「縦横無尽」 フローレ21社長のコラム

花の仲卸フローレ21社長小池潔がつれづれに語ります 快調に更新中

日本の食料自給率とバイオエタノール燃料

2007-06-03 11:17:00 | Weblog
世界の人口が2050年には現在の約1.5倍の93億人に増えると予測されている。それに引き換え農地は10%程度しか増えず近い将来世界的な食糧危機がやってくると多くの専門家が指摘している。
食糧危機は専門家が予測するより更に早まる傾向がバイオエタノール燃料の出現です、トウモロコシの栽培で大豆の耕作面積が大幅に減っている米国、ブラジルでは果樹園からトウモロコシへと転作が進んでいる。
その影響で大豆や油脂を使った食料品の値上げが日本でも始まっています。
同時に「日本の食糧自給率を増せ」と言う声が各界から上がっています。

世界の食料自給率をみてみると米国は食料輸出国で128%、フランスも伝統的な農業国で122%ドイツは84%、イギリスは50%近くまで落ちたのですが農業政策の転換で70%まで引き上げました、一番低いイタリアでさえ62%に自給率です、これらの先進国と比べても日本の40%と言う自給率は際立って低いと言わざるをえません。
そしてこれらの先進国が近年自給率を上げてきているということです。日本も40年前までは73%自給率がありました、先日発表された農業白書では2015年までに5%増やし45%まで増やすことを明記しました。

世界的な異常気象の中でオーストラリアが干ばつで降水量が例年の10分のⅠで小麦の収穫量も10分のⅠ以下になってしまった。
また収穫量や病気に強い品種改良の中で遺伝子組み換え作物などの作付けの検討に入っていることが伝わってくると、日本の食の安全安心に欠かせない国内産の自給率を上げることが望まれています。

安部首相が議長を務める経済財政諮問会議は、更なる前面自由化を要求、この求めに従って農水省が試算したところ完全自由化によって自給率は14%まで下がることが分かりました。
農業白書で言う自給率の向上と、経済財政諮問会議で言う前面自由化、オーストラリアと結ぶ経済連携協定(EPA)は互いに矛盾していて、これまでの歴史を見ると経済が優先され農政は後回した結果が日本の自給率にでているようだ。

酪農畜産農家も深刻な影響が出ているそうです、トウモロコシの価格高騰でえさ代がトン当たり一万円以上上がったそうです、ある関係者は『飼料を海外に依存してきた農政のつけが回ってきた』と語っています。
海外依存率は小麦で86%、大豆95%、砂糖66%、油脂類87%、果物66%、
魚53%など私たちは多くの食料品を好むとこの混ざることなく輸入品を食べています。

北海道では2000年から2005年の5年間で一万戸の農家が離農しました後継者不足、高年齢化、米価を中心とする農作物の価格低迷、後継者が育つ収入、育成を政府が本腰を入れて取り組むことが求められています。

日本の自給率を高めることは食糧不足で悩んでいる開発途上国の人をも助けることに繋がります。
地球環境を守る二酸化炭素の排出量を減らす取り組みと、食料国内自給率を高める問題は互いに緊急で早急にやりあげなくてはならない問題です。