特別に緊張なんかする必要もないし、いつものようにまじめに仕事をすればええだけやん。
「平常心」とか「がんばるで!」とか「失敗は許されへん」なんて、
りきむ気持ちは逆に 本来持っている能力を発揮でけへんこともあるし。
アルゲリッチさんとティエンポさんのピアノ2台による演奏会の調律のお仕事。
身構えないようにしようと思いつつどうしても意識してしまう。
有り難いことに、今までにもいわゆる巨匠と呼ばれるピアニストの調律もさせていただいてはいますけれど、今回は僕にとって特別なお仕事でした。
何しろ昔からのファンなんですよ、アルゲリッチさんの。
ダイナミックレンジの広さ、無数に奏でられる艶のある音の色変化、ピアノってこんなにいろんな音が出るもんなんやねぇと心底驚かせてくれる演奏家。
ピアノ技術者になりたてほやほやのころ、いつかは彼女の弾くピアノを調律してみたいねぇと、叶わぬ夢を描いていたものです。 ピアノ技術者の憧れってやつですよ。
彼女たちから「良い感じに鳴る楽器ですね、ありがとね!」と声をかけてもらい、
満場の喝采がステージ裏まで響いてくると幸せな気分になってました。
僕にとってひとつの夢を達成できた思い出のある仕事になったようですよ。
滅茶苦茶疲れましたけど。
とはいえ、100パーセント納得のいく仕事ではなかったなぁ。
反省点もいくつかある。(ここでは書きませんけど)
でもね「明日は昨日よりも良い仕事ができるようになろう」と思っています。
〔ぽじてぃぶしんきんぐ〕っていうんですかねぇ。脳天気っていうんですかねぇ。
蛇足
今回、調律アシスト(兼写真係)に専念してくれたカナッペ語録その1
「アルゲリッチさんって、Akkochanに似てますね!」
そう言われてみれば、身の構え方や歩き方 髪型が似ています。
カナッペのユニークな感性に脱帽。
でもねアルゲリッチさんはマグロのカルパッチョやイカめしは作ってくれそうにないからAkkochanのほうが親しみがあってええわ!
ーまー