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転換点の覚悟

2010年08月23日 08時22分39秒 | 政治
少し前だが「自民党政治の終わり」(野中尚人)読了。
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この本を読んだのは、
「政権交代したが、結局自民党的なものが残っている(下手すりゃ酷くなっている)」
という感覚があり、
その「自民党的なもの」の根源がどこにあるか、を考えたかったから。

この本は政権交代より前に書かれているものなのだが、
小泉改革や小沢の小選挙区制導入、
元々の政策決定過程における与党自民党のシステムや官僚との相互依存体制について
分かりやすく説明されており、
考える端緒として良い本だと感じた。
歴史的な比較、海外との比較なども参考になる。
このあたりはどこまで妥当か、他の本を読んでおく必要はあると思うが。

私の印象に残ったのは、
戦後の政治体制は基本的に、パイが増え続ける前提で、
その増えた部分をどう分配するか決定するために作られている、ということ。
そこから、現状についていろいろ考えることができた。

パイが増える状況であれば、
既存の受益者の権益を損なうことなく、何か新しい施策を講じることができる。
調整のポイントは、新規の権益を求める個人・集団の中から
誰に、どの程度分配するか、ということになる。
分配されなかったメンバーも、さほど影響を受ける訳ではない。

しかし、パイが変わらない状況で新しい施策を講じようとすれば、
既存の受益者から取り上げて、それを分配せざるを得なくなる。
あるいは国債を発行して見かけ上パイを増やして、
未だ見ぬ将来世代から取り上げて分配するか。

現在の政治体制は、この「既得権益者から取り上げる」際の判断基準や、
それを作り、実行していく思想・体制を欠いているように感じる。
結果、声の小さい、影響力の弱い部分にひずみが来ているのではないか。

政権交代から1年。
このあたりの考え方や体制の転換が必要だと思うのだが、
どうも民主党全体としては、その覚悟が不足しているように感じる。
有権者のレベルが
「自己の既得権益を無条件に承認してくれる人に投票する」程度であれば、
このあたりに触れないのは「選挙に勝つ」目的に適合しているのかも知れないが。
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