半ぐれ行政書士の徒然日記-Ⅱ

信州は小諸の半ぐれ行政書士
仕事のこと、地域のこと、様々な出来事を徒然なるままに書き記します

『人体の不思議展』を観る不思議

2007年07月09日 | 休日

 長野市にある長野県信濃美術館で開催されている『人体の不思議展』に先週末、長男と次女ともに行ってきた。
 県内では7月22日(日)までの開催期間。今後のスケジュールを見ると最後のチャンス。実際に見学した何人かの知人から「『人体の不思議展』はすごい迫力だ。観ておいて損はない」との情報を得ていたので、何とか一目だけでも観てみたいとの気持で会場へ。休みとはいえ開場前から見学者が長蛇の列をなしていた。

 これまで標本といえば理科室にあったホルマリン容器に入ったものや模型の骸骨を想像していたが、ここで展示されている人体はすべてが本物。『プラストミック標本』という半永久的に常温で保存できる特殊技術処理された標本だった。ここで展示されている標本は、すべて生前の意志に基づく献体によって提供されたものだとの解説も入口付近にあった。
 確かに標本になる何年か前まで生きていたという本物だけが持つ迫力があり、血管や筋肉、神経だけの標本、脳や臓器、脊椎などの様子が素人でも手に取るようにわかるものであった。きっと医者や医療従事者であってもこれほどまとまった標本を見たことがある人は数少ないだろう。

 主催者の本展示の意図は人体がどれほど複雑に構成されているのか人体の不思議を伝えると共に、最近の健康ブームと相俟ってより健康に留意することをより促すことを目的としているようである。
 私は興味本位で行ったものの、死体に興味があるその手のマニアではなく、かといって吐き気を催すほど気持ち悪いと感じるわけでなく、主催者の意図とは違う何か不思議な感覚をもって標本を見てきた。うまく言葉でいい表せないが、“人間が檻に入った人間の動物園を見る感覚”というのかとにかくあまり感じの良くない不思議な感覚だった。私にとっては私を含め会場に来ていた人全てが「『人体の不思議展』を観る不思議」そのものであった。



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