マイスターのお道具箱

ドイツに住むピアノ技術者、ーまーのブログ

かんにんなー

2013-03-14 | そのほか

 僕が好きなデュッセルドルフの風景、3本ポプラに春の雪が冷たく積もっています。
 

 ここのところブログを書く頻度が少なくなってきています。
かれこれ8年続いているのがなんとも僕らしくない事柄なんやけどね。

かんにんなー が今回のテーマなんやけど、

せっかくコメントを書いてもらっても、返事書いてへん……
きわめて礼に欠く不義理なことやと思てます。
この場を借りて(僕の場所やねんけどね)あやまっとこうと思った次第です。

ブログの存在もさほど真新しいツールの類ではなくなってきていると思うねん。
フェースブックでその日の出来事や食べた物を友達に報告するほうがタイムリーで
面白いのかもしれん。

結論を言うと、
このブログを閉鎖することは考えてないし、
コメントも引き続き書いて欲しいと思ってるけど、
そのコメントに返事するタイミングがつかめずに流れてしまうことが
今後も多々あるということをご理解いただきたい。

 わがま ーまー  な僕を許してね  以上


 




ひぃひぃふーーの黒いTシャツ

2013-03-07 | そのほか
 お義母さんへ
「マサコさん」 今日からはそう呼ばせてくださいね。
 やっぱり実際にお会いしてお別れの言葉を言いたかったなぁ
そんな切ない気持ちを胸に秘めて、仕方なく遠い地球の裏側から
マサコさんをお見送りすることにします。

 長い長い闘病生活、さぞ苦しくて辛かったことと察します。 
今はただ、楽しい思い出だけを一杯詰め込んで 
穏やかに休んでほしいなぁと願っていますので
僕が一番印象に残っているマサコさんとの楽しかったことを書いてみますね。
そう、いわゆる 単なる思い出話しですよ。

 それはおかみさんの産前産後のお手伝いにはるばるドイツまで来ていただき、
いよいよ出産!って時の出来事、「サトチン誕生の巻」です。
もうかれこれ25年も前のお話ですね。

 「この様子じゃまだまだだから、いったん自宅に戻って一眠りしたら?」
助産婦のおばさんは僕にアドバイスしてくれました。(もちろんドイツ語やで)
「そういえば朝 病院にきてから何も食べてへんなぁ。」 
出産予定日をはるかに過ぎても、のーんびりぬくぬくと
母親のお腹から出てくる気配のないサトチン。 
そいつをを引きずり出すために、病院の非常階段を下りては昇り、
昇っては下りの繰り返しをしていました。
僕が出産するのではないのだけれど、途中で産まれそうになった時の
緊急連絡係ですかね、妊婦さんの横に付き添って何時間も一緒に上り下りしました。

 本格的な陣痛が始まって分娩室に運ばれたけれど、
サトチンはいっこうに出てこようとはしませんでした。
すでに日付は変わり午前2時を過ぎてしまいました。

 自宅待機のマサコさんのことも気がかりでしたので車で一時帰宅しました。
真っ暗な深夜、我が家にだけ灯りがともっていました。
その窓際でまるでお百度を踏むかのように右に左にトコトコと歩き回るマサコさんの姿が見えました。
心配で心配でじっとして待ってはいられないそわそわした様子が、
遠目でもはっきりと感じ取れる動きでした。
僕はしばらくその光景をなんだか申し訳ない気持ちで眺めていました。
「まだ産まれへんねん……」とりあえず報告するや否や
「まったく、なにやってんのようちの娘は!」
今までたまっていた不安の塊が一気に化学変化を起こし爆発したような勢いでした。
「おかみさんに怒ってもしゃぁないやん……」

 これ以上ひとり自宅で待つことは容易なことではないという
マサコさんの悲惨な訴えを受け、今度は二人で病院に出かけることにしました。
出産に立ち会うことにしていた僕は分娩室に入って行きましたが、
マサコさんはひとり寂しく廊下で待つことになりました。
自宅でのいきさつを助産婦さんに説明すると、マサコさんも分娩室に入り 
立会いに参加することを特別に許してくれました。

