ株主が参加しても定足数は満たさない。


過半数ではなく、半数以上なので、5人以上いないと定足数を満たさないことになる。

その場合なら991株持っている株主の意思で定款変更の決議が決まる。

商法短答復習

2010年11月20日 17時33分03秒 | 商法
先ほどやった辰巳の商法短答模試、正答率50%以上も同じく40点中20点しかなかった。

問題自体が難しすぎですね。

新司対策の使いまわしだから、新司受験生の平均点でも多分20点無いと思います。

自分も20点しか無かったがちょっと安心。

しかし、解説読んでも細かいから中々進めないなぁ。

議決権の不統一行使は、他人のために株式を有する場合でなければ会社側から拒めるのは、条文の趣旨に絡むので重要です。

内部統制システム構築

2009年11月17日 23時21分49秒 | 商法
会社法の内部統制システム構築義務については、善管注意義務の一つとして位置付けられる。

よって、内部統制システムを適切に構築し、適切な運用をしていないと善管注意義務違反として任務懈怠となる。


すなわち、
①内部統制システムを適切に構築し、
②そのシステムが適切に運用され、機能されている場合
ならば、善管注意義務違反にならないのである。



難しいのは大会社の場合。

大規模組織においては、下部組織が経営陣に求める決裁について、意思決定権者が自ら新たに情報を収集、分析し、その内容をはじめから検討し直すことは現実的ではなく、下部組織が行った情報収集、分析、検討を基礎として意思決定権者が判断を行うことが許されるべきである。

これを踏まえると、当該状況に置かれた取締役がこれに依拠して意思決定を行うことに当然に躊躇を覚えるような不備、不足があったという特段の事情がない限り、各部署において期待された水準の情報収集、分析、検討が誠実になされたとの前提に立って取締役らの意思決定をすることが許されるというべきである。



すなわち、大会社において取締役らは、適切な配置、組織形成がなされているならば、特段の事情がない限り下部組織の情報収集、分析、検討が誠実になされたとの前提に立って、取締役らの知識、経験等に従い判断しても内部統制システムの適切な運用がなされ、機能しているとして善管注意義務に違反しないというべきである。

商法第4回

2009年11月15日 20時26分20秒 | 商法
先日、ふとセブンイレブンのデザートコーナーを見たら、豆腐屋の波乗りジョニーを使用した豆腐プリンと豆腐チーズケーキの販売のポップがあったが、チーズケーキは売り切れだったので、豆腐プリンを購入。



さっそく食べると…

そのまま、豆腐じゃないかぃ。醤油をかけた方が美味いんじゃないの????
何もかかってないし…。

チーズケーキはどうなんだろう…。



そして、昨日は、的場浩二プレゼンツのミルクたっぷりプリンを購入。
こちらは美味しかったです。

女神のマルシェ



日曜答練商法第4回をやりました。

ちょっと問題文が短すぎる気がしましたが、内容は充分でした。


知っている問題でもきちんと書くのは難しいというのがよく分かりました。



会社を放漫経営している場合、善管注意義務違反として任務懈怠があると考えられますが、以前ここに書いた内部統制構築義務違反としても構成できそうなんですが、どうなんだろう??



やっと論文基本問題集120選の民訴法が終了。
日曜答練の前にちょうど終わることができてよかった。


論文基本問題集はあとは刑法と憲法を残すのみ。

かなりいい問題集だと思います。