九品人の落書帖

写真をまじえ、身の回りで見聞きしたことを、つれづれなるままに!

二百十日とビール

2022年09月01日 | 日記

 きょう(9月1日)カレンダーを見ると『二百十日』。

 立春から数えて、二百十日目に当たる。

 この前後になると、大風が吹く厄日とされるのは、江戸時代から。

 歳時記(平凡社)を引くと、

  帆襖や 二百二十日の 沖っ凪

 小百姓の あはれ灯して 厄日かな

                    

 それはさておき、二百二十日とくれば、夏目漱石の『二百十日』を想いうかべる。

 漱石が五高(熊本)の教師をしていた時、

 空模様のあやしい阿蘇山へ、友人と登山した物語りが筋である。

 登山前夜の栃木温泉で宿をとったとき、

 「ビールはござりませんが、恵比寿ならございます」という、

 宿のお手伝いのセリフが出てくる。

                    

 漱石が阿蘇山へ登ったのは、明治32年ごろ。

 一方、恵比寿ビールを日本麦酒醸造会社が東京の恵比寿で始めたのは、明治23頃。

【エビスビール】

 恵比寿は山手線の恵比寿駅が由来だそうで、当時は貨物の専用駅だった。

 駅名が、そのままビールの商品名になった珍しいケースでもあった。

                    

 当時の物流を想像すると、ビールは意外と早く全国まで広がったもの。

 東京で造られたビールが、熊本の地方の旅館でも飲めたのであった。

 そんなこんなで、きょうの晩酌は恵比寿ビールに決めた。

 

コメント (2)
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