ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

会社法の募集株式発行

2012年01月22日 12時54分40秒 | 商法
公開会社における新株募集株式発行で、有利発行の場合、株主総会の特別決議が必要になります。


有利発行でなければ、取締役会決議により決定が可能であるので、株主の差止請求(210条)の機会付与のために、通知又は公告が必要になりますが(201条3項、4項)、有利発行の場合には、取締役会の決議ができず(201条1項、199条3項)、株主総会の特別決議が必要になります(199条2項、309条)ので、株主総会のための通知によって、これを知らせることができます。

そのため、有利発行の場合は、通知、公告が不要になります。

しかし、株主総会の特別決議をしなかった場合には、株主らは差止の機会が与えられなかったことになりますが、判例は、この場合にも新株発行の無効原因にはならないとしています(昭和46年7月16日)。



しかし、これには下記のように矛盾が生じていないのでしょうか?

差止事由があり、新株発行の公示を欠いた場合は、無効原因になる(平成9年1月28日)。
新株発行の有利発行で、株主総会の特別決議を欠いた場合は、無効原因にならない(昭和46年7月16日)。



後者の場合も差止請求をする機会がないことになるのではないのでしょうか。

有利発行の場合は、通知、公告が不要となります。

とすると、株主らは差止の機会を知りえなかったことになり、株主総会の特別決議を欠いたのに、有効になるのはこれいかに??

判例百選にも特に記載がなかったので、勘違いなんだろうか???
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