九品人の落書帖

写真をまじえ、身の回りで見聞きしたことを、つれづれなるままに!

石原慎太郎氏 逝く

2022年02月02日 | 書籍

 石原慎太郎氏の訃報を聞いた。

 ふと、私の書棚に石原氏の著作物があるのを思い出し、手にしてみた。

 ソニーの森田昭夫氏との共著“「NО」と言える日本”と、

 石原慎太郎著“天才”の二冊である。

 “「NО」と言える日本”は新しい日米関係の方策を論じる内容。

 石原氏の「日本はアメリカの恫喝に屈するな」から引く。

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 当時、アメリカとの半導体摩擦をめぐる問題で、日米間は揉めに揉めた。

 アメリカ議会での日本叩きは、議員にとっては票につながるから激しい。

 ニュース映像では、ハンマーで日本製ラジカセを叩き壊す議員の姿も流れたりした。

               ■

 ときの中曽根総理は、「ロン・ヤス」などと言い、

 レーガン大統領との親密な関係を演じてみせていたが、

 実際は、レーガンに対して「NО」の言えない「イエスマン」でもあったようだ。

 石原氏がレーガンの秘書官に逢った時「中曽根は君の親分に『NО』と言ったことがあるか」と

 尋ねたことがあった。

 彼は、ニヤニヤ笑うばかりで「彼は非常にいい人だ」とだけ答えた。

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 中曽根は、日本の半導体が優位に立っていて、アメリカはヒステリックに恐れている。

 そのことを知りながら、アメリカの要求に「NО」と言えなかったのである。

 これを契機に東芝やソニーなど日本の半導体メーカーは、衰退していくことになる。

 今日の世界的な半導体サプライ・チェーン問題を見るとき、中曽根は罪深い。

               ■

 中国のファーウェーに対する、アメリカの制裁を見るとき、

 あの時の半導体摩擦での日本叩きと、軌を一にする問題の様にも思える。

 流石は中国である。

 アメリカの恫喝とも言える、ファーウェーへの制裁について、

 彼らは、堂々と渡り合っている。

               ■

 以下、つづく。

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