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「植樹の仕方とポイント」

2008-04-30 | 森林と森づくり
「植樹の仕方とポイント」
山の坂道を登り、林地に苗木と植樹道具を運び上げて、やっと植樹作業に取り掛かる頃には些(いささ)かお疲れの体(からだ)、「何とか早く植えて終(しま)いたい」と、集中力が薄れ作業も散漫(さんまん)に成り勝ちです。
しかしここが肝心、今、この1本1本の根が確実に活着(かっちゃく)するかどうかで、植えに来た貴重な時間と意義があるのです。今一度植樹のポイントをしっかりとお復(ふく)習(しゅう)いしてみよう。
鹿などの多い植裁地(しょくさいち)では、「防護ネット」などを設置しますが、被害を出来るだけ少なくするために、特に広葉樹(こうようじゅ)の場合は、適地適木(てきちてきぼく)・食害を受けにくい樹(じゅ)種(しゅ)苗(なえ)を選ぶこと。
植樹苗は、苗畑で肥料や水、風通しも良く太陽を受けて育てられていますが、植樹当日からは気象(きしょう)条件(じょうけん)や環境(かんきょう)など、厳しい山地へと育つ情況が激変します。
早春(2~3月)の植樹では、すでに苗木は眠りから覚めて新しい芽が出ており、毛根からは水を揚げはじめています。
秋植え(10~11月ごろ)の場合、ほとんどの広葉樹(こうようじゅ)は冬支度(ふゆじたく)に入り、根から吸い上げる水を減らします。多くの葉は養分(ようぶん)をつくってそれまでに木と根に蓄えていますから、枝先の春(はる)芽(め)を残して紅葉したり枯れて葉を落としますが、苗木に無理のない、こうした自然のなりわいに習った方法で「植樹」をします。
1. 秋の「苗木」は、葉を減らす
葉がついていると、葉からの水分の蒸(じょう)発散(はつさん)を助けようと、根から無理して水を揚げようとするので、確実に根が活着しないまま、枯れてしまいます。

2. 枯れ枝や枯葉(かれは)・地被物(ちひぶつ)を取り払う
植える穴を掘る前に、地面を覆っている枯れ枝や枯葉・シダなどは綺麗(きれい)に取り払(後で使)います。床土が出たら苗木の根の2倍くらいの植え穴を、形を整えて掘ります。

3. 根の間に細かい土が確実に詰まること
少し深(ぶか)植え(う)にして根は曲げないで入れ、 傾斜(けいしゃ)の上側からきめの細かい床土を根の間に詰めて、根が立つ様にし「深植え」した分、幹を少し引き上げながら、横から優しく両足で踏み固める。土にもよりますが、少し高めの植え方にすること。                                 
4. 地被物を戻して乾燥(かんそう)を防ぐ
苗木を植えたら,植え穴の周辺にある枯葉などを厚めに被せて、踏め固めて終了。枯葉などの地被物が雨水を蓄えたり、直射日光から乾燥(かんそう)を防ぐ役割を果たします。
5. 目印にもなる支柱を立てる
  植樹が済んだら苗木の高さや枝の張りにもよりますが、風で倒れることを防いだり、切り株の芽欠きや雑草の下草刈りの時の目印になるため支柱を添えて置くと万全。                                 
                     (浜氏  拡)

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