朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

繁昌亭昼席

2009年08月14日 09時45分21秒 | 落語・講談・お笑い
昨日は繁昌亭に行ってきた。
好きな演者が比較的揃っていることと、
襲名後の米團治がどんなものか見ておこう、と思ったため。

平日だが、お盆中ということで
補助席も使うような入り。
客が多い
→ギャラが多い
→(代演でなく)演者がきちんと出て、きちんと演る
→面白いのでまた客が来る
という良い循環に入っている感じがする。


「つる」(二乗):△

持ち時間10分ということだが、特に違和感なく抜いて、
ウケもとっていた。
ご隠居さんとの会話をもう少し削り、
「まっちゃん」(だったか)との会話や
「つる」と言うところを丁寧に演る方が好みだが。


「ろくろ首」(七福):△+

マクラ・ネタとも、口調や雰囲気があまりプロらしくない。
ただそれが、この人の良い部分なのかな、とも思った。

よく聞く「ろくろ首」(米朝系?)とは違う設定・台詞回し。
2時に首が伸びるが3時には戻る、とか、
最初は顔合わせだけに行ったのだが
そのまま養子先の父親が引き止めてしまった、とか、
紙縒りを引っ張る件がない、とか。

特に養子先に行ってみて泊まることになってしまうあたりで、
地の文が多いのはイマイチ。


「平の陰」(恭瓶):△-

なんか鶴光くさい。
手紙を持ってくる側はあっさりしていて良いのだが、
兄貴分の描写でいろいろ手を入れ過ぎ、不自然に感じられた。
無理に変な科白を入れたり、強く喋ったりせずに演った方が、
次第にウケが大きくなるように思う。


「奇術」(Wonderful佳恵):△-

喋らない、普通の奇術。
紙をちぎる動きが遅い、
金魚を金魚鉢に入れるときにこぼす、など、
奇術の腕は分からないが「見せる」部分での穴が多い感じ。
最後の術で高座に紙を撒き散らすのが、
特に汚らしいなあ。
色替りにはなったが。


「千早ふる」(八天):△+

男と隠居の会話は、リズム良く運んでウケていた。
隠居の物語に入ったところで、あまり雰囲気が変わらない。
もう少し変わる方が好み。
後で「千早ふる」の歌の説明に戻るときに
落差ができない感じがする。

物語の中では、男が疑問を呈したところに
「なったんだから仕方がない」の繰り返しでウケをとっていく。
ただ個人的には、見台を叩くのは好きではない。


「青菜」(梅團治):○

「売れていない」みたいなマクラ。
ウケていたが、本当に彼のことを知らない客が多い前で
別にそんなことを言う必要もないのでは、と感じた。
今日は大丈夫だったが、
「面白くないのでは?」と先入観を与えてしまう恐れがあると思う。

ネタは特に何か強調して「ここでウケをとろう」としている訳ではなく、
ご隠居さんを穏やかで落ち着いた人として描写し、
植木屋さん(喜六、にしていたが)を普通に職人として造形しているだけだが、
きちんとウケている。
後の植木屋さんと大工の会話も同様。
自然な科白・会話で状況が可笑しければ、
それで落語として面白い、ということだろう。


「漫談(河内音頭など)」(レツゴー正児):△

喜寿だそうな。
自分の通ってきた学校の校歌を歌い、
最後に幸枝若ばりの河内音頭(雷電と八角)をうなる。

歯が悪いのか?少し言葉が聞き取りづらい。
声はよく出ていたが。


「田楽喰い」(福楽):△+

暑くて出てくるのがイヤになる、とか、
時間が押しているので何をしようか、といったことを
マクラでうだうだ喋る。
ネガティブな発言が多いのだが、あまり不愉快にならないのは
この人の愛嬌みたいなものがあるからだろう。

ネタは若い連中の会話から、
「田中の兄貴」のところで酒を飲み、田楽を食べる、という流れ。
若い連中の会話はもう少し短くできそう。
田楽は「れんこん」「にんじんだいこん」の後、
アホが探り探り(本当に「ん」のつかない野菜を福楽が探している感じだが)、
繁昌亭らしく「てんてんてんまのてんじんさんのはんじょうてい」、
京都の薬屋の言い立て、最後に火事。
言い立てはやはり感心してもらえるなあ。

うまく抜き出して、短い時間でまとめていたと思う。


「鰻谷の由来+踊り(姐さん)」(生喬):△

珍しい噺。
もっともらしく喋っており、部分部分ではウケをとっていたので、
まあ良いと思う。
そもそも何がやりたいネタなのか、よく分からんが。
踊りは良い色替り。


「稽古屋」(米團治):△-

マクラは入門や襲名の際の話。
いろいろな人の物真似(枝雀・ざこば・米朝・春團治・文珍)も入れている。
工夫は買うけど、
吉朝に比べると似ているとは思わんなあ。

以前から、この人の落語には違和感があったのだが、
科白の間・強弱などが人間の普通の会話のリズムと異なっているのが
原因なのでは、と思った。
普通の人間とは異なる「落語世界の登場人物」を作って、
そのリズム・アクセントの付け方で喋っている。
それを「不自然」と感じてしまう、ということなのだろう。
「この人はこんなリズムで喋る人なんだ」「これは日常会話ではない」と思うと
違和感は少し減った。
でも変。

この人の「稽古屋」、
マクラで「稽古屋でも色事は教えてくれない」といった説明をするのだが、
野暮ったいし意図が分からず、くどくて好きになれない。
「色は指南の他」というサゲは、
所詮「色は思案の他」との地口だと思うのだが。

あと、全体にアホではなく稽古屋のお師匠さんに焦点が当たっている
(「手習子」の踊りの稽古場面が長い、とか)
感じがする。
このネタの軸は「色事をしたいがために稽古に通うアホ」にあると思うのだが、
そこが弱いと感じた。

別に、米團治になったからと言って
良くなっているとは思えないし、将来も良くならないだろう、というのが
久し振りに見ての感想。


終わって外へ出ると、
出演者が並んで送ってくれた。
このあたりの心遣いが続く間は、
繁昌亭はガラガラにはならないと思う。

米團治は兎も角、
全体には満足して帰った。
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8月13日(木)のつぶやき

2009年08月14日 00時15分00秒 | つぶやき

幸福実現党が衆議院撤退って本当かなあ。毎日のことだからガセネタかも。
posted at 08:49:00


【追記】
goo連携前にtwitterでつぶやいた内容を反映してみる。
情報は集積しておきたいので。
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