SMバー『典子』はSMマニアと女装愛好家が集るバーです。
昨日書いたように、店内では不定期に突発的にプレイが行われます。
そして、それを撮った写真がアルバムになって記録されていました。
何回か通ってママに顔を覚えられたこと、「あんた、警察官?」と尋ねられました。
私は驚いて「違いますよ、普通の会社員ですよ」
「そう? 目つきが鋭いから、てっきり警察官かとおもった」
「すみません」
そのころ30歳でしたでしょうか。
世の中が面白くなくていつも不機嫌な顔をしていたように思います。
ママがぼそっと言います。
「うちは警察官も多いのよ」
「ハードなSMプレイをやる男がいたのよ。そいつが警察官」
「アルバムにも載せていたの、そいつのプレイ」
「そしたらね、ある日やってきて『俺、〇〇部に異動になった』というのよ」
「そいつが言うのよ、これからは面が割れるとまずいと」
「私は即座にアルバムから剥がしてあげたのよ」
あるで麻生幾氏の小説のような話を聞くことができました。
職業も身分も思想傾向も関係なく、愛好人士が集まれるサードプレイスでもあったのですね、バー『典子』は。
『新宿・歌舞伎町 人はなぜ< 夜の街 >を求めるのか』 (幻冬舎新書)
麻生幾『ZERO』
昨日書いたように、店内では不定期に突発的にプレイが行われます。
そして、それを撮った写真がアルバムになって記録されていました。
何回か通ってママに顔を覚えられたこと、「あんた、警察官?」と尋ねられました。
私は驚いて「違いますよ、普通の会社員ですよ」
「そう? 目つきが鋭いから、てっきり警察官かとおもった」
「すみません」
そのころ30歳でしたでしょうか。
世の中が面白くなくていつも不機嫌な顔をしていたように思います。
ママがぼそっと言います。
「うちは警察官も多いのよ」
「ハードなSMプレイをやる男がいたのよ。そいつが警察官」
「アルバムにも載せていたの、そいつのプレイ」
「そしたらね、ある日やってきて『俺、〇〇部に異動になった』というのよ」
「そいつが言うのよ、これからは面が割れるとまずいと」
「私は即座にアルバムから剥がしてあげたのよ」
あるで麻生幾氏の小説のような話を聞くことができました。
職業も身分も思想傾向も関係なく、愛好人士が集まれるサードプレイスでもあったのですね、バー『典子』は。
『新宿・歌舞伎町 人はなぜ< 夜の街 >を求めるのか』 (幻冬舎新書)
麻生幾『ZERO』