食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『夢追人、浜田のワカナ(ハマチ)』

2013年06月13日 18時00分17秒 | 趣味

面白い話を聞くと直ぐにその気になる。浜田の波止場で活気を見せているワカナ

釣りの模様をTVが流した。それが目につき早速のご出発。午前三時に起き車を

飛ばす、しかし早朝?の国道は長距離の卜ラックが我もの顔で飛ばす。信号無

視、追越し禁止区間での追越し、黄色の信号で止まったりすれば追突されかね

ない。三時間ほどで浜田に着く。

青川の波止場は既に沢山の釣り人が来ていた。ここで人の仕掛けをみて驚かさ

れた。私の用意したものは役に立ちそうにもない。あまりにもチャチな仕掛けでこ

れでは人の半分も投げることは出来ないだろう。

飛ばし浮木の大きさ、重さが全然違うのは見た目で判る。

釣具屋に足を急ぐ、しかしどうした訳か飛ばし浮木が売り切れで手に入らない。

仕方なく自分の持って来た電気浮木を使うしか手がないようだ。隣で三十五セン

チほどのワカナが掛かリ竿は大きく弧を描いている。横に走り釣り人を右往左往

させている。見ているだけでその迫力が伝わってくる。青物は横への引きが強く

底に近い所で住む魚は下へ下へと引く。投げてみるとやはり人の半分も飛ばな

い。そこで我慢してみたが近くで何本も上がるのに浮木は無情にもプカプカと浮

いているだけ。

やはりなー、その釣場に合った釣方でないとなー、諦めが先行するようになり、ポ

カンと浮木を眺めていた。浮木が見えなくなり、まさかと思った瞬間にガーンと竿

を引っ張った。とんでもない引きだ。竿を立てる、糸がキーンと唸り始めた。糸を

めなければと思いながらも引きが強く竿から手が離せない。唸りはー段と大きくな

り、突然、竿が後の方に跳ね返され軽くなった。僅かの時間で成す術もなく、あっ

さりと糸を切られてしまった。おそらくヒラマサだったと思う。

私が着く前に、置竿をしていた人が余所見をしている間にヒラマサと思われる魚

がかかり竿はそのまま引っ張られて海の中に消えてしまったと言う。

強烈な引きはあの一度しかない。それまでも、今までもあんな経験はない。

その夜、疲れを忘れ口惜しさだけが目を固くして寝付かれなかった。


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