食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『雑想考、災害復旧』

2013年07月30日 21時25分09秒 | 日記

以前だと梅雨末期に集中豪雨による河川反乱、土砂崩れなどの被害が恒例のこ

とだった。いつ頃か『ゲリラ豪雨』なる新語が出てきた。発生メカニズムについての

説明はある程度可能なようだが、予防できる情報提供はまだ道半ばにある。

島根・山口豪雨は昭和58年7月の島根県西部豪雨を凌ぐ雨量で川の氾濫、土石

流により公共物、建屋などに甚大な被害を引き起こし、3人の死者行方不明を出し

た。前線が弱まった昨日、恒例行事のように政府関係者が視察、自治体関係者が

早期復興と激甚災害指定へのお願いの場となった。

地域の再生をどのように目指すか、最初の入口である復興は元の場所にするのか、

より安全な別の場所にするのか、これだけでも決めるのは容易ではない。いずれに

しても自分たちの地域内、若しくはごく近隣であるのに、それすら困難を極める。

だが、先が全く見えない状況ではなく、妥協という便利な道具の使い様もある。

先日のNHK番組、福島の双葉町から避難した人が双葉町への帰還は困難として、

新天地に家を建てるかどうか悩み、結論を出すまでをドキュメンタリーとして放送し

ていた。帰還困難だろうが帰還準備だろうが2.5年も過ぎると当初は『故郷に帰る』

ことを希望として避難生活をしてきたが、待つことにより希望の灯は細くなる一方で

双葉町はアンケートによると帰還希望者は当初の60%から40%を切るまで低下した。

この番組で紹介された人たちの実家は、代々の農家だから大きく立派な家ばかり

から、鉄製扉のアパート暮らしではストレスの溜まり方も尋常ではなかろう。

悩み悩んだ結果、新天地に家を建てようと決心したが、次は需要と供給バランスの

壁が大きく立ちはだかった。避難先は帰還を諦めた人たちの需要が高まり、土地

代金は震災前の倍に跳ね上がってしまったのだ。TVでは土地代が1300万円から

2600万円といっていたから、これだけでも普通の人には困難なことだ。

実家には有り余る広さの土地を持ちながら、追われて・来たくもなかっただろう新天

地で、こんなお金を使って土地を買わざるを得ないのだから、情けなくなってくるだ

ろう。自宅は残されているのに災害復旧という馬鹿げたことも、今回の災害も一言で

括ってしまうと同じ『災害復旧』になってしまう。


『夢追人、命中確率2/3』

2013年07月30日 18時35分55秒 | 趣味

私たち、先陣は近くの温泉旅館に宿をとり、今日の猟の疲れを癒し翌日のため

英気を養う。と言えど、この旅館は温泉と名はついているが風情や風流さを求

めるような宿ではなかった。しかし鉄砲を持ち、山を駆けずり回る男たちが一

夜を過ごすには十分過ぎる宿であることには違いない。

観光旅行に出かけ、頂く豪華な夕食には程遠い食事をつまみがてらに熱燗をつ

けて貰い、一日を振り返りながら猟の話に弾んだ。

宿で朝飯を食べていると、早朝出勤の第2陣が宿に到着し、私たちに早く飯を

終えろとプレッシャーをかける。

山を見切るのにベテラン2人の加入は大きな戦力アップで、昨日よりずっと質

の高いグループになった。この辺りの山は大きく効率的に見切らないと猟にな

らないのではと思わせる。

この日は尾根筋にある足跡が分かりやすく残されており、谷を見切ってやれば

大きな範囲ながら見切りを終える場所での猟だ。谷に向かった人は途中で山鳥

の群鳥を見た。近年、山鳥の数は減り群れになって過ごすことはごく稀になっ

ているから、珍しい光景だ。こうした時、猪の見切りの最中なのに、弾を込め

変えて鳥を撃つ人もいる。その結果として、猪が起きて逃げてしまったなんて

こともある。

この山の標高は高いから見切りが終わってからも、待ち場への移動は大変なこ

とが予想された。足跡は沢山あり過ぎて正確にいくつの群れなのか分からない

が、親から独立した子供たちが一緒になって群れとなったもののようだ。

指定された待ち場に向かい、尾根近くの見通しのいい場所で待つことにした。

普通は見通しの悪そうな場所を選ぶが、多くの雪が積もり低木を埋め尽くして

いたから、見通しのいい場所ばかりになっていたのだ。

しかし、私はこの場所で待っていただけで何の変化もなく、『逃げたから集合』

の連絡を受けたに過ぎなかった。別の人の話では、尾根筋に猪の群れが現れた

ものの距離が遠く、近づこうにも雪で動きがとれず、諦めたとのことだった。

昼食後、再度見切り直し2回戦に突入した。子供ばかりの群れだから、幾戦の

兵猟師の知恵には勝てず、あっけなく逃げた場所を探され、待ちの袋小路に追

い詰められてしまった。

犬を放し暫くすると何の前触れもなく、14~5メーター先から犬より少し大きめ

の猪が数匹出てきた。この日の獲物は最初から小物と分かっていたので、弾は

いつもの1発弾ではなく鹿猟などで使う散弾が数発入ったものを用意していた。

先頭にいたものに向けて発射する。コロコロと坂を転げるように落ちた。次を

狙い発射、これも当たったようだが確認はできない。群れは散ったが3発目を

撃つ余裕はあり、一番後ろの奴にめがけて発射。

世の中、そんなに上手くいくはずはないのだ。これは外れてしまい、次の弾を

込めて発射する時間はなく、猪の姿も消えてしまった。

猪が倒れている場所に行って見ると2発目の弾は、どうしたことか鼻の先端部

分に命中しており人相が変わったようになっていた。

昨日は2頭の親、本日は計4匹の大猟の2日間で、私の猟歴では最高の1日に

なった。


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