 いよいよ出産との格闘が本格化してきました。
昨日の朝から階段の上り下りを繰り返し、ごはんも食べていませんでしたから 
ひときわ大変だったことでしょう。
女の人はすごいなぁと心の底から思ったものです。
ベッドで唸り続ける妊婦の手を両側から僕たち二人で握り、
「ひぃひぃふーー ひぃひぃふーー」3人でリズムをとりながら合唱しました。
「ひぃひぃふーー ひぃひぃふーー」この絶妙なチームワークの甲斐あって
ようやく のんびりサトチンは産声を上げてくれました。
その直後、僕とマサコさんは舞い上がり、興奮状態の感激モードでした。
二人であーでもないこーでもないとサトチンを産湯につけて大騒ぎになりました。 
そして一番大変な仕事を終え、息も絶え絶えの哀れな母親は労いを受けることもなく
しばらくは忘れられていたようでした。

 出産バトルの次の日、なんだか清々しい気持ちです。 
僕は新しい黒いTシャツを着ました。
出産のお手伝いに来てくれたときに マサコさんからの手土産でいただいたものです。 
「あっ、やっと着てくれたのね、気に入らなかったのかと思ってたわよ!」
不本意にもなじられた僕。
「ちゃうちゃう、 僕が父親になった記念として 生まれたときに袖を通そうって
いただいた時にそう決めてたんよ。だから今こうやって初めて着たってわけ。」
 そうして互いに新米パパと初孫の誕生を祝って乾杯をしたのです。
そのビールが飛びっきり美味かったことを鮮明に覚えています。


 
 そして黒いTシャツ、かなりよれよれしてはいるけれど25年経った今でも健在です。
マサコさんのあの時の笑顔が染み込んだこの黒いTシャツを着て
明日もまた、ぽっこリお腹を絞り出すために 
フィットネススタジオへひと汗かきに行くことにします。


マサコさん 素敵な思い出をありがとう!  おおきに! ダンケシェーン!

    -まー


赤い糸

2013-02-26 | 笑い

赤い糸って知ってるか?
なんや 前置き無しでいきなりストレートに始まったな。 
ここ一年ずっと考えててけんどな 赤い糸っていったいなんや?
運命の赤い糸のことかいな
  これは、結ばれる運命にある男女は赤い糸で結ばれてるって言う中国の伝説や
  一生の伴侶に出会ったときに、やっぱり赤い糸で結ばれててんなぁって
  しみじみ感慨にふけることができるわけよ
で、誰がその伴侶を選んで赤い糸を結びはんねん?
中国の月下老人ちゅう神様らしいで。中国では足首やけど日本では手の小指に結びはんねん
頼みもしてへんのにかってに人の運命を決めてしまう えらいやんちゃな神様やなぁ 
  でもみんなが赤い糸に繋がれてたらそこらじゅう赤い糸だらけでごちゃごちゃや
  絡まった配線みたいでややこしいがなぁ
  それに国際結婚なんてする人はめっちゃ長い糸がいるやんか
あのな、これはファンタジーの話やから、実際にはそんなん見えへんねん
え? 見えへんのんかいなぁ 
  なるほど ほんならWi-Fiやな、中国の神様は結構新しいシステム使いはんねんな
  ハッキングされたりせえへんのかなぁ、お家芸らしいけど……
そんなアホなことありますかいな。赤い糸を手繰っていくと必ず運命の人に出会えるようになってんねんて



せやけど見えへんねんやったらなんで糸が赤色やって分かるんや?
相変わらず間の抜けな感性してんな、あんたは
  赤色は情熱とか愛情を表す色って昔から決まってるやん
  赤いバラをプレゼントしたり、ハート印も赤やんけ  
  せやから運命の糸も赤色ってはじめから決まってんねん
へー 何でもよう知ってんねんなぁ
そら立場上、縁起のええことはとりあえず勉強しとかなな。
 そういう私らかってやっぱり切っても切れへん赤い糸で結ばれてたんやで
 私らの出会いははじめから決まってたちゅうことやね。 どうやロマンチックやろ?
その昔、うかつにもそんな錯覚に陥ってしもたこともあったけど 
  そんな情緒的で甘美な赤い糸と違て 鉄の鎖につながれてるんちゃうかって
  最近思うことありますねん。 目に見えへんその鎖はごっつい重いし、切っても切れへんし
  なんて屈辱的な生活送ってんねんやろ…… とほほ
なんちゅうひどいこと言うねん。まるで奴隷扱いしてるみたいな言いかたせんといて!
きっと赤い糸は繋ぎっぱなしにしとくと そのうち鉄の鎖に化けよんねんで
  それがだんだん錆び付いて動きとれへんようになって……
  大っ嫌いや、赤い糸なんて!
ええ加減にしときや!
 ほんとにね    -まー

