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干椎茸に酵素が残っている

2018年08月26日 | 面白きのこ情報
酵素って知ってますか?

最近は,色々な食品に入っていて普通に聞くようになりましたね.

例えば,
・ 納豆の中にある酵素は血栓を溶かす
・ 青汁に酵素が添加されました
・ ニンジンの中にはビタミンCを分解する酵素がある
とか,場合によっては,
・ バイオ洗剤には酵素が入っています
という宣伝もあります.

このように,酵素が色々な日常品に添加されているんですが,酵素って何かわかりますか?
酵素を酵母と勘違いしている人も結構いるようです.
酵母は生き物で,酵素はタンパク質です.ただし,触媒機能を持っているタンパク質です.
つまり,食品の中や体内に入ってから化学反応を起こすタンパク質です.

酵素は全ての生物の代謝機能に関わっていて,あなたが食べた食品の消化にかかわっています.
なので,でんぷんを食べれば,それを麦芽糖からブドウ糖にまで消化したり,タンパク質を食べれば,それをアミノ酸に消化するために,私たちの体内で働いています.

酵素が安定に働くのは水分がある条件で,通常は乾燥させると反応能力(活性)はなくなってしまいます.
タンパク質である卵をゆでたり焼いたりしたら元へ戻らなくなってしまうのをイメージしてもらうとわかりやすいでしょうね.

そんな熱に対して不安定な酵素が干椎茸に残っているとは?!

干椎茸を水戻しするときにはどうしてますか?
お湯で戻しますか?水を張って冷蔵庫で戻しますか?それとも室温で水戻ししますか?
正解は,室温がいいんですよ.
室温で戻すと,干椎茸に残っている酵素が反応して,旨味成分であるグアニル酸が増えてくれます.つまり美味しくなるんですよ.
お湯で戻すと早く軟らかくなるんですが,酵素の活性がなくなって旨味が増えません.
冷蔵庫で戻すと,酵素反応が進行しにくくなるため,旨味がやっぱり増えないんですよ.
ただし,夏場は雑菌が繁殖しやすいので,放置する時間にご注意ください.

では,他の酵素は残ってないんでしょうか?

実は,でんぷんを分解する酵素やセルロースやペクチンを分解する酵素も残っています.
でんぷんを分解するということは芋と一緒に煮れば美味しくなるってこと?
実際にジャガイモと反応させた例があります.
ジャガイモの中にでんぷん粒があり,その粒はでんぷんを包んでいるんですが,包んでいるのがペクチンやセルロースであるため,それを分解してからでんぷんをブドウ糖に分解しているようです.
ただし,干椎茸の酵素は温度が高いとうまく反応が進まないようで,でんぷんの分解速度は遅いのが実情です.

ただ,水戻しの段階でニンジンやゴボウと作用させるとやわらかく,かつ,美味しくなるかもしれませんね.


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