内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

滞仏丸二十三年

2019-09-10 19:05:18 | 哲学

 今年もまた無事この日を迎えた。1996年9月10日に初めてフランスの地に降り立ってから丸二十三年。二十年を過ぎてからは、一年ごとに特別の感懐があるわけではない。この一年に何か大きな出来事が我が身に起こったわけでもないし、身近な人にもそういうことはなかった。
 今日がちょうど今年度最初の授業だった。学部三年生必修の日本文化・文明講座。語学の授業を除いて、日本語のみで行う唯一の授業。去年から始まった授業で、昨年は一時間だったが、好評につき(?)、今年から二時間になった。今日は、この7月18日の放火事件で犠牲になられた京都アニメーションの35人の犠牲者の方たちに心からの哀悼の意を捧げるという気持も込めて、『聲の形』を取り上げた。最初の四分の一ほどを観た。何度も一時停止しては、一二度観ただけでは見落としてしまいがちな細部に学生たちの注意を促し、それぞれの場面から読み取れることを考えさせた。
 この一年がそうであったように、今日からも、だいたいは坦々と日々を過ごしていくだろう。時には気持を鬱屈させ、少しは嬉しい出来事もあるだろうか。幸い健康には恵まれている。体力の衰えを感じることもない(これは自覚がないだけかもしれない)。体に無理をしなければならないほどの仕事もない。ちょっとうんざりすることや不満に思うことはあるけれど、それもごく当たり前のことだ。
 水泳も続けている。それどころか、今年は例年を上回るハイペースで、このまま頑張ってしまうと、この十年間の年間最多記録265回を塗り替えることになるかもしれない。でも、やはり年だから、頑張りすぎないようにしよう。
 このブログも、これまで通り続けていく。