きのこ ゼミ ブログ

きのこ ゼミ の情報を掲載しています

キノコバエをだます植物1

2009年03月28日 | きのこ ゼミ 情報メール
カンアオイは、主に常緑で湿った林の下草にひっそりと生える植物です。
葵の花(立葵)とは違うのですが、思い出せますでしょうか。
三葉葵とか、葵祭で使われる双葉葵(フタバアオイ)といえばわかりますでしょうか。

山を歩いているとき注意深くみていれば見つかりますが、花を見るのは結構難しいかもしれません。
葉をかき分けると花は、葉の付け根の地面の上に咲いています。

カンアオイの仲間は他家受粉(異なった株の花粉を受け取る)で種子をつくります。
しかし長い間、”花粉を運ぶ者(送粉者)”ははっきりしませんでした。
通常、花の送粉者としては、昆虫が大きな役割を果たします。
花に蝶々やハチやアブ、小さな甲虫がとまっているのを見たことがあるでしょう。
それらは体に花粉をつけて、花を次から次へと飛び回り、その過程で花粉を運びます。
しかし、カンアオイの仲間ではこうした昆虫が確認されず、花の中で見つかった小形のナメクジ・カタツムリ、ヤスデや小形のムカデが第一の候補に上げられました。
奇妙かもしれませんが、送粉者が昆虫以外の動物の場合は結構あります。
例えば、鳥やコウモリが送粉者である植物もいます。

しかし、カンアオイについては、キノコバエという小さなハエの仲間が花粉を運んでいるということがわかりました。
キノコバエはハエと言いますが、実際にはハエとは違う昆虫です。
しかもカンアオイの花は匂いでキノコバエをだまして、花粉を運ばせているそうです。


○カンアオイのこと
 http://www.geocities.co.jp/AnimalPark-Shiro/5314/Asarum/kan-aoi2.html
○Wikipediaカンアオイ属
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%82%BD%E3%82%A6
○花の自然史
 http://www.hup.gr.jp/details/ISBN4-8329-9751-3.htm


最新の画像もっと見る

コメントを投稿