旧(アイマスな)駄目人間の溜り場

(アイマスにはまってる)駄目人間の駄目な毎日。の跡地。

虐殺器官

2011-04-13 21:00:00 | 
作者は伊藤計劃。
以前ちょうど作者さんが亡くなったくらいにすごい人だった、というのを聞いて、
友人から借りることができたので読みました。

で、感想なんですが、びっくりするほど面白かったです。
ほんとに面白かったです。ひさしぶりに読んでいて震えがくるほどの面白さ。

ジャンルはSF。
読み出して気づいたんですが、自分がまともによんだSFというのは、
渚にてとか、アンドロイドは~とか、古典SFに近いものしか読んでなかったので、
虐殺器官のような、がっつり現代SFを読み出して、その変化というかに驚嘆。
まさにメタルギアや攻殻や、FPSを足したような、
本当に10数年先にありえそうなサイエンスなフィクションで一気に引き込まれました。

米軍の要人暗殺を受け持つ部隊の主人公。
なぜか虐殺の起こる地域にいあわせる謎の人物、ジョン・ポールの暗殺を命じられ、
その正体と消息を追ううちに、彼が虐殺の起こる場所にいる理由、
彼が原因となって虐殺が起こっていることが、彼が虐殺を起こすメカニズムが見えてきて。
という感じ。

設定として、発展途上国あたりでのテロや民族紛争、虐殺が非常に多くなっていて、
代わりに先進国ではヒト、モノなどにタグなんかをつけまくった情報認証社会になって、
軍事の面では例のごとくといっては何ですが、PMCなんかの代理戦争の様相を呈して。
ウェアラブルコンピュータを用いた電脳コイルみたいな、副現実の技術。
人間の脳をいじっての「痛覚を認識しながら痛いと感じない」マスキング技術、
ステルス迷彩よろしくな、環境適応迷彩など、盛りだくさんの設定が、
最終的にがっちり絡み合って、ジョン・ポールのしていること、目的が明らかになっていく。

そして、エピローグでの、まさかのどんでん返しというか、動きには圧倒されて、
そのままエンディングで、開いた口がふさがらない。

初めてちゃんと読んだ現代のSFという感じで、その世界観、設定、勢いに圧倒されました。
とにかくすごいという感想しか出てこなかったです。

ほんと、伊藤さんなくなったのは、惜しいなぁ、と。
ぜんぜんまとまってないですが、そんな。とりあえずお勧め。