楽器が乾燥するとどうなるか

2013-02-18 | ピアノ技術者の仕事

 カワイイわんこの熱烈歓迎を受け、お客さんの家に入る。
長年訪問の仕事を続けていると、部屋に入った瞬間大体の湿度と室温が分かる。
室内環境はピアノのコンディションに大きな影響があるので
仕事を始める前に必ず気にするチェックポイントのひとつ。

この部屋はピアノのためには暑すぎで乾燥しすぎてますという僕の意見を
すぐには受け入れてくれないTシャツ姿のおじさん。



 お客さんが所有するピアノは1892年にウイーンで産まれた楽器。
ベーゼンドルファーの弟子によって作られたヴィンテージ物。
ウインナーアクションと言うウイーン派の跳ね返り式打鍵機構で
ハンマーはフェルトの上に鹿皮が巻かれていて、独特の柔らかく甘い音色。 
もちろんデザインも当時のベーゼンドルファーに似ていて
旧き良き時代の雰囲気を醸し出している。



が、気になるのが過乾燥。
悪い予感はお年玉年賀はがきの1等に当たるよりも15625倍以上の確率で的中。
響板は簾(すだれ)のように何本もの太い亀裂が出来ている。
チューニングピンが緩いのは狂った音を聴くだけで分かる。
細かい木材の部品も反りがでて、戻らない鍵盤、止音できないダンパーが続出している。 
はい、調律不可能でございますょ。





最新兵器をお道具箱から出して測定してようやく納得してもらう。
加湿器を付けようか? いやその前にとにかく室温を下げましょう。
木材が割れたり反ったりすると自然に元には戻りません。
オーバーホールが必要です。 やるしかないでしょ?  
でも、首を立てには振ってくれないお客様。

あきらめずに交渉していくつもりですが……  -まー

ちょっとさみしい かーにばる

2013-02-10 | そのほか


いま、ぼくにひつようなものは
あなたのひとみにもにた すんだそら
あなたのこころにもにた あたたかなひざし



たいがんでは 
いろとりどりのいしょうをまとった はるをまつどうけしたちが
きっと はしゃぎすぎていることだろう  
                    ーまー

とにかくヒラメキで動いてみる

2013-02-06 | 笑い

 「さては、長生きしようって思てるな?」
ジョギングしたり、休肝日を作って生活習慣を改善している友人を捉まえて
茶化し半分応援していた僕。
旨いラーメンをスープまで残さずに食べ終えた直後(餃子とビールも入ってます)、
フィットネスセンターへ入会希望で直行したのです。
突如、これからはもうちょっと体を動かそうと思いついたんです。

 

 長生きしようと思てるわけやないけど、
残り少なくなってきた自分の生きる道(人生の半ば経過してんで!)
実際にこの先何が起こるか誰にも解れへんけども
自分の不摂生が原因で 病に悩み続けるのだけはいややん?
美味しいもんも食べたいし、好きなワインも飲まんならんし、
これから先もそんな楽しいことで結構忙しいなぁと思うのです。
ま、考えに考え抜いた結論やなしに、ポワーンと思い立ったわけですわ。

 お試しコースをさせてもらいました。
ミヒャエル バラックにちょっとだけ似たインストラクターは
僕を15歳も若く見積もってくれはった。
「えらい誇張したベンチャラ(リップサービス)でんなぁ!」
ほんまか嘘か、それでも信じられへん顔をしてマシーンの説明をしてくれてはったけど、
マシーンに書いてある説明図をメガネ外して眉間にしわ寄せ解読している僕の姿を見て
大きく頷き、それからは荷重も下げてくれはった。どうやら実年齢に納得したらしい。
(インストラクターもきっと目が悪いに違いない)

筋肉肥大を目指し(腹筋が割れたとか言って)悦に入りたいわけではなく、
先ずは有酸素運動ってやつですか?
機嫌よく過ごせるような感じで緩ーくやってみようと思てます。

ただ、一番の問題はいつまで続くかですわ。
自分のことは一番良く知っている……  ーまー

まくらを使いましょう

2013-01-27 | そのほか

 気温が下がって雪が降る。それはさらに根雪となり、歩きづらくなる。
なお更に寒いと感じる。 冬やねんから寒くて当たり前なんやけど、
もうぼちぼち寒いのにも飽きてきたかな。

