「縦横無尽」 フローレ21社長のコラム

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ジョン・メイナード・ケインズ

2008-01-18 03:24:56 | Weblog
1月5日のコラムで原油市場で原油価格を引き上げたのも、穀物市場で穀物価格を引き上げたのも「投機マネー」が大きくかかわっていると書いた。

そしてそのことはマルクスもケインズも予期していなかったと書いた、誤解があるといけないので少し補足をしておきたいと思います。
ケインズはやがて資本主義が高度の発達した中で、投機的活動が重要な意味をもつことを最初に理論づけた一人です。
ケインズは「投機が企業に比べて優位である状態を緩和する為には、政府が全ての取引に対してかなり重い移転説を課すことが、実行可能でもっとも役に立つ」と投機規制説を提案しています。
勿論ケインズは一方で資本主義のもとでは、投資市場が活性化し、発展する時には、投機的資本の活動が伴うと言う「投資誘因」の理論を展開しています。
ケインズは投機資本を否定した訳でなく、しっかりした規制が必要だと説いたわけです。
では、なぜこのようになったのか、1960年から1970年代にかけて「新自由主義」市場原理主義がもたらした弊害といえます。
ノーベル経済学賞を受賞したスティグラー教授が投機家の役割のついてこう規定しました、「将来のある時点における需要と供給のさまざまな条件についての確立と推定する人」
そして、このことが将来の需給条件の確立を推定して、潤沢な投機資金を市場へ投入するから、資金の流動性が高まりリスクヘッジが円滑に進む、つまり価格変動が緩和され、現物市場の過熱を防ぐとの理論です。
しかし現在起こっている「投機マネー」による世界経済の混乱は、価格の乱高下を自らが起こし、多大の利益を吸い上げ過ぎ去っていくという現実です。
ケインズが危惧をしていたにもかかわらずなってしまった、ということです。

新日本石油の会長は16日の定例記者会見でこう言いました、「二月出荷分について1ℓ当たり1.3円コストが上昇している、これをベースに価格の改定をお願いしたい」
「実際の需給面ではまったくタイト感がなく、現在の原油価格高騰の唯一の要因は投機マネーの流入」と指摘しました。