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1968年の女装美青年③~カツラをかぶり、ハイヒールをはいて、ハンドバッグをもつと、どこからみても藤島安雄の姿はない。 女である。それも美貌の……。

2023年08月08日 | ★女装の本・雑誌
すみません。
8月8日のブログ記事は重複していました。
お詫びして、削除いたします。
こちらが「1968年の女装美青年③」です。

1960年代中盤、ハワイで女装の虜になった藤島安雄はサンフランシスコにわたります。

サンフランシスコの百貨店で、安雄は女装のための、いろんな品物を買い入れた。
化粧道具。カツラ。下着。
既製の婦人服。そして靴……。
夜になると、彼はバスにはいって髭をそり、入念な化粧にとりかかる。
足の毛は、毎日、そったあと、脱毛クリームをすり込んだ。
化粧が終わると、サポーターで邪魔なものを固定する。
ストッキングをはく。
パッドを入れて、ブラジャーをつける。
スリップ。そして婦人服。
カツラをかぶり、ハイヒールをはいて、ハンドバッグをもつと、どこからみても藤島安雄の姿はない。
女である。それも美貌の……。
安雄は、バッグに部屋のキーをしまい込むと、いそいそと外出した。

坂の多いサンフランシスコの街。
ヒールを鳴らしながら、歩いていると、途方もなく彼は興奮してくるのだ。
サポーターの中身が、熱く怒張するのを感じる。
白人の男が、女と思い込んで、誘いかけてくる。
彼は、恍惚となる。
しかし、仲間以外は敬遠した。
そして仲間だと知ると、彼から近づいて、声をかけた。
相手はびっくりし、やがて喜悦した。
ある男は、大型の車の中で彼を求め、五百ドルのお小遣いをくれた。
別のある男は、自分のアパートヘ彼を連れ込み、
「同棲してくれ」
と哀願した。
事実、安雄はメキシコでは、ある富豪の囲われ者となって一年あまり暮らし、ブエノスアイレスでは、逆にある舞台女優の愛人として過ごしている。
その女優は、彼にとっては最初の女性であり、女装した彼に、自分は男装して彫むのであった。
しかも、彼女はサディストで、彼にしいたげられることの快感を、教えてくれたのである。
ある意味で、彼の女装趣味は、放浪生活の糧を得るためであった……と言えるかもしれない。
彼が、自分のそんな風変わりな趣味から、ぷっつりと足を洗って、日本へ帰る気になったの一つには三十という年齢に連して、いつまでも美貌を誇れなくなったことと、それに男でありながら、女装して男に可愛がられているという、いわば受け身の生活が、いやになったからである。

出所『美男奴隷』(梶山季之)

ここに時代を感じます。
今であれば30歳はまだまだ美人女装子でいられますが、1960年代中盤は30歳は「老い」を感じる年齢なのですね。


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