ダイナミックでもドラマチックでも、ワイルドでもない最近の生活。
公開して自慢するほどのものでもない買い物をした。
前から使ってみたかったBamboo 
電気屋さんに足を運んだのではなくネットで注文。
便利というか横着と言うか… フットワークのない僕。



 さてこのBambooを使うに当たって、なかなか僕の指先は馴染んでくれへん。
ツルツルの指先ではどうも反応が鈍いらしい。
カーソルをピンポイントでアイコンに持っていくにも一苦労する。
専用のペンではなお更に細かいコントロールが難しい。
熟練するまではやっぱりマウスの力を借りることになる。
てんやわんや数時間の格闘の末、右手首がおかしくなった。

赤い分厚いフェルトを工房から拝借して枕にした。 
厚さが丁度で けっこう楽です。
腕枕でもなく、膝枕でもなく手首枕です。



このフェルト、実はピアノの弦枕用なんや。マイルドやろ?

ーまー

日本の政権が換わった頃

2013-01-18 | 笑い

 日本の政権が換わった直後、ピアノ工房では休肝日が設けられ、
毎週木曜日はアルコール禁止と定められた。
この勇気あるスピード決定にお褒めの言葉を頂くこともあった。
逆に今まで休肝日がなかったことへの驚きの声も聴かれた。
平日も確実に摂取量は減らしているし、飲まない日をさらに設定したので
きっと肝ちゃんへの負担軽減になっていると思われる。
実際に効果があるのかどうか、ある種の人体実験をしているようでなんだか楽しい。

しかし、休肝日に対する負の影響も出ていることも事実だ。
木曜の夜はかなり機嫌がわるいらしい。 いつも以上に無口で仏頂面、
投げやりな返事ばかりで逆に気を使っちゃうという批判を受ける。
なるほど、思い当たる節はあるので真摯に受け止めてはいる。


  「ロゼ色のツララ」 節酒者の叫びシリーズ


 口寂しいというか手持ち無沙汰というか、なんか落ち着かへんねん。
数珠を忘れたお坊さんみたいな感覚やね。
お年賀でいただいた雅な最中をあてにお茶をすすって誤魔化してはいるけれど、
気がつくと湯飲み茶碗をグルグルまわしてしまう姿はワイン党の名残やね。

いっそこれを機に右党(甘党)に鞍替えしよか!?
いやいや、
僕一人が換わったところで景気が一気に回復するわけでもなく、
どこぞの政治家達やないけれど、世襲というか血統(血筋)があるので
そう簡単に左党から離党できるはずはないやんか。

理屈をこねて断酒にはやっぱり踏み込まない    ーまー

こううんりゅうすい

2013-01-03 | そのほか

 新しい年を迎え心機一転、新鮮で軽快な気持ちで出発しようと決めた。
一年365日、溢れるくらいに充分な時間があるように思うから
今年はあれしてこれして、今年からはこれをやってあれも始めて……
その反面、先を見ると滅茶苦茶長い道のりがあるように感じ、
やれやれ、なんかやっぱり気が重くなってきた。

 せやけどこの感覚は、一年経つと全く違ってる。
なんやかんや時間に追われ、慌しい生活を送ると
あれ? もう一年経ってしもた。 
なんて、ため息交じりにつぶやいてる年の暮れを毎度迎える。
こうして同じことを繰り返しながら歳をとっていくねんなぁ。

それやったら、何も言わず 行雲流水 気のむくままに流されてみるか……
いや、きっとそんなダイナミックな気持ちにもなられへんやろなぁ。

結局、僕は一体どないしたいんや?   -まー

新しい年

2013-01-01 | そのほか

 日本は今、新しい年が明けたようですね

こちらは8時間後に新年を迎ます。
そう、まだ大晦日なのです。 毎年仲間とわいわい年を越すことが多いのですけれど、
今年は静かに新しい年を迎えるようです。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

2013年、 皆様におかれましても 健康で幸せ多い一年になりますよう
お祈りいたしております。

少しブログ更新のテンポが遅くなっておりますが、
これからもゆるーくアップしていきますので、
読みたい人は読んでくださいね。
(最近はフェースブックが気軽でね…)

