小浜逸郎・ことばの闘い

評論家をやっています。ジャンルは、思想・哲学・文学などが主ですが、時に応じて政治・社会・教育・音楽などを論じます。

紫陽花と生きる

2017年06月03日 13時22分48秒 | エッセイ


2年前に今の家に引っ越してきました。
築年数はだいぶたっていますが、庭がわりと広く、いろいろな木が植わっています。
キンモクセイ、ドウダン、サザンカ、ツツジ、ビワ……。

ずいぶん昔、テラスハウスに住んでいて、そのころガーデニングにちょっと凝ったことがあったのですが、その後はさっぱりでした。
今度の家の庭木も、勝手に花が咲くまま、実がなるままにして、格別何もしませんでした。

1年前、青アジサイと赤アジサイの鉢植えを買いました。
ある人からもう一鉢、青アジサイをいただきました。
アジサイがとても好きなのです。
花がしおれたのをそのまま捨ててしまうのはもったいない気がしたので、ホームセンターで土や肥料を買ってきて、三つを庭に植え替えました。

春が来て、裸の茎から若葉が出始めました。
日、一日、どんどん葉が増えていきます。
成長ぶりが毎日気になるようになりました。花がうまくついてくれるといいが……。
5月の初めころだったでしょうか。どの株にもつぼみが二つずつ付きました。
これも毎日のように大きく膨らんでいくのがわかります。
ますます目が離せなくなりました。

6月に入り、まだ一つだけですが、見事に開花しました。
もうすぐ残りのつぼみも開花します。とても楽しみです。
月並みな感慨ですが、自分が「かくあれ」と思って何かを施し、それが期待通りになった時のうれしさは格別です。

庭のアジサイの成長ぶりを眺めつつ、今年も鉢を二つ、青と白を買ってきました。青い方はそろそろしおれかけていますが、白い方はまだまだ元気いっぱいに咲き誇っています。この二つも植え替えようと思っていますが、これでうまく行けば、来年は青、赤、白と計五株のアジサイに出会えることになります。拙宅を「紫陽花苑」と名付けようか、などと勝手に悦に入っています。

私は今年古希を迎えましたが、まだまだしなくてはならない勉強や仕事が残っています。さいわい体はまあまあ健康です。少なくとも来年のこの季節までは元気で過ごし、少しでも期すべきところを果たそうと思っています。紫陽花の開花からは、達成することの大切さを改めて教わり、さらに元気をもらったような気がしています。

  紫陽花に 励まさるるか 古希の筆

 


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