―共同ごみ施設建設計画断念 小諸・御代田・軽井沢 理事者物別れ―
一昨日の信濃毎日新聞によると平成17年から小諸市と御代田町、軽井沢町で進めてきた可燃ゴミ処理施設の共同建設計画が、理事者(首長)会の物別れで事実上断念されたと報じられた。
この協議は、御代田町の前町長が他の市町へ呼びかけたことで始まった。しかし、予定していた御代田町の塩野地区の住民の反対もあり、昨年2月にゴミ処理施設の建設を白紙撤回することを公約にした茂木町長が現職を破り当選。町長が公約を優先したことで、三市町の協議は振り出しになっていました。
その後、今年の1月に理事者会で三市町の枠組みを維持しながら今後の方向性を探ることで合意したとのことだが(4月に予定されていた市長選の批判をかわす意図か)芹澤市長は理事者会の直前にあわただしく市議会に市内に可燃ゴミ施設建設地を用意する代わりに御代田町に焼却灰を埋め立てる最終処分場を整備することを提案することの同意を取り付けたという。
報道によると小諸の芹澤市長は(1月に続き今回改めて)市内に施設建設地を用意する代わりに御代田町に焼却灰を埋め立てる最終処分場を整備するよう提案したのだが、茂木町長が難色を示したたそうだ。そこで、処分場を切り離し可燃ゴミ処理施設の建設に同意するよう重ねて“即断”を求めたが、環境影響調査などの計画が具体化していない段階で方向性を絞れないと茂木町長は同意しなかったようだ。
他方で軽井沢の佐藤町長は、佐久広域での処理も検討すべきと提案したが、結局物別れになってしまったとのことです。
―ダッチロール状態の連続―
芹澤市長は、4年前に「小諸のごみは小諸で!」「南ケ原区のクリーンセンターを再稼働」「環境への問題からガス化溶融炉は反対」と訴えて当選しました。
就任した直後、当時佐久市と施設の共同建設を計画していたが「ガス化溶融炉を前提としているから」と一刀両断に破棄してしまった(この姿勢に当時の田中康夫知事は大絶賛していたが・・・一方的に破棄するのではなく他にとるべき方法はなかったのか疑問)。
そして市長は公約通り、南ケ原区に再稼働を申し込むが断られ、あっさり撤退した(なぜなら、クリーンセンターは、現在まで続く地域住民を分断した過去があり、受け入れは当初から困難であることはわかりきっていたことなのだ)。
そこへ先の報道のとおり平成17年の御代田町からの誘いかけがあったわけです。しかし、不思議なことに三市町での協議の中で、市長は佐久市との計画を断る理由としたガス化溶融炉が処理方式として俎上に上がっても、何故か離脱することはしなかった(???)。
その後、三市町で協議を続けていく中で、平成17年11月には「佐久広域連合でのごみ処理の一元化」を佐久市長に要望しましたがものの見事に断られました(佐久市長にすれば「何をいまさら、小諸市長さん・・・」といったところでしょうか)。
―小諸市のゴミ焼却費は1tあたり約51,000円で隣の佐久市は約24,000円。約2倍の費用がかかっているのだ!―
今回芹澤市長は市長選のマニフェストの中で、
「≪緊急課題と重点施策≫ごみ処理施設の建設に着手します」「≪具体的方策≫近隣自治体との共同事業によって施設整備を行います」「≪期限≫2年以内に整備方針を出し、4年以内に建設に着手します」「≪財源≫国からの補助金と、構成自治体の負担金で施設建設費を賄うことを前提とし、小諸市の負担金となる13億円程度を起債により対応します」としています。
しかし、今回の報道の通りだとすれば、新たな相手が見つからない限り、単独で施設建設することは、時間的にも財政上からも無理となります(国からの補助金要件は5万人以上であり、4万5千人の小諸市には補助金は交付されない)。相手方があることとはいえ、マニフェスト発表からわずか3か月で早くもとん挫しそうな様相です。
現在、小諸市のごみ処理費は、民間に委託しているため1t(トン)あたり約51,000円、佐久市は自前の施設で処理しているため約24,000円であることと比較すると倍以上の負担を市民に強いています(しかし、小諸市民はこのことを知ってか知らずか、誰も声をあげないのだ・・・)。
物価が上がり、給料が減る厳しい世の中で、小諸市民だけがこんな重い負担をいつまでも続けられるわけもなく、1日も早くマニフェストどおりになればよいのですが・・・。
―小諸市のとるべき道は―
方法のひとつとして“まず公的ごみ処理施設建設ありき”ではなく“民間施設への委託”も費用対効果などを十分に検討すれば選択肢としてありだと思います(公的なごみ処理施設を建設すれば建設費と維持費がかかるわけです。ただし現在の処理費用はどう考えても高すぎますので、他の民間委託も検討すべきです)。
また、他の方法として、小諸市が頭を下げて再度佐久市へお願いをして、今度は佐久広域で施設建設をするように働きかけをすることです。
今後益々加速するごみの減量化と環境への配慮を考えると佐久広域にいくつもの処理施設は無理無駄があり、ひとつあれば十分だと思います。また、佐久市では最近になって新たなごみ処理施設の建設予定地で地元住民の反対があり、計画が棚上げ状態となっています。
小諸市からの申し出に佐久市が首を縦に振ることはそれほど簡単なことだと思いませんが、佐久広域で10ある市町村の中で2つしかない市のひとつとして、この地域のリーダーとして牽引していくためにも、一方的に断った過去の経緯に非があると素直に認め、ここは市民のため、佐久広域のために頑張ってもらいたいと思います。
いずれにせよ市民の生活や財布に直結するごみ問題をこのまま8年間もそのままにすることは何としても避けなければなりません。芹澤市長は、今回の市長選が無投票になったことは市民の信任を得たというのであれば、その市民の負託に応えるためにも、その政治的手腕を如何なく発揮していただきたいと思います。
今後の動向に注目です。
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