goo blog サービス終了のお知らせ 

ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

差止

2012年09月22日 23時43分36秒 | 商法
今年の商法の問題にも新株発行の差止がありました。


この辺りは比較すると難しい問題になりそうです。


新株発行差止における著しく不公正な方法(210条2号)

新株予約権差止における著しく不公正な方法(247条2号)

これらに認定の違いがあるか、あるとすればいかなる理由か。

以下ロープラクティスの話がありますので、これからやる方にはネタバレの危険がありますので、改行します。

























ロープラクティス商法には、どちらも主要目的ルールで判断できる、
新株予約権は株主共同の利益を害する場合の必要性と相当性の検討
などがありますが、違いの明示は記載していませんでした。



新株発行は発行すればすぐに株主になるが、新株予約権は行使がなければ株主になることはありません。

とすると新株予約権の行使の時に差止すべきとも考えられます。

しかし、行使の時の差止は規定がありませんし、類推するとしても株主ごとにバラバラにされるため、その際に情報を仕入れ差止をすることは困難であるから、事前の新株予約権発行時に差止を認めるべき必要性が高いことから、差は無いと考えるべき。

会社法判例

2012年09月21日 00時06分58秒 | 商法
会社法判例百選を103判例、きちんと読み込みました。


他にも会社法の演習本と重要判例集が必要だと思いました。
事例で考える会社法 (法学教室ライブラリィ)

平成23年度重要判例解説 (ジュリスト臨時増刊)


ロープラクティス会社法をやっていますが、結構難しい問題もありますね。
以下ロープラクティスの話がありますので、これからやる方にはネタバレの危険がありますので、改行します。


























譲渡制限株式の場合、譲渡承認を会社に対してするが、譲渡でなく取得した者もこの承認は必要か。

株式交換無効の訴えを名義書換をしていない株主はできるか。


このように本試験で出てもおかしくなさそうな問題点もあります。

きちんと今月中に潰します。

取締役の第三者責任

2012年09月18日 10時11分11秒 | 商法
取締役の第三者責任の問題で、第三者の範囲はどこまで及ぶか。


名古屋高裁判例の事案(昭和57年7月1日)
YはA社の代表取締役であり、虚偽記載した計算書類を公告した。
四季報を閲読し営業成績を調査したXは、A社が振り出した手形をA社に確認し、割引によって取得した。

XはA社に手形支払いのために手形を呈示したが拒絶され、A社は破産した。

XはYに第三者責任に基づく損害賠償請求した。



判旨
Xは四季報を閲読したにすぎず、A社と直接取引関係に入った者でないことはもちろん、公開市場の株式、社債の取得者でもなく、保護の範囲外である。




これは、虚偽記載という任務懈怠と損害の相当因果関係がないという意味でしょうね。


第三者は会社と取締役以外であれば第三者に当たる。

しかし、無限定に拡大することは妥当ではない。

任務懈怠と損害との間に相当因果関係がなければならない。

よってXの請求は認められない。

ということでしょう。

株主優待制度

2012年09月17日 18時04分00秒 | 商法
株主優待制度は、株主平等原則違反の問題と、株主の権利行使に関して導入した場合には、株主の権利行使に関する利益供与という2つの問題が有り得るようです。


株主優待制度は、
株式の内容に応じた比例的取扱がどこまで緩和されるか、社会的相当性を逸脱しない限り適法なものとなるという、株主平等原則の問題と、
会社財産の流出を防止する利益供与禁止の原則の問題とがあることになります。

さらには現物配当としての性格を有するなら、剰余金配当規制(454条1項1号、4項)も問題となりえます。

株主代表訴訟

2012年09月17日 16時47分56秒 | 商法
株主代表訴訟の対象となる取締役の責任の範囲についての判例を間違って覚えていました。


全債務説
取締役が会社に対して負担する一切の債務

限定説
取締役の地位に基づく責任


判例
いずれでもなく、
取締役の地位に基づく責任

取締役の会社に対する取引債務についての責任
のみが対象となる
(平成21年3月10日)

判例に従うとこれ以外の責任は追及できないことになります。

会社法判例百選

2012年09月16日 17時53分31秒 | 商法
会社法判例百選を潰しています。

ようやく半分まで終了しました。

今までやっていなかった判例も多々あるので、相当きついですね。
ただ、うるおぼえだったり知らなかったりする判例もいくつかありました。


正確で地道な努力は力になると信じて全部検討します。



取締役選任の訴えの利益の事案と計算書類の訴えの利益の事案では、結論が異なるが、筋道は同じ。

法人格否認

2012年09月15日 00時27分39秒 | 商法
法人格否認の法理で、形骸化事例と濫用事例があることは有名です。

ある事例について、両方に当て嵌まりそうな場合はどちらを書くのだろう?

形骸化もしているし、濫用目的もある、という場合。


両方書くと時間が掛かるから、支配要件と目的要件が両方必要かつ、当て嵌め易い濫用目的を書いた方が無難でしょうか。


それと、別会社を設立して事業譲渡をしたような場合は、形骸化事例に当たるのか?

形骸化は通常、会社即個人、個人即会社とか、会社財産と個人財産の区分とかで判断しますが、別会社を隠れみのみたいにする場合も形骸化事例と言っても良いのでしょうか?


