食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『震災鎮魂の旅、今も震災一色、福島の地方新聞』

2013年06月26日 17時47分49秒 | 旅行

人に言われれば、震災地と離れた場所での震災に関する温度差は歴然としてい

るだろうな、誰でも容易に想像できることだ、と思うに違いない。だが、それを目の

当たりにすると、やはり世間は東日本大震災のことを忘れかけているのでは、関心

がとても希薄になりつつあることにやっと気づかされる。

関心は高いと思っていた私でさえも、会津若松のホテルでみた福島のローカル新

聞『福島民友』の第一面を見て驚いた。全国紙の一面はGDP4.1%増ではなかった

と思うが、福島民友の一面トップは『核燃料取り出し前倒し』に並び『復興住宅300

0~4000戸 15年度まで10市町村』で原発関連の記事が載せられていた。そして2

面、3面にも原発関係、復興関係の記事で埋め尽くされており、ここでは明らかに

今でも臨戦体制下にあることを示している。

この温度差は新聞だけではなく、同じ県内にあっても全く被害のなかった場所や軽

微な所と被災地間にも存在していると思う。だが、そのギャップは私たちよりはるか

に小さいものだろう。

仙台からの帰り再び、このホテルに泊まり朝刊をに目を通すと、一昨日と同じように

震災関連の記事がトップを飾っていた。

福島県の復興は原発収束が前提になり、廃炉と除染は国が前面に出て処理すべき

と訴えている。福島は原発災害で復興のスタートラインにも立てない町や地域があり、

被害を免れた第2原発も廃炉を要求し『原発との決別』を決心している。これに対し早

く再稼働を希望する声がある、ここにも大きなギャップが存在する。被害者は未だ後

始末の渦中にいて日常的な生活を取り戻していないが、そんなことより日々の生活を

保持するために原発は必要だと思うから、その差は歴然だ。そして再稼働して欲しい

人たちの頭の中には『2度と福島のような事故が起こるはずはない』と何の根拠もない

のに、そう思い込んでいるのだ。

政府や電力会社の言う安全対策なんか当てにならない。福島の原発がどのような経

過、原因でメルトダウンに至ったのか誰ひとりとして現場を調査した人はいないのだか

ら。安全対策は原因を究明し、それに対する不具合を解消する手立てのことを言うの

だぞ、不具合箇所を見たこともないのに手を打つことを『当てずっぽう』と言うことをよく

覚えておけ。

脱線してしまったが、福島と私たちの違いは、新聞記事のこんなところにもあったと、驚

かされた次第。


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