水耕栽培による家庭菜園日誌

屋上での水耕栽培・人工光源を使った室内水耕栽培および屋外での有機水耕栽培に取り組んでいます。

海水淡水化装置のよる節水水耕栽培11 (H28.6.25~)

2016年08月23日 | 屋外水耕栽培
■番外 BOPビジネスを少し勉強
8月24日 先生からお借りした「世界一大きな問題のシンプルな解き方」を読了。IDE創業者ポール・ポラック氏が30年をかけて貧農国の農民に足ふみポンプやドリップ灌漑設備を紹介し彼らが自らの農業を通して少しずつ富の拡大を図り豊かになっていった過程が詳細に紹介されているがその知恵と努力には感服いたしました。金銭的物質的な支援ではなく現地民の目線に立って自立を促し起業精神を鼓舞して彼らの収入に見合う価格で購入可能な設備を提供する努力を怠らずまた農産品の販売マーケットの開拓もサポートして正に「貧困からの脱出方法」のバイブル書といえる著作です。

翻って私たちが取り組んでいる海水淡水化装置を熱帯砂漠地に持ち込んでその普及を図ることの難しさも痛感しました。私たちの装置では命をつなぐ水は作れますが農業を行うほどの豊かな水量は作りえないからです。この書物によれば10×10×2m=20万リットルの灌漑用水を作り出すことで10aの農地に100日間灌水できるそうです。収入を得れるほどの農業を行うにはやはりそれなりの灌漑用水が不可欠です。水のないところで水を作るのではなくあるところの水をいかに効率よくコスト安く集めて農業に役立てるかが重要であることがポラック氏の体験は物語っています。

私たちの海水淡水化装置はもっと環境の厳しい熱帯塩害地帯で飲料水を提供し余分な水で農業を支援していこうというものですがそれなりの農業を考えると造水能力の低さは致命傷ですので例えば10㍑の水で最大限の農産物を得る手法としてストーンマルチなど節水農法を研究することが必要かと思います。

昨日から「ネクストマーケット」の増補改訂版を読み始めました。BOP市場開拓のバイブルといわれる書籍です。

●枝豆が実りかけています
8月22日 毎日の猛暑で40mlの給水では萎れるのでないかと心配しておりましたが本日観察すると少しですが枝豆が実りかけています。
 

■参考:パナソニックの撥水砂「パナサンド」
8月12日 少し古い新聞記事ですがパナソニックが砂漠を農場にする「夢の砂」を開発し16年度には実用化するという記事がありました。記事はここからご覧になれます。確かに超撥水剤を土壌に敷くと水は土には浸透せずたまります。私も超撥水剤を使って実験しましたがビーカーの下の紙は全く濡れませんでした。ただこの場合でもせっかくの水をどう蒸発させないのかが必要かと思います。写真は超撥水剤をつかった実験の様子。下に入れたテイッシュやハイドロトンは全く濡れていない。


●給水も焼け石に水状態
8月10日 8月に入り連日35度越えの猛暑が続いていますので20mlの給水では給水不足で枝豆も枯れ始めました。本日より朝夕2回20mlを給水できるようにタイマーをセットし直し何とか枯れるのを防止したいと思います。培養土は完全に乾燥しきっていますので20mlの水をかけてもほとんど焼け石に水状態で少し土の塊ができる程度です。
 

先日も記載した通り土中からの水分蒸発を防止するには透水シートではなく単純にビニールシート(通常のマルチシート)を敷き詰めて苗定植部分のみ1~2㎝の穴を開け太陽熱を遮蔽しマルチの飛散を防止する為にストーンを置くということの方が良いのでなかろうか。透水性があるということは土中水分が蒸発するということですから。

●問題は給水装置と蒸散防止・土壌浸透防止
7月29日 究極の節水農法とはいえストンマルチ栽培で問題になるのは給水装置をいかに安く作るかです。1株づつ少量の給水を自動的に行う装置が安く作れるかという問題です。給水ノズルを自動走行させて給水を行う装置を作ることは技術的にはなんら難しくないですが問題はコストです。ピンポイントでの給水は節水にはなりますが装置を考えるとどうも現実的ではなさそうです。ストンマルチ方式が野菜栽培ではなく大きな灌木や防砂林を育てるのに利用されているのはこの点の問題があるからではないかと思います。通常の滴下灌漑は給水効率が悪いといっても大規模農業に幅広く活用されているわけで少し位水の無駄があっても現実的な手法といえます。想定モデルとしては最低でも10アールの農地に豆類を栽培するとして株数は3万から5万株(30株/㎡×100㎡)になるわけでこれらにピンポイントでコスト安く給水する方法はなかなか思いつくません。インターネットで調べるとイチゴやトマト向けの灌水システムが市販されているのでこられを活用することも考えられる。(例:サンホープのドリップ灌水システムなど。詳しくはここからご覧になれます。