元々、形式的独立性を貫くと正義衡平に反するから法人格否認の法理を認めたことから、別会社の場合も形骸化と言っても良いかもしれません。


ただ、このような場合は、前述の濫用事例にも当たりそうなので、濫用事例のみを書くのが良い気がします。

会社法判例

2012年09月14日 06時32分34秒 | 商法
相続による株式の共有

共同相続人は、権利行使をする者を一人決め、通知しなければ権利行使不可(106条本文)
通知ないと、特段の事情がない限り、原告適格ない。

特段の事情は、対象株式が発行済株式の全部+共同相続人の一人を取締役に選任する旨の決議に対する取消訴訟の場合など。



準共有関係にある株式の権利行使の指定方法

持分価格に従い、過半数で可(民法252条本文の管理行為と捉える)。
106条本文の趣旨は、会社の事務処理の便宜を考慮して規定したのであり、会社の運営に支障を来すおそれがあることは、趣旨を没却する。


共益権の相続による承継

一身専属的権利か?

自益権は社員自身の経済的利益のために与えられ、その利益のために行使すべき権利。

共益権も自益権の価値を保障するために認められたもの

共益権も自益権と密接不可分の関係において全体として社員の法律上の地位としての持分に包含される。
↓よって
持分の移転が可能である以上、共益権も移転する。

譲渡した場合の共益権はどうなるか?
会社解散請求権等の権利は取得できる。
しかし、原告たる地位は承継しない。
∵譲渡人が請求権を行使しているならば、瑕疵を是正する途がある。

相続した場合の原告の地位は?
会社解散請求権等の権利+訴訟上の地位も承継
∵法律上の地位を承継する+前主がおらず、瑕疵などの是正のための諸権利を実現不可。

会社法

2012年09月13日 23時58分23秒 | 商法
判例が弱いと前から感じていたため、判例の勉強を始めました。


まずは、会社法判例百選をきちんと潰すことから始めました。

判例を潰しながら、ロープラクティス商法、リークエ会社法も潰します。
9月中に終わらせます。


次は、民訴法、民法、憲法、刑法、刑訴法と続きます。

行政法はケースブックで潰します。

これを今年いっぱい続けながら、過去問と事例研究憲法、事例研究刑事法1、ロースクール会社法を潰します。

これをまずは12月末までの目標です。


来週あたり成績表が届くと思いますので、再現答案の復習も兼ねて敗因分析をやります。

悔しい思いはもうしたくないので、全てを勉強に注ぎます。

新株予約権

2012年04月11日 23時33分59秒 | 商法
新株予約権に譲渡制限を付けることができます(236条1項6号)。

この場合、定款の定めは不要で新株予約権の内容となるだけです。

そして、新株予約権者が他人に譲渡しようとする場合、会社に譲渡承認請求を行います(262条263条1項)。

しかし、会社は承認しないこともできます。

この点が譲渡制限株式の承認請求と異なります。

すなわちこれは、譲渡禁止とすることと同じになります。


これは、新株予約権はそもそも資金調達目的ではなく、特定人に取得させる目的が強く、投下資本回収の要請が強くないことが理由となります。

取得条項付種類株式

2012年02月03日 01時01分21秒 | 商法
取得条項付種類株式と全部取得条項付種類株式は似ているようで異なります。

前者は108条1項6号、後者は108条1項7号に規定されています。


前者は、一定条件ですので、株主総会の特別決議の関与ができないため、定款変更は厳しく、全員の同意が必要です(111条1項)。

後者は、取得時に株主総会の特別決議が必要となりますので(309条2項3号、171条1項)、定款変更も株主総会特別決議で(466条、309条2項11号)でできます。

第三者損害

2012年02月02日 23時48分47秒 | 商法
会社法の役員の第三者損害賠償責任は、429条で規定されています。

この場合、350条により会社も第三者に対して責任を負うことになります。


350条は、代表者が職務を行うについて不法行為責任を負う場合に、会社も負うことを規定し、代表者の財産喪失の危険から保護する趣旨なんだと思います。

※リーガルクエスト、条文・判例本商法にも記載ないが。

耐震偽装

2012年02月02日 23時26分36秒 | 商法
数年前に世間的に大問題になった、姉歯建設事件の耐震偽装問題は全部建て直し、建て壊しをしたのでしょうかね?

去年の大震災の時に都内は震度5強でしたが、倒壊したというのは聞きませんでした。

あの事件は神奈川県のみだったんでしょうか。


もし耐震に問題があったなら、どれか倒壊していても不思議じゃないので、結構厳格に造られているんでしょうか。




ロースクール会社法にこの事件に似た問題がありましたので思い出しました。

会社法の募集株式発行

2012年01月22日 12時54分40秒 | 商法
公開会社における新株募集株式発行で、有利発行の場合、株主総会の特別決議が必要になります。


有利発行でなければ、取締役会決議により決定が可能であるので、株主の差止請求(210条)の機会付与のために、通知又は公告が必要になりますが(201条3項、4項)、有利発行の場合には、取締役会の決議ができず(201条1項、199条3項)、株主総会の特別決議が必要になります(199条2項、309条)ので、株主総会のための通知によって、これを知らせることができます。

そのため、有利発行の場合は、通知、公告が不要になります。

しかし、株主総会の特別決議をしなかった場合には、株主らは差止の機会が与えられなかったことになりますが、判例は、この場合にも新株発行の無効原因にはならないとしています(昭和46年7月16日)。



しかし、これには下記のように矛盾が生じていないのでしょうか?

差止事由があり、新株発行の公示を欠いた場合は、無効原因になる(平成9年1月28日)。
新株発行の有利発行で、株主総会の特別決議を欠いた場合は、無効原因にならない(昭和46年7月16日)。



後者の場合も差止請求をする機会がないことになるのではないのでしょうか。

有利発行の場合は、通知、公告が不要となります。

とすると、株主らは差止の機会を知りえなかったことになり、株主総会の特別決議を欠いたのに、有効になるのはこれいかに??

判例百選にも特に記載がなかったので、勘違いなんだろうか???