幸彩学習塾 オフィシャルブログ

埼玉県久喜市にある幸彩学習塾のオフィシャルブログです。
日々の塾での出来事を綴ります。

AIの可能性と人の可能性

2016年11月30日 23時25分59秒 | 日記・エッセイ・コラム
少し前のことになりますが、去る11/23(水・祝)に、東京の大手町の読売ホールで開かれた「読売グローバル教育フォーラム」に行ってきました。今回は「人工知能が仕事を奪う?~子ども達が中高時代に身に付けるべき力とは~」というタイトルで、保護者会でも取り上げたテーマそのままでしたので、興味を持って聞かせていただきました。



当日は、ロボットで東大を目指す研究をしている国立情報学研究所・社会共有知研究センター長の新井紀子先生、開成中学・高等学校校長の柳沢幸雄先生の基調講演とパネルディスカッションが行なわれました。お二人の講演共に、数々の言葉が印象に残りましたが、新井先生がお話をされていたAI(人工知能)と人間の違いというのがとても印象に残りました。

東大を目指すロボットは、今年進研マーク模試で偏差値57.8をマークし、750大学中474大学が合格できる実力を持ったということです。この結果を見て、「人工知能ってすごいな」と思いがちですが、それは危険な見方だといいます。大学を目指す人でさえ、逆を言えばすでに人工知能に負けている人もいるという現実を考えると、人はその仕事を奪われていく可能性が現実になってきているともいえるからです。

そんな優秀で人間をも越えていきそうなAIですが、AIの特徴は「意味は理解していない」ということです。国語でも英語でも、意味を理解して解いているのではなく、膨大なデーターベースから似たようなものを探し出したり、検索したりしながら答えを見つけていくというやり方で解答をしているとのことです。

ここが人間と決定的に違うところで、言い換えればここに人間の仕事の領域があるといえるのだと思います。

意味を理解できないけれど、言われたとおりにやることには長けたAIに勝つには、物事の意味を理解し、動かされるのではなく、人やAIを動かすタイプの人になればよい、私にはそんなふうにも聞こえました。

生徒の皆さんを見ていると、人に言われたからやる、課題だからやるという人が多いと思います。言い換えれば、これは誰かに書いてもらったプログラムどおりに意味も分からずにやっているだけのようなものだと思います。それではプログラムで動かされているロボットと変わりがない存在になってしまうように思います。

けれど、同じ課題をやるにしても、「どうしてこの課題なんだろう?」「これをやったら、こんなことが身に付きそうだぞ!」とその意味を考えて取り組むことができれば、ただ作業をするだけではない、一歩深い意味のあるものになっていきます。意味を考えることのできなAIとは違い、その課題の意味を考えることで、普段から次世代に求められるという深い思考や判断の力も付き、AIに変わることのない人へと成長をしていけるのかなと思います。

勉強など、なかなか手の進まないものほど、人は何となくこなしてしまっているように思います。でも、ただこなすだけならすでにAIのほうが上を行ってしまう、そんな時代が到来しています。シングルタスクはAIが最も得意なところでもあるようなので、ただ与えられたとおりにこなすだけの人は、もしかしたらAIに代替されてしまうのかもしれません。

しかし、人間が人間たるゆえんの部分に強みを持つ人は、きっとAIに代替されることもないのではないかと思います。考える、判断する、実行するを簡易なものはAIでできても、まだまだここは人間の領域であることは変わりがないと思います。

今やるべきこと、やらなくてはならないことは、誰にでもたくさんあります。その意味を考えて前向きに取り組むことこそ、人間らしさなのかも知れません。


さて皆さん、いま目の前にある勉強の意味、ちゃんと分かっていますか?分からなかったら、一緒に考えていきましょうね!
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