今年もみんなと一緒に歩んで行けることに幸せを感じながら    -まー


手持ち無沙汰なクリスマス

2012-12-23 | そのほか

 暖冬のクリスマスになりそう。でも天気は芳しくない。
どんな一年だったかと振り返ってみるのもいいけれど、
来年をどのようにしようかと考えることにしよう。

 やっぱり先ずは健康管理やね
暮れ近いこの抜群のタイミングでお医者様から
「アルコールは適量に押さえなあかんでー」と
数値をオーバーした項目に優しくでも実直なコメントを頂いた。



 神経質になって落ち込みすぎてはいけないけれど、でも結果は真摯に受け止めよう。
減酒、減塩、減脂を徹底しようと思う。

有言実行、さっそく始めてるんやけど、なんか手持ち無沙汰でね。
食事前の「つまみ飲み」料理しながらの「キッチンドリンク」
このクセを取り除くのが一番むず痒い。
我慢してもイライラしたり手が震えたりはしてないからアル中やないらしい。

で、今はクッキーがやたらおいしく感じ、食べすぎてます。
(別の数値が上がりそうや)

ま、とにかく楽しく過ごしましょうや!  メリークリスマス  -まー

今日はこんな曲を聴きたい気分
  don,t get drunk this christmas/ John Denver

忘れた頃にやってくる

2012-12-15 | 笑い

 たとえ自分の不注意で失敗しても反省しにくいものがある。
何度も経験してることやねんけれど、それはスピード違反。

 TOMTOMカーナビ「Tomチャン」はスピード超過を警告してくれる。
大体10キロオーバーするとピロピロ言って教えてくれる。
結構正確でええ仕事してくれんねんけどね、今回はあかんかった。

 遠方のコンサートの仕事の依頼を受け現地に向う。
初めて行く現場なんでTomチャンに助けてもらっててん。 
少しスピードを緩めながらきょろきょろと目的地の会場を探す。(どっちみち30キロ制限やけどね)
現場を発見したのでスピードアップした。
「あー あった あった あそこや!」て感じ。
そのとたんお馴染みの赤いフラッシュが目に飛び込んできた。
不思議なことに僕の場合いつもカメラ目線なんや。
「またやってしもた。何でTomチャンは教えてくれへんねん!?」 
舌打ちをしながらなじる僕。

 

そして、いつものごとく 忘れた頃に請求書がやって来る。
このタイミングの遅さが反省する意欲をなくさせるんやね。
違反したのは自分のくせして、あたかも自分は悪くなかったんやと責任逃れをしてしまう、
ボクは弱いダメな人間です。
ポジティブに自己評価すると、人間らしさのある憎めない人です。

実際には14キロオーバーで 25ユーロの罰金でした。
本当はやっぱり反省してます。 -まー

PS. テーマ写真の新し色のドイツパトカーは記事の内容とは関係ありません。
たまたま工房前で駐車禁止のレッカー移動のサポートに来てただけです。

毎年同じことの繰り返しのはずやのに

2012-12-02 | そのほか

アルトシュタットの小さな教会
自然と厳かな気持ちにしてくれる空間。
静寂の中のチェンバロの響きはぞくっとくるよね。

 

ピンピンと無機質な調律しているときの音(調律セレナーデって勝手に言ってます。)
ですら気持ちが落ち着いてくるよ。
結構集中して仕事ができたよ。「神様の必要性」なんて考えてみたりしながらね。

ところが

一歩外に出ると別の世界が待っている。




クリスマスマーケットが立ち並び、暖かいワインやら、ソーセージやら、
チューニングのあまいストリートミュージシャンの音、アルコール臭、タバコの煙、
色とりどりのクリスマスの飾り物、ブリキのおもちゃ、甘い香り、炭火の匂い、
 若者だけでなく、老人までが大はしゃぎしてはる。聴こえてくる声から
オランダやイギリスからの人たちもかなりいる様子、とにかくごった返し状態。
 
 賑やかで結構やねんけど、歩くのにも一苦労。
きっと今の僕は眉間にシワを寄せて、怖顔でめちゃ不機嫌モードを体いっぱいで表現してるやろなぁ。
周りの楽しそうな雰囲気の中、一人で寂しすぎるなと思った。 
でも一人でよかった。ここに連れ添いの人(たとえばおかみさんとか)が一緒やったら、
僕の態度の悪さできっとその人に不愉快な思いをさせ悪影響を与えたに違いない。
人混みと寒いのが早起きするのと同じくらい苦手な僕……

クリスマスが近づくにつれ、ますます世間は慌しくなる。
毎年同じことの繰り返しのはずやのに、
やれやれ今年は特にひどいなと感じてしまう。
みんなも同じ気持ちなんかなぁ。

 

それでも一年の締めくくりはもうそこまで来ているのです。
できるだけ落ち着いた気持ちでいようと思うのです(が)。-まー

聴こえてますか?

