九州で研修会があったので、往復の新幹線の中で一気読みしました。(仕事はリタイアしたので出張ではないのですが、自己研鑽のための参加です)
著者の星野博美さんの本を初めて読んだのは、もう20年近く前でしょうか『転がる香港に苔は生えない』でした。それ以来、彼女の本は、写真集は除いて全て読んでいます。この本、著者の本領発揮の力作です。大佛次郎賞を受賞し . . . 本文を読む
この本が出版されたのはもう20年以上前だと思う。10数年前に古本屋で買って読みました。小説家である萬月さんが、日本各地をオートバイを走らせ、シュラフで野宿しながら、旅した若き日の記録です。
そういう小生も、20代後半から10年くらい「単車乗り」でしたよ。最初は「ホンダMTX250」に乗ってました。次は少し軟弱になって「YAMAHAセロー225」 . . . 本文を読む
著名な戦場カメラマンの石川文洋さんが、北海道稚内からふるさと沖縄までを5ケ月かけて徒歩で歩いた記録です。初めて読んだのは、2004年の出版時です。その後2018年に再読しました(これです)。そして今回3回目の通読でした。
岩波新書ですが、石川文洋さんが歩きながら忘備録的にメモしたものが母体なんでしょうから、短い簡潔な文章の連続で、大変読みやすい本です。も . . . 本文を読む
先日、所用で富山市に行った際、JR富山駅で大規模な古本市をしていました。最近では珍しいよね、古本市って。しかも駅のコンコースのど真ん中の超一等地で。出品されている本も、良質なものが多かったですねえ。これ富山の伝統なのかな
以前、金沢駅の地下広場でも、古本市をしていたこともあったように記憶しています。また、主計町で「ひと箱古本市」が定期開催されて . . . 本文を読む
生活保護って、たいていの人は「自分とは関係のない話」と思っているかもしれないですね。
でも、意外に身近なところに生活保護受給者はいます。僕も知人に何人もいます。別に本人がその旨を公言してるわけじゃないから、知られていないだけですよね。
そういう僕だって、これからいつ当事者になるかもわかわないです。この本は、「支援」と言う観点だけでなく、「私 . . . 本文を読む
佐和隆光は、80年代に、一般向けの経済書がベストセラーになりましたよね。僕も岩波新書の『経済学とは何だろうか』を当時読みました。
5月3日の横浜に行く新幹線の中でこの『経済学への道』を読みました。(何で横浜かはこちら)この本、佐和の自伝ですね。経済学研究者としての歩みなんですが、同時に、戦後民主主義の時代を生きた(佐和は1942年生れ)一人の日本人のあゆみでもあります。
. . . 本文を読む
不知火海の漁師であった緒方さんの著した本です。「チッソは私であった」という意味は、直接本を読んでいただいて、各々の理解・解釈をしていただければいいと思います。
水俣病裁判は、人間とは、社会とは、自然とは、罪とは・・という根源的な問いかけであったはずが、いつのまにか「損賠賠償請求事件」になってしまった。
チッソと言う会社の恩恵 . . . 本文を読む
この新書、10年前くらいに一度読んだのですが、思うとことがあり、また書棚から取り出して再読した次第。陳腐なタイトルの本ですが、もちろん大林宣彦監督が、「今時の若者はけしからん」なんて本を出すわけないことは、誰もがわかっていますよね。
監督が、ある外国の本を読んだ時のことです。(たぶん日本語訳で)。ある国のある町で、若者のグループがバスの座席を我が物顔で座席を占 . . . 本文を読む
堀田善衛といっても、若い人には余りなじみがないと思うけど、70年代から80年代に学生時代を過ごした人には、懐かしい名前の作家と思う。
この本は、その堀田善衛についての元東京都議会議員だった木村陽治さんの論評集です。堀田善衛って「行動する作家」だったんですね。紀行文もたくさん著しているけど、「紀行文」と言うカテゴリーには収まらない、思索にあふれていますよね。串田 . . . 本文を読む
以前何かの本で、文章を書く時の心構えとして「知識を書かない」云々と言っている人がいることを知った。「うん、確かにそうだな」とその時思った。
ぜひともその現物を読んで見たいと思って、いろいろネットで探したら、意外に早く見つかった。
福井出身の詩人である荒川洋治の『夜のある町で』と言うエッセイ集に収められている文章であるとのこと。早速、取り寄せてみた。これが電 . . . 本文を読む
新聞記者である著者による、台湾の政治・社会状況のルポルタージュです。市民目線で今の台湾を多角的に浮き彫りにしています。
香港がご承知のように強権的に「大陸化」させられている状況は、台湾の人々は「明日は我が身」とリアルに受け止めてはいるが、決して悲観はしていない。なぜなら台湾は、成熟した市民社会があるから。
「“独立&rdqu . . . 本文を読む
音楽家で文筆家でもある寺尾沙穂の『彗星の孤独』を、通勤のバスの中で読みました。
彼女、今年6月に21世紀美術館のシアター21でライブしてましたよね、僕らも行きました。唯一無似の個性の際立つ詞と旋律、独特の空気感の歌とピアノに引き込まれました。
それでこの本を読んだ次第。なんとなくとっつきにくそうなキャラクターの人かなと思って . . . 本文を読む
防衛大学を卒業し、いったんは任官したものの辞め、記者になったという女性の書いたリアルな本です。防衛大学って訓練をしていると誤解されやすいが、一般大学同様に学業が中心。
しかし寮生活含め日常生活は完全に上位下達の組織で、「なぜ?」「どうして?」と考えないように徹底的に訓練されるとのこと。まあ自衛隊なんだから仕方ないよね。
著者 . . . 本文を読む
以前、早川義夫の『たましいのの場所』〈これです〉と言う本を読んでいて、ぴたりとページをめくる手が止まった。そこにはこう書いてあった。
じっくり、本を読みたいと思う、一気に読み通して、2、3日寝込んでしまうような本を読みたいと思う。李恢成の『伽倻子のために』がそうだった、最近では、島尾敏雄の『死の棘』がそうであった。後味が悪くて、読まなければよか . . . 本文を読む
早川義夫と言えば、名曲『サルビアの花』で、というか「のみで」というか・・知られていますが、数年前に早川氏の『僕は本屋のおじさん』を呼んで一層ファンになりました。
この本『たましいの場所』は、富山市総曲輪の古本屋で買いました。本の内容は全く知らず、早川義夫著と言うことで買ったのでした。
最初は寝っ転がって読んでいたのですが、「むむ これ . . . 本文を読む