表面は土壌からの水分蒸発を完全にシャットアウトできるマルチ材で覆い、土中には水分を土壌に吸収されるのを防ぐ断水シート(ブルーシートが最適か)を敷くことが必要ですがそのためには重機を使って土壌を掘り起しブルーシートを敷いてから土壌を盛り返すという作業が伴います。ただしこのように土壌をサンドイッチにすることが露地栽培では問題がないのか(通気性のなさによる酸素不足などで野菜の成長が阻害されるなど)どうか露地栽培の経験が乏しいのでよくわかりませんが。


●1日2秒給水
7月29日 今朝の様子です。24日から1日1回20mlの給水になっています。1株当たり20mlですからこれでも多いのかもしれません。育っていないチンゲン菜は撤去しその後に枝豆を種まきしています。こちらは給水装置がないので発芽するまで水やりを行っています。
 

●朝夕5秒間の給水から朝2秒の給水へ
7月23日 給水量をコントロールできるようにタイマーで朝夕5秒間ずつ給水できるようにしました。ただ5秒でも50~60mlほど給水されていますのでこれでは多すぎます。1日1回2秒に設定しなおして給水量を1日20mlほどにして栽培を継続していきたいと思います。給水量が完全にコントロールできるようになれば再度枝豆の種まきからやってみようと思います。
  

●本日の様子
7月19日 ここ数日の暑さで土壌は可なり乾燥してきています。

ここ1週間で2回プランターに100mlの水やりを行いました。まだ比較できる状態ではありません。
 
 

●雨水がビニールシートに溜ります。
7月12日 昨夜からの雨でビニールシートが垂れないように庇を入れているのですがそれでも雨水がたまって垂れ下がっています。


●チンゲン菜・枝豆発芽
7月12日 チンゲン菜と枝豆が発芽してきました。ここ数日は雨もありましたので順調に発芽しています。
 
 

●チンゲン菜と枝豆を播種
7月5日 チンゲン菜と枝豆の種まきをしました。午後は猛暑で並べた石も灼熱状態になっています。このような状態で果たして苗が成長するのか少し不安です。今朝も最低気温が26度ですから並べた石によって蒸散した水分が土壌に戻るなどは期待できないのではないかと思われます。種まきでの使用水量は測定せず。滴下水量は発芽以降測定の予定。
 

●スタンバイです
7月2日 不足していた培養土もいれまたビニールシートの天井は雨水がたまり破れることがありますので発泡スチロールの桟を入れて雨水が流れ落ちるようにこう配をつけました。一応栽培装置は完成ですので後は種まきです。
 


■ストーンマルチ農法
6月28日 究極の節水農法としてのストーンマルチ農法を対照実験をしながら農作物の栽培テストを行ってみます。
①ストーンはホームセンターで販売されていた溶岩石です。
②防根シートも2種類準備しました。
③プランターを4個準備し葉物野菜と豆類を栽培。生育と養液量の関係を調べることにします。
④雨水の侵入を避けるためビニールシートで被います。温室サイズは180W×120H×60D です。
⑤土壌は市販の培養土を利用しました
 
 

●節水農法
6月25日 海水淡水化装置を使ってできる真水は量的に限られていますのでできるだけ節水できる農法の開発が必要です。エスロン管水耕栽培は塩害砂漠地帯を対象にした農法ですがこれは可なりの養液を使用しますので実用的ではありませんでした。現状では砂漠乾燥地帯では滴下灌漑が主流ですがこれでも節水率は高くない。理由としては土壌表面からの蒸発と地下への浸透です。表面からの蒸発をマルチ剤を使用することで防止しストーンマルチでは結露による水分の補給も期待できます。このストーンマルチ農法の現状では砂漠緑化に有効な方法として採用されているが石の隙間から雑草や灌木が生えるため農作物の育成には適さないとされています。そこで透水性の防根シートを敷いてその上にストーンを載せ農液を滴下しながら野菜類が育たないか調べることにいたしました。またストーンのあるなしでどれだけ節水できるかも調べてみることにします。ストーンマルチの長所は石を敷き詰めることで①地面からの水が蒸発しにくい、夜間も蒸発した水が石にあたって結露しまた地面に戻る②地温上昇の抑制③幼苗の保護④害獣からの保護などいい点があげられます。写真は東京農業大学のストーンマルチ実践風景


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