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松喬「おやっさん」書感

2011年07月05日 07時03分28秒 | 落語・講談・お笑い
松喬の「おやっさん 師匠松鶴と私」を読んだ。
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6代目松鶴の思い出話としては、
以前松枝の「ためいき坂くちぶえ坂」が出ており、
これはこれで非常に良い本だったので、
松喬はどのようなことを書くのか、と楽しみにしていた。

内容としては、私が知らなかったエピソードも
かなり盛り込まれており、満足。
6代目のエピソード以外に、
家族の話や入門前の散髪屋に奉公していた頃の話、
或いは弟子を取ってからの話なども盛り込まれており、
これも興味深かった。
弟子についての話などは、
また別に(1冊にはならないかも知れないが)書けるのでは、と思う。
講演会などで話しているのかも。

全体的に、エピソードを通して
福笑や松枝・呂鶴への劣等感やライバル意識、
自分が劣っているものを克服してきた矜持、といったものが
垣間見える。
そのあたりの精神が、還暦を過ぎた今になっては、
東京でも(虚名でなく)客を呼べる噺家になっている
バックボーンにあるのかな、と思う。

文章そのものは若干たどたどしく「自分を語っている」ところもあるが、
それがこの人の落語にも現れる「味」だと感じる。
松枝の本の自分をも突き放したような語り口
(彼の落語の特徴もそこだと思う)とは対照的。

少し鶴瓶に触れているが、
若干、売れっ子について書いて売らんかなとする姿勢を、感じ取ってしまった。
松葉についてはほとんど触れておらず、少し残念。
あまり密接に関わっていなかったのかな。
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