昨日は朝から繁昌亭の「桂坊枝独演会」へ。
3日連続だったのだが、小天正目当てで最終日にした。
「桃太郎」(ぽんぽ娘):△+
親子の会話の雰囲気が出ており、思ったより良かった。
舞台慣れしている感じがする。
落語家になって3年、ということだが、
それ以前に浅草で8年漫談をやっていた、というだけのことはある。
発声は何か不思議。
声がこの人の口から出ていない感じ。
母親と子ども、という設定は、個人的には違和感を持った。
落語の世界では「やり込められるのは父親(男)」であり、
母親がやり込められるのに不慣れなためだろう。
「ちょうず廻し」(坊枝):○-
愛嬌がある人。
全体に発声の仕方や動き(飲む仕草)が、若干クサめ。
それが明るい雰囲気につながっていて良かった。
市兵衛さんに説明するところは少しダレた。
もう少しかいつまんで(市兵衛さんが応答するだけで)
話した方が良いと思う。
上下を振るときに、時々座り直すことがある。
それでリズムに変化がつくところもあるな。
聞きながらふと思ったこと。
「水を盥に入れて出す」というのは、
水に恵まれない大阪だけの習慣かも。
地方では水が豊富なので、
「手水を廻す」という言葉以前に、
朝、わざわざ水を出す習慣もなかったのかな。
「住吉駕籠」(坊枝):△+
最初の茶店の主の言い立てのリズムが少し悪い。
トチりまでは至らなかったが。
後は「手尽くし+その嫁」「侍」「酔っ払い」。
手尽くしに「旦那さん乗って」と乗る駕籠屋が軽く、良い雰囲気。
酔っ払いは動き・声とも大きく陽気で、
見ていてあまり不愉快にならず、良かった。
時間に追われていたのか、
酔っ払いの「包み直せが抜けてる」で切る。
少し尻すぼみになった感じ。
全体に、爆発的なウケにつながらなかった。
きっちりとはしているのだが、何か客を引き込む感じが弱い。
何となく、客が客の立場のまま聞いてしまっていた。
「マジック」(小天正):○
まあ、期待通り。
「ウソ結び~鳩出し」「ビール瓶」「ティッシュペーパー」
「伸びる親指」「消える五百円玉」と、
ほとんど見たことのあるものばかりだが、
ギャグを増やしたり(歌い踊る、インチキ英語や怪しげな標準語を散りばめる)
客へのツッコミを増やしたりしていた。
「消える五百円玉」は「背中で押さえている」感じだったが、
以前見た「悠然と帰る」形の方が
感心するところと後でウケるところの落差が大きくて好み。
「青菜」(坊枝):△+
植木屋さんをあまり職人くさくせずに描く。
若干、科白に不安なところがあった。
「わさび、大好物」と言ってしまうとか。
(好物だったら直接食べないだろう)
奥様は用を言いつかって、すぐに戻ってきて「鞍馬から」になる。
(間に旦那と植木屋さんの会話がない。)
テンポが良くて個人的には好きだが、
「そんなにすぐに戻ってくるはずがない」と思う人もいるかも。
間に入れる「懲役」といったギャグは、
後で植木屋さんと嫁さんの会話の中で入れていた。
これはこれで良いと思う。
植木屋さんと嫁さんのやりとり、まっちゃんとの会話には
特にアクセントをおかず、きっちり描写していた。
サゲの「弁慶」も自然な感じ。
全体に安心して聞いていられた。
もう少し「爆笑」に至るところがあれば良かったのだが。
あと、お茶子は坊枝の娘さんらしいが、
小走りくらいのきびきびした動きで良かった。
やはり、お茶子はこうでないと。
まあ、満足して帰りました。
3日連続だったのだが、小天正目当てで最終日にした。
「桃太郎」(ぽんぽ娘):△+
親子の会話の雰囲気が出ており、思ったより良かった。
舞台慣れしている感じがする。
落語家になって3年、ということだが、
それ以前に浅草で8年漫談をやっていた、というだけのことはある。
発声は何か不思議。
声がこの人の口から出ていない感じ。
母親と子ども、という設定は、個人的には違和感を持った。
落語の世界では「やり込められるのは父親(男)」であり、
母親がやり込められるのに不慣れなためだろう。
「ちょうず廻し」(坊枝):○-
愛嬌がある人。
全体に発声の仕方や動き(飲む仕草)が、若干クサめ。
それが明るい雰囲気につながっていて良かった。
市兵衛さんに説明するところは少しダレた。
もう少しかいつまんで(市兵衛さんが応答するだけで)
話した方が良いと思う。
上下を振るときに、時々座り直すことがある。
それでリズムに変化がつくところもあるな。
聞きながらふと思ったこと。
「水を盥に入れて出す」というのは、
水に恵まれない大阪だけの習慣かも。
地方では水が豊富なので、
「手水を廻す」という言葉以前に、
朝、わざわざ水を出す習慣もなかったのかな。
「住吉駕籠」(坊枝):△+
最初の茶店の主の言い立てのリズムが少し悪い。
トチりまでは至らなかったが。
後は「手尽くし+その嫁」「侍」「酔っ払い」。
手尽くしに「旦那さん乗って」と乗る駕籠屋が軽く、良い雰囲気。
酔っ払いは動き・声とも大きく陽気で、
見ていてあまり不愉快にならず、良かった。
時間に追われていたのか、
酔っ払いの「包み直せが抜けてる」で切る。
少し尻すぼみになった感じ。
全体に、爆発的なウケにつながらなかった。
きっちりとはしているのだが、何か客を引き込む感じが弱い。
何となく、客が客の立場のまま聞いてしまっていた。
「マジック」(小天正):○
まあ、期待通り。
「ウソ結び~鳩出し」「ビール瓶」「ティッシュペーパー」
「伸びる親指」「消える五百円玉」と、
ほとんど見たことのあるものばかりだが、
ギャグを増やしたり(歌い踊る、インチキ英語や怪しげな標準語を散りばめる)
客へのツッコミを増やしたりしていた。
「消える五百円玉」は「背中で押さえている」感じだったが、
以前見た「悠然と帰る」形の方が
感心するところと後でウケるところの落差が大きくて好み。
「青菜」(坊枝):△+
植木屋さんをあまり職人くさくせずに描く。
若干、科白に不安なところがあった。
「わさび、大好物」と言ってしまうとか。
(好物だったら直接食べないだろう)
奥様は用を言いつかって、すぐに戻ってきて「鞍馬から」になる。
(間に旦那と植木屋さんの会話がない。)
テンポが良くて個人的には好きだが、
「そんなにすぐに戻ってくるはずがない」と思う人もいるかも。
間に入れる「懲役」といったギャグは、
後で植木屋さんと嫁さんの会話の中で入れていた。
これはこれで良いと思う。
植木屋さんと嫁さんのやりとり、まっちゃんとの会話には
特にアクセントをおかず、きっちり描写していた。
サゲの「弁慶」も自然な感じ。
全体に安心して聞いていられた。
もう少し「爆笑」に至るところがあれば良かったのだが。
あと、お茶子は坊枝の娘さんらしいが、
小走りくらいのきびきびした動きで良かった。
やはり、お茶子はこうでないと。
まあ、満足して帰りました。