2012-11-25 | そのほか

 「年に一度は調律してくださいね。 
定期的に点検することがピアノを長持ちさせる秘訣です。」
いつも真っ当なアドヴァイスをするピアノ技術者。
そのくせ、自分自身の健康診断は4年間受けずにいた奴。 はい 僕です。
その前がやはり4年間の間隔が開いていたので 
ま、4年ごとに定期的に受けてるともいえるんやけどね(オリンピックやあるまいし)

 フリーランスであたふた仕事をしている者にとって
平日の半日をまるごとまとめて空白にするというのがなかなか大変でね……
とは、ごまかしの言い訳に過ぎない。
実は内視鏡(胃カメラ)を差し込まれるのが怖いのです。
オエっとえずきながら黒くて長い異物が自分の喉を容赦なく通り
胃の中をごにょごにょまさぐられるあの屈辱感が耐えられへんのですよ。
何にも悪いことしてへんのに拷問を受けてるようで、
無抵抗に横たわった僕の涙いっぱいの目には医師の顔が閻魔大王にしか写らないんです。

 今回は内視鏡ではなく、バリウム飲んでレントゲンと聞き、快く受けることにした。
(これで何か異常が発見されたら、結局は再検査で内視鏡攻めに遭うことになるんやろうけどね。) 

 バリウム初体験でした。お徳用木工ボンドみたいな容器から紙コップにドロっと
注がれた白い液体はずっしり重い。想像に反し、なんかさわやかな味がしてOK。 
胃を膨らませるために炭酸ソーダのような粉を少しの水で流し込む。
これまた好物のイチゴ味やった。
そのあとはまな板の上のうなぎ(鯉やったっけ)のようにうねうねと自己回転するように指示があり、
右やら左やらいろんなポーズをとって胃のポートレート写真を撮ってもらいました。

 血液採集やらX線やら一通り済み、聴力検査を受けました。
「さすが ーまーさんですね 20歳前半位の聴力をされてますねぇ、素晴らしい。」
「へへ、この手の音波を聞き分けるのが僕の仕事ですからね、当たり前ですわ!」
先生の褒め言葉に有頂天になりながら、
なんでおかみさんの小言や愚痴は聴こえにくいねんやろと不思議に思ったりしました。

「もう少しこまめに定期診断を受けるようにしてくださいね。」
そんなお医者さんの声ははっきりと聴こえました。

画像と記事の内容は全く関係ないものです。 -まー






音楽の仲間たち

2012-11-11 | ピアノ技術者の仕事

 ある演奏会があった。 
こうして画像をアップすると、ーまーさんがピアノの調律したんやなぁ、
などと思われるかも知れんけど、 違います。 僕じゃないです。
個人的には是非とも調律でお手伝いしたかったんですが、
業界の縄張りがありますんでね。
ここは同業者への敬意と言うかルールもお互い守りたいからね。

自分以外の技術者が手掛けたピアノでの演奏会を聴く機会は普段あまりないので
勉強になりましたよ。 明らかに自分の音ではないことがはっきりわかるものですね。
調律の出来具合の良し悪しではなく、へぇーこんな音の広げ方してるんやーって
興味深いことも発見させてもらいました。

 

 デュッセルドルフの日本クラブで結成しているアマチュアのオーケストラ。
現地で活躍するプロの音楽家と供に大きな舞台に立てるというのは
さぞ醍醐味ある体験やと思う。
僕は今回、写真係りに任命されてんけどかなり不安でした。 
プロのカメラマンさんが、見るからに上等な機材を持って応援に来てくださり、
安堵したのです。
おかげで無責任なスナップ撮影ができましたが、
ステージの光は難しいですね。うろうろとあまりみんなの邪魔になるのも悪いし。

 

 今回のソリストは高橋愉紀さん。
感動こそせよ、音楽を聴いて涙など流したことなどほとんどない僕ですが、
彼女の奏でる音表現はずっしりと僕の奥深い場所に入り込み、
いつの間にかカメラのファインダーがにじんでいました。
そう、僕の撮った写真がピンボケなのは高橋さんの仕業